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所得控除とはどういう意味か。給与所得控除の金額と計算方法わかりやすく解説

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目次

「所得控除」と「給与所得控除」は異なることを知ろう!

まず、給与所得控除と、所得控除とでは字面が似ていて混同しやすいのですが、実はまったく別なものだということを理解しましょう。

給与所得控除は、年収によって率が変わり、年収から差し引ける控除のことをいいます。所得控除とは、所得から差し引いてもよい、課税の対象にならないものを指します。

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所得控除とは?

所得控除とは、確定申告など税金を算出する際、所得から引ける、課税対象外のものです。所得=年収-控除で表されます。控除の種類は、多数あるので以降まとめます。

所得税からある特定の金額を差し引くのが「所得控除」

所得控除があるのは、個人の担税力(どれだけの税金を負担する力があるか)の違いを考慮しているからで、家族構成、個人的事情の違いなどによって所得税の算出の際に控除する(特定の金額を年収から差し引く)ものです。

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所得控除は14の控除に分けることができる!

14種類の控除について、以下まとめます。

①雑損控除

損害を受けた資産が次のすべてに当てはまる場合

・資産の所有者が、納税者あるいは配偶者や親族であり、その年度の所得が38万円以下
・会社が、販売目的で一時的に保有している資産、事業用の固定資産、「生活に通常必要でない資産」にあてはまらない資産であること
例えば、別荘、娯楽、保養、鑑賞の目的で保有する不動産や貴金属、書画、骨董など一つの価額が30万円を超える、生活に通常必要とはいえない動産

いずれか多い方の金額を控除として申請できます。

・(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
・(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

差引損失額の計算

差引損失額=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより補てんされる金額

申請方法

確定申告書に雑損控除に関する事項を記載、支出の金額の領収証を添付あるいは提示します。給与所得のある場合は、上記に給与所得の源泉徴収票(原本)も添付します。

②医療費控除

・納税者あるいは配偶者や親族に支払った医療費
・その年度ないもの

医療費控除は、次の式で計算した金額(上限200万円)
実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額-10万円
その年の所得が200万円未満の人は、所得の5%の金額

申請方法

医療費控除に関する事項を記入した確定申告の書類の提出します。医療費の支出を証明する書類、領収書を添付あるいは提示します。給与所得のある場合は、上記に給与所得の源泉徴収票(原本)も添付します。

③社会保険料控除

・納税者あるいは配偶者や親族に支払った社会保険料
・その年度ないもの

その年度に支払った金額、給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額です。

申請方法

保険料または掛金の金額を証する書類を、確定申告書または年末調整の際に提出する給与所得者の保険料控除申告書に添付します。

④小規模企業共済等掛金控除

納税者が共済等の掛金を支払った場合の所得控除できる掛金です。

・共済契約の掛金
・企業型年金または個人型年金の加入者掛金
・心身障害者扶養共済制度の掛金

その年度に支払った掛金の金額の全額のことです。

申請方法

確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄記載、掛金の証明書を添付あるいは提示します。給与所得のある場合は、給与所得の保険料控除申告書に添付します。

⑤生命保険料控除

納税者が生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合一定の金額の所得控除を受けることができます。
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
| - | - |
| 20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
| 40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
| 80,000円超 | 一律40,000円 |

(国税庁のHPより)

合計額が12万円を超える場合には、生命保険料控除額は12万円となります。

申請方法

確定申告書の生命保険料控除の欄記載、支払金額や控除を受けられることを証明する書類添付あるいは提示します。

⑥地震保険料控除

納税者が地震等損害部分の保険料や掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。

平成18年の税制改正のため、平成19年から損害保険料控除は廃止。ただし以下の条件を満たす一定の長期損害保険契約等に関する損害保険料については、地震保険料控除の対象とできます。

・平成18年12月31日までに締結した契約(保険期間又は共済期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)
・満期返戻金等のあるもの(保険期間または共済期間が10年以上の契約)
・平成19年1月1日以後に損害保険契約の変更をしていないもの

申請方法

確定申告書の地震保険料控除に関する事項記載、支払金額や控除を受けられることを証明する書類添付あるいは提示します。
年末調整で控除された場合は不必要

⑦寄付金控除

納税者が国や地方公共団体などの公的団体に特定寄附金を支出した場合には、所得控除を受けることができます。

次のうち低い金額-2千円=寄附金控除額
・その年の特定寄附金の額の合計額
・その年の総所得金額等の40%相当額

申請方法

確定申告書の寄附金控除に関する事項記載、領収書添付あるいは提示します。

⑧寡婦・寡夫控除

納税者自身が寡婦であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。また、次の全てを満たす場合、特定の寡婦に該当します。

・夫の生死が明らかでない
・扶養親族である子がいる
・合計所得金額が500万円以下である

区分 控除額
寡婦控除 27万円
特定の寡婦控除 35万円

(国税庁のHPより)

