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2017/11/14

一人っ子政策とは?理由や目的、問題点は?ヘイハイズ(闇っ子)問題も解説

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一人っ子政策とは?

中国で行われていた一人っ子政策とはどういうことかご存知ですか?一人っ子政策の目的や理由、一人っ子政策の問題点、双子が生まれた時はどうなるのか?闇っ子とも呼ばれるヘイハイズのことや、一人っ子政策が現在廃止されるに至った背景などについてご紹介します。

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中国はなぜ一人っ子政策を採用した?理由や目的は?

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13億人以上という世界最大の人口をもつ中国は、1979年から「計画生育」いわゆる「一人っ子政策」を実施し始めました。その主な目的は、人口の急激な増加を抑えるためです。この政策を実施した結果、約4億人の人口増加が抑えられたと言われています。

以前の中国の指導者は人口増加を推奨しており、人口が順調に増えていたのですが、一方で農業の生産性が減少し食料生産が追い付かなくなりました。そのため、中国は飢餓状態に陥り人口増加を抑制せざるを得なくなってしまったのです。

また、中国でも日本と同じように義務教育が行われていますが、中国は多数の民族が存在し各地で言語・習慣・風習などが違いなかなか統一した教育制度を普及できませんでした。ある程度、平均的な義務教育制度が定着してきたのはつい最近のことなのです。

そのため地域によっては、家族計画や性教育といった教育がしっかりとされておらず、子どもを育てる能力のない若者がたくさんの子どもを作ってしまい、その子どもたちにも満足な教育を受けさせることができません。

教育を受けなければ仕事もできない、食べていけないので子どもたちに物乞いや窃盗などをさせてしまう。その上さらにその子どもたちが複数の子どもを作るという悪循環に陥ることで人口が急増する。これでは中国の治安は悪化していくばかりです。

さらに、健康保険や年金などの福祉制度も安定していないために、大きな人口を支えていくのは非常に難しい状態だったのです。そのため、きちんとした社会制度を確立し、中国人の素養を高めていこうと始められたのが一人っ子政策です。

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一人っ子政策の仕組みとは?

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一人っ子政策の原則は、一組の夫婦につき子どもは一人までということです。そのために晩婚化を推奨し、婚姻法で結婚できる年齢を男性22歳、女性20歳に引き上げられました。また、それをさらに強化し、都市部では男性27歳、女性25歳、農村部では男性25歳、女性23歳と規制されました。

その他にも、夫婦別姓や婿入りの制度、生まれた子どもは夫婦のどちらの姓でも名乗ることができるといった規定がされ、離婚についても広く認められるようになりました。

第一子を生んだ夫婦はいわゆる「一人っ子宣言」といって、「子どもは一人だけ、二人目の子どもは産みません」という宣言をした場合、証明書として「一人っ子証」が発行されました。

一人っ子宣言をしなかった場合、超過出産費という罰金を徴収されたり、夫婦ともに賃金がカットされる、幼稚園や学校の学費を徴収される、医療費を自己負担するなど様々な国からの補助が受けられなくなるといった制約が設けられました。昇給や昇進を止められたり、仕事を失う人もたくさんいたのです。

一方、一人っ子宣言をした夫婦には、優遇措置を受けられる権利が与えられました。例えば、毎月一定の奨励金が与えらえる、幼稚園や学校へ優先的に入学できる、学費の免除や補助が受けられる、医療費が一部支給される、優先的に就職できる、住宅の配分を優遇してもらえる、年金が加算される、などです。

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双子ができた場合?一人っ子政策にも例外はある?

一人っ子政策が行われていた期間に、もし双子や三つ子ができた場合はどうなるのでしょうか?双子や三つ子などができた場合は不可抗力ということで、まったく問題はありません。

それ以外にも、都市部と農村部では事情も異なりますし、少数民族や身体的な問題、仕事に関することで配慮が必要な場合もあり、二人目の出産が認められる例外についても規定されました。

例えば、一人目の子どもに障害があって働けない場合は健常児が生まれるまでチャレンジできます。夫婦のどちらも一人っ子の場合も二人目を生むことができました。再婚の場合は連れ子がいてもその子は第一子とせず、新たな夫婦での子どもが認められます。

5年以上不妊で、病院で検査の結果不妊症と診断、養子をもらったが後に妊娠した場合も問題ありません。夫婦双方が少数民族であったり、夫婦ともに農業に従事しているという状況で第一子が女の子だった場合、4,5年空けて母親が28歳以上であれば第2子出産が認められました。

夫婦のどちらかが、鉱山や海上など命の危険が懸念されるような仕事を5年以上続けている場合も二人目の出産が認められました。

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一人っ子政策の問題点とは?

