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2017/11/14

難民問題とは?現状や原因、日本・米国・ヨーロッパの対応について

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目次

世界が抱える難民問題とは?

難民とは、民族紛争や、人種差別、宗教的迫害、政治的、経済的な迫害、および自然災害により、居住区を離れ、国外を脱出し他国へ自身の保護と援助を求める人々を言い、今、ヨーロッパなど、世界各国が抱える問題として、ニュースで取り上げられています。

難民がなぜ生まれるのか、原因や今の現状、そして日本にも影響はあるのかを詳しくまとめてみました。

<下に続く>

難民問題は中東やアフリカだけの問題ではない

難民は主に中東やアフリカから生まれており、中東では、戦争により家を失い、自国から避難しなければならなくなった人々が難民として国外へ向かいます。その数は約500万人と言われています。

そしてアフリカでは気候の変動で、住んでいた場所での生活が困難になったために、難民にならざるを得なくなった人々が、国から出ていきます。

では彼ら難民は、どのようにして他の国へ向かうのか?

彼らは、陸路、または空路や航路から荷物に化けるなどして他国に密航するなど、あらゆる手段を用いて他国への脱出を図ります。

しかしそれはまた、同時に危険な賭けでもあり、入国先で、不法入国で逮捕される危険性だけでなく、密航者を乗せた、すし詰め状態の船が転覆し、死んでしまうなど命の保証が全くないのです。

そして彼らの行先の、そのほとんどは中東やアフリカから比較的近くて、経済や気候も安定しているヨーロッパへです。

2014年、欧州連合加盟国の受け取った難民申請の数は、全部で62万6000件で、それに近い数が毎年押し寄せて来ます。ヨーロッパ各国はこれだけの難民に対し、どのような措置を取ればよいのか日々悩まされ続けています。

このように、難民問題は中東やアフリカだけでなくヨーロッパを中心とした世界各国の大きな課題となっているのです。

難民は増え続ける一方?難民問題の課題とは?

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難民は受け入れるべき?

2015年、100万人を超える難民がヨーロッパへと押し寄せた、いわゆる「2015年欧州難民危機」で、ドイツのメルケル首相は

「ドイツは難民の受け入れに積極的です。EU全体で支援を行っていくべき」

と、難民の受け入れを歓迎し、その年の9月だけで16万人以上の難民や移民がやってきました。さらにドイツ政府は受け入れ対策に8000億円の投入すると発表。空き家等のリフォームを積極的に進めました。

しかしその後のドイツの世論調査で、難民受け入れは不安であるかを聞いたところ、前月の38%よりも高い51%に上ったことがわかりました。そしてその後もどんどん移民が増え続け、ついには援助が追い付かなくなり国が傾く事態となったのです。

2016年にメルケル首相は、

「時が戻せれば、政府としてもっとうまくやっていた」

と、受け入れを後悔するような意味とも取れるコメントを残しました。

そして難民の受け入れにはもう一つ、大きな不安要素があります。難民に化けたテロリストの侵入です。

テロリストの侵入

2016年6月、ドイツでアフガニスタン人の男が列車内で斧を振り回し、5人に重軽傷を負わせる事件が発生しました。そして同年7月、今度は一週間に4件の爆破事件が発生しました。容疑者はシリア人で、この二つの事件の容疑者はいずれも難民であったことが後の調べで明らかになりました。

一度難民を受け入れてしまうと、不特定多数の人間が雪崩のように入国してくるので、テロリストが紛れていても判別することは不可能なのです。

EUの玄関口のハンガリーは、ドイツが難民を受け入れると発表した時、テロ対策や、自国の安定のために難民の受け入れ拒否を発表しています。そしてセルビアとの国境に全長175㎞のフェンスを作ったのです。

難民キャンプ、届かぬ支援

戦争や災害から逃れるために、他国へ移動するのではなく、別の手段として難民キャンプがあります。

NGOや、国際赤十字などが、戦争地域から遠く離れた広い場所に、仮設的な居住区を作り、難民たちの住居を提供するです。

しかしそこでの生活の質は乏しく、快適性は皆無で、人間に必要な最低限の供給しか与えられません。

その供給も安定しておらず、援助が3分の1に減らされて、1日の食事量と回数が減らされることだってあるのです。

このように世界は様々な対策をとっておりますが、なかなか有効な解決策が見つからず、年々難民問題は悪化の一途を辿っています。

<下に続く>

難民問題の原因とは?難民はなぜ生まれる?