⑨勤労学生控除

納税者自身が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。
次の全てを満たす場合、勤労学生に当てはまります。

・給与所得などの勤労による所得があること
・年収が65万円以下で、勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
・特定の学校の学生、生徒であること

区分
控除額
勤労学生控除

(国税庁のHPより)

⑩障害者控除

納税者自身、控除対象配偶者や扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
| 区分 | 控除額 |
| - | - |
| 障害者 | 27万円 |
| 特別障害者 | 40万円 |
| 同居特別障害者(※) | 75万円 |

(国税庁のHPより)

#9322;配偶者控除

納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

控除額は、控除対象配偶者の年齢により異なります。
| 区分 | 控除額 |
| - | - |
| 一般の控除対象配偶者 | 38万円 |
| 老人控除対象配偶者(※) | 48万円 |

※ 老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち、年齢が70歳以上の人 
配偶者が障害者の場合には、配偶者控除の他に障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円(注))が控除できます。
(国税庁のHPより)

#9323;配偶者特別控除

配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられない場合であっても、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。

  1. 控除を受ける人の年収が1千万円以下である。
  2. 配偶者が、次の五つの条件全部に当てはまる。

・民法の規定による配偶者である
・控除を受ける人と生計を一にしている
・その年に青色申告書の事業専従者として給与を得ている、あるいは白色申告書の事業専従者でない。
・他の人の扶養親族となっていない。
・年収が38万円を超え、76万円未満である

控除額は、配偶者の収入に応じて次の表のようになります。
| 配偶者の合計所得金額 | 配偶者特別控除の控除額 |
| - | - |
| 38万円を超え40万円未満 | 38万円 |
| 40万円以上45万円未満 | 36万円 |
| 45万円以上50万円未満 | 31万円 |
| 50万円以上55万円未満 | 26万円 |
| 55万円以上60万円未満 | 21万円 |
| 60万円以上65万円未満 | 16万円 |
| 65万円以上70万円未満 | 11万円 |
| 70万円以上75万円未満 | 6万円 |
| 75万円以上76万円未満 | 3万円 |
| 76万円以上 | 0円 |

(国税庁のHPより)

申請方法

給与所得者の場合は、年末調整の際に、給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書に記載して、勤務先に提出します。

#9324;扶養控除

納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
控除対象扶養親族は、16歳以上の人です。
控除額は、扶養親族の年齢、同居の有無等により異なります。

#9325;基礎控除

確定申告や年末調整において、年収などから差し引くことができる控除の一つです。

・基礎控除は、一律に適用
・基礎控除の金額は38万円

給与所得控除とは?

はじめに給与所得控除は、年収によって率が変わり、年収から差し引ける控除のことをいうと述べましたが、以下、具体的に紹介します。

給与所得控除は年収によって控除額が変わる

事業所得とは、個人事業主が事業から得た収入から経費を差し引いたもので、確定申告をしないといけません。
給与所得者については、給与所得控除とは別に、特定支出控除が認められています。
給与所得者の年収が判定の基準となる金額を超える場合には、確定申告の際にその超過金額を差し引くことができます。

給与所得控除の金額と計算方法について(平成29年の場合)

具体例を出しながら控除額と計算方法を紹介します。

①180万以下なら「収入金額×40%」

650,000円に満たない場合には650,000円で計算することになります。


年収120万円-給与所得控除65万円=55万円

②180万以上360万以下なら「収入金額×30%+18万」


年収200万円 x 30% + 18万円 = 78万円

③360万以上660万以下なら「収入金額×20%+54万」


年収400万円 x 20% + 54万円 = 134万円

④660万以上1,000万以下なら「収入金額×10%+120万」


年収800万円 x 10% + 120万円 = 200万円

⑤1,000万以上なら「上限の220万」


2000万円 - 220万 =1780万

給与所得控除には「特定支出控除の特例」がある!

確定申告により超過金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができます。その際、以下の6つの条件を満たし、特定支出の額の合計が、下表にあるように、特定支出控除額の適用判定の基準となる金額を超えるとき適用されます。

その年中の給与等の収入金額 特定支出控除額の適用判定の基準となる金額
一律 その年中の給与所得控除額×1/2

(国税庁のHPより)

①通勤のための費用
②転勤に伴う転居のための転居費
③職務に直接必要な研修費
④職務に直接必要な資格取得費
⑤単身赴任などの場合の帰宅旅費
⑥勤務必要経費 (書籍、制服、職務上関係のある交際費)

所得控除とは。給与所得控除の金額と計算方法 まとめ

以上、14の所得控除、および 給与所得控除についてまとめて見ました。それぞれ細かな条件などがありますので、詳細は国税庁の情報を入手されることをお勧めします。
控除については、税制改正により変わったり削除されたりされていますので、確定申告や必要書類提出の際、きちんと確認してから申請してください。

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