問題点① 中絶や人身売買が増えた

特に農村部では、労働力の中心となり後継ぎとして望まれるのは男の子です。女の子は逆にお荷物的な存在として扱われ、とても可哀そうな思いをしました。そのため、妊娠中に胎児が女の子だとわかると中絶をする人や、女の子が生まれると人身売買の業者に売ったりする夫婦が増えたのです。

中には中絶をした後に「実は男の子だった」ということが判明してさらにトラブルを招くなど、尊い命が軽く扱われるような悲しい出来事がたくさんありました。

問題点② 男女比の均衡が崩れた

女の子の中絶や人身売買の増加により、当然男の子の人口が増えていきます。1982年の男女比は108対100だったのが、2000年には111対100、2008年にはとうとう120対100という統計結果が出ています。

男性が増え女性が減る、男女比の均衡が崩れると結婚適齢期の年齢層では男性が余るという現象が起き、これが少子高齢化をさらに促進させる原因となります。

問題点③ 少子高齢化社会が急速に進んだ

一人っ子政策により子どもが減る、医療の発展により老人が長生きする、そうすると当然少子高齢化が進んでいきます。年金制度や医療保険といった社会保障の制度は、日本と比べると中国はまだまだ整備が遅れているうえ、労働力不足などもあり、今後どうなっていくのか心配です。

問題点④ わがままに育った若者たち

1980年代生まれの人たちは、一人っ子で大事に育てられてきました。両親だけではなく、双方の祖父母からも可愛がられ甘やかされた結果、「何でも自分の思い通りになる」、「欲しい物は何でも手に入る」という自己中心的な考え方しかできず、わがままな若者が増えてしまいました。

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一人っ子政策は現在、緩和・廃止に?

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2014年の春から、夫婦のどちらか一方が一人っ子である場合第二子の出産が認められることになり、一人っ子政策は少しずつ緩和されることになりました。そして2016年、ついに一人っ子政策が廃止され、すべての夫婦に子どもは二人まで持てるようになったのです。

それに伴い、これまで晩婚・晩産化を奨励するために設けられていた「晩婚・晩産休暇」が廃止され、年齢に関係なく法定日数を上回る出産休暇を与えるなど、出産優遇措置が設けられるようになりました。

しかし、一人っ子政策が廃止されたからといって、二人目の子どもを望む夫婦は実はそれほど多くはないのです。中国の経済成長はすさまじく、物価も教育水準も上がり子どもを育てるコストは急速に向上しました。そのため、子どもが欲しいと思っても、経済的に厳しく簡単に産めないというのが現状なのです。

政府としては、出産率を引き上げて人口構造の不均衡を緩和し、少子高齢化に歯止めをかけたいところですが、見通しはそう明るくはなさそうです。中国では、老いた家族の面倒は子どもが見るという考え方が一般的です。これでは、一人の子どもが両親・祖父母合わせて6人の面倒を見なければならなくなります。

また、事故や病気などでたった一人の子どもを失った高齢の夫婦が、今後どのように老後を過ごしていくのかという問題も指摘されています。一人っ子政策によってもたらされた様々な問題を解決するには、容易なことではありません。

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【コラム】一人っ子政策で生まれたヘイハイズ(闇っ子)とは?

一人っ子政策の大きな問題点としてヘイハイズ(闇っ子)の存在が挙げられます。原則として二人目の子どもを産むと罰金を科せられ、その額はよほど豊かな家庭でなければ払えないような額でした。

そのため、貧しい環境で二人目を授かり出産した夫婦が、子どもの出生届を出さない、つまり戸籍を持たない子「黒孩子」(中国語の発音でヘイハイズ、日本語では闇っ子と呼ばれる)がどんどん増えていったのです。その数は数千万人から数億人にものぼると言われています。

また、特に農村部では、男の子を後継ぎとしてほしがる古い考え方が残っていたため、女の子が生まれると出生届を出さずに隠して育てる、誰かに売る、親戚に預けるなどして、その後生まれた男の子を第一子として届けるということが多くありました。

戸籍を持たないということは、身分証がなく行政上その人は存在しないということになるので、医療や学校教育など、国のサービスや補助を受けることができません。

病気になっても病院に行けない、学校に行けないので読み書きもまともにできない、学校をきちんと卒業していないので仕事に就くこともできない、仕事がないので食べていけない、という様々な問題に直面しました。

そのため辛い思いをしている人たちが今でもたくさんいます。一人っ子政策を廃止するなら、このようなヘイハイズを救う政策を打ち出して欲しい、という悲痛な叫びはそう簡単に消えません。

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一人っ子政策とは?理由や目的、問題点は?ヘイハイズ(闇っ子)問題も解説のまとめ

一人っ子政策を行った理由や目的、一人っ子政策の実施によってもたらされた問題点についてご紹介しました。一人っ子政策を廃止した中国は、急速に進んでしまった少子高齢化をどのように解決していくのかが注目されるところです。

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