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難民が増え続けるその最大の原因がシリア内戦です。

シリア内戦とは、2011年から続くシリア政府軍と、シリア反体制派による武力衝突です。チュニジアで革命が起こったことをきっかけに、北アフリカ、中東で民主化の運動が起こります。そしてシリアでも民主化を掲げ、独裁政権を倒そうという動きが始まりました。

2013年、ついにシリア国内でも内戦が勃発しました。大統領はイスラム教のアラウィー派で、シリア国民の大多数はイスラム教のスンニ派です。それにより大統領と国民の溝はさらに深まったため、この内戦は宗教的な対立の側面も持っています。

内戦はさらに複雑化し、シリア政府軍と、シリア反体制派とは違う第三の勢力、ISをも生み出してしまいます。過激派のISは自分たちの国を作るべく、周辺地域の物資や資源を奪い、更なる難民の増加を激化させました。

また、シリア内戦を複雑化させている原因は、シリアとは関係のない国々が、物資や軍事的支援を行っているということも挙げられます。

アメリカはシリア政府軍が、毒ガスを使ったことをきっかけに、シリア大統領を敵視し、限定的な軍事支援に乗り出しました。一方ロシアはシリア大統領を支持し、空爆などの大規模な支援を行っています。

内戦の激化、さらには他国が介入し、物資を供給することで、いつまで経っても終わらないシリア内戦の状況が出来上がってしまったのです。戦争が終わらない限り、難民が減ることは決してありえないのです。

難民問題に対する世界各国の対応~アメリカ編~

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オバマ政権時代、アメリカは難民を広く受け入れ、

2016年9月にスーザン・ライス米大統領補佐官が、アメリカが1年間で受け入れた難民の人数は、1万人を超えたと発表しています。そして、シリア、イラク、ミャンマー、ソマリアなどからも約8万5000人のアメリカ国内への移住を認め、目標として、計10万人の難民の受け入れたい発表しました。

その後2016年11月、オバマ大統領はG20サミット後に、

「必死に安全を求めている難民を歓迎する」

と移民の受け入れを継続する意思を見せたコメントを発表しました。

しかし、オバマ大統領からトランプ大統領になってから事態は一変、トランプ大統領は難民の受け入れに激しく批判的で、就任してすぐに、シリアからの難民の受け入れを無期限で停止する、と発表しました。この時、イスラム教すべての入国を拒否する、と過激な発言もし、アメリカ国民から非難されました。

さらに幼児期に親と共に不法に入国して、成長し、そのままアメリカで暮らしている若者を追い出すと発言。これに対しオバマ前大統領は猛反発し、

「これは道徳の問題」

「残酷で、間違っている」

と、怒りをあらわにしました。

<下に続く>

難民問題に対する世界各国の対応~ヨーロッパ編~

ヨーロッパ連合(EU)は、ヨーロッパに押し寄せる難民を各国で分担し受け入れるべきであるとEU加盟国に通達するも、ハンガリーやポーランド、チェコなどは、反対の意見を示し、難民の受け入れを拒否しました。

受け入れを承諾した国々も、ドイツの前例があってか受け入れには慎重な姿勢を示し、EUが移民の受け入れを発表してからも、実際に受け入れられた人数は、現在も約3万人ほどです。

未だに受け入れが許されていない難民は、町の駐車場などにテントを張り、移民を受け入られることを夢見ながら生活を続けています。また、路上で生活を続ける難民と、地元の人々との間でのトラブルも頻繁に発生し、問題になっています。

また、過去にイギリスがEU離脱を表明したのは、もし、難民を受け入れてしまえば、難民を受け入れる費用を増やすために政府が増税をすすめ、また人口が大量に増えることで、失業率が上がり、さらには治安や景観が悪くなるのを危惧したためだと言われています。

最近、ヨーロッパ各国で、難民と共に流れてきたテロリストによる犯行と見られる事件が多発し、今後はさらに難民の受け入れが難しくなることが予測されます。

難民問題は日本と無関係ではない?

日本は難民の受け入れが非常に厳しく、1%未満と言われています。2016年、難民申請者は10901人いましたが、認定された人はたったの28人しかいません。

それ以前のシリア内戦が開始された2011年から2015年までの間に、60人ほどのシリア人が難民認定の申請を出していますが、認められたのはたったの3人で、その代わりとして安倍首相は、シリア、イラクの難民および国内避難民に対し、8億ドルを支援すると表明しました。

なぜ日本の難民の受け入れはそこまで厳しいのか。それには理由があり、1951年に作成された難民条約というものがあり、国際的に認められる難民の定義は、

「人種、宗教、国籍、政治的意見や特定の社会集団に属するなどの理由で、迫害を受けているか、迫害を受ける恐れがあるために他国へ逃れた人」

とされています。しかし、「戦争」を理由に逃げてきた人々は、この条件に当てはまらず、難民として受け入れられないのです。

また日本の審査が厳しい理由は他にもあり、出稼ぎ目的の偽装難民が多発しているからです。政府は上記で記した難民申請者の半分以上が、この偽造難民であると判断しています。

普段日本では聞きなれない難民問題も、実は裏でこういった理由から、厳しく取り締まられているのです。

難民問題とは?現状や原因、日本・米国・ヨーロッパの対応についてのまとめ

難民を救うために、自国へ移民を受け入れる国、難民が生活するための避難キャンプを作る団体、物資を援助する人々など世界中でいろんな対策が執られています。

しかし、やはり最善の道は一日も早くシリア内戦が終わって、他国へ避難している難民が故郷へ帰ることなのでしょうが、いろんな国が関わっている内戦なので、残念ながら、今はそれも現実的ではありません。

今回は戦争の話を中心に、世界の難民問題についてまとめてみました。

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