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2017/11/21

2018年ロシアワールドカップの経済効果は?過去W杯・オリンピックと比較すると?

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2018年ロシアワールドカップの経済効果はどのくらい?

ロシアワールドカップの出場国32ヵ国も全て出揃い、世界中で4年に1度の盛大なイベントに向けて盛り上がりを見せています。そんな中、実際はロシアワールドカップでの経済効果はどのくらいなのか?と疑問に思う方も多いことでしょう。

そこで、2002年日韓ワールドカップを含めた過去のワールドカップやオリンピックの経済効果と比較し、ご紹介します。

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ワールドカップの経済効果をオリンピックと比較すると?

4年に1度開催される世界規模のスポーツイベントと言えば、ワールドカップ以外にはオリンピックが挙げられます。この2つの大会の経済効果を比較してみましょう。

ワールドカップとオリンピックの概要をおさらい

まずは、ワールドカップとオリンピックそれぞれの概要をおさらいしておきましょう。下記の表をご覧ください。

出場国数 観客動員数 TV視聴者数 選手の年齢 種目
ワールドカップ 32ヵ国 342万人(2014年ブラジル大会) 263億人/214ヵ国・地域(2006年ドイツ大会) 年齢無制限 サッカーのみ
オリンピック 207ヵ国 117万人(2016年リオ大会) 47億人/220ヵ国・地域(2008年北京大会) サッカー(U-22以下) 約300種目

これらは、IOC(国際オリンピック委員会)やFIFA(国際サッカー連盟)で発表されています。このように、ワールドカップはオリンピックと比べると、出場国数も少なく、種目もサッカーのみでありながらも、観客動員数やTV視聴者数においてオリンピックをはるかに上回っていることが分かります。

ワールドカップとオリンピックの経済効果を比較して分かることとは?

上記の表からも見て分かる通り、ワールドカップは出場国数こそ少ないですが、全世界にTVで放送されています。また、サッカー1種目のみですが、オリンピックの3倍以上の観客を動員しています。これらを比較して分かることは、

・全世界におけるサッカーの知名度が高い

・出場国以外の国民のワールドカップへの注目率が高い

・海外からの観光客による波及効果が高い(宿泊、飲食、交通など)

などが挙げられます。世界最大のスポーツの祭典であるオリンピックと比較してみると、ワールドカップの世界へ多大な影響を与えていることは明らかです。

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ワールドカップの経済効果の要因は?

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では次に、ワールドカップの経済効果の要因について深く掘り下げていきます。世界へ多大な影響を与えているワールドカップの経済効果の要因にはどのようなものがあるのでしょうか?

要因①海外からの観光客の増加

まず、忘れてはならないのが海外からの観光客の増加による経済効果です。ワールドカップの開催国が経済効果を実感するためには、海外からの観光客を呼び込む必要があります。

とくに、国内の経済状況が芳しくない開催国の場合、国民は別の分野で消費を抑えてワールドカップのチケット代にしたり、交通費にしたりする傾向にあるため、国内での総合的な経済効果は見込めないのです。一方、海外からの観光客を多数呼び込むことができれば、多額の外貨を獲得することが可能です。例えば、

・ホテルや民泊などへの宿泊費用

・飲食店での飲食代

・空港や駅などの公共機関の利用料金

などが挙げられます。また、開催地だけでなく、各出場国のキャンプ地周辺においても同様の経済効果を生み出します。さらに、ワールドカップによる海外への観光アピールが成功すれば、大会閉幕後でも継続して観光業や宿泊業、飲食業などにおいて、ワールドカップ開催前よりも外貨を生み出すきっかけとなります。

要因②開催地のスタジアムや周辺のインフラ整備による雇用創出

ワールドカップの開催が決定すると、開催国では試合会場となるスタジアムの修理や新規建設、周辺の水道やガス、道路等のインフラ整備が行われます。それらの大規模な工事によって、多くの雇用が生まれます。開催国のインフラ整備の状態などにもよりますが、これまでに数万人~100万人規模の雇用が創出されてきました。

要因③スポンサー料(スタジアム内の看板広告料)

ワールドカップ開催が決まると、世界中の大企業が試合会場となるスタジアム内の看板広告に名乗りを挙げます。世界200以上もの国や地域で試合が放送されるため、多額の広告費を支払うことになっても、企業にとって世界への広告効果が期待できるのです。ワールドカップのスポンサーには、

・FIFAパートナー

・ワールドカップスポンサー

・ナショナルサポーター

の3つに分けられています。FIFAパートナーにはかつて電機メーカーではSONYが名乗りを挙げていましたが、2018年ロシアワールドカップではSONYに変わって中国のハイセンス(海信)との契約が注目を集めています。この中で、直接的に開催国の収入になり得るのが広告が開催国内企業限定のナショナルサポーターによるスポンサー料です。

要因④新規投資によるGDPの上昇

ワールドカップは開催の決定と共に、莫大な資金が大会の準備に投入されます。その計画はすでに、開催前より数年規模で綿密に計画され、準備が行われています。開催決定となれば、公共事業や広告効果などによって収益が見込まれるため、大会開催前より事前の投資が多数行われることになります。

経済学では、「新規投資によってGDP(国内総生産)が上昇する=経済が良くなる」という考えが一般的です。ワールドカップに関連した投資効果により、開催国への経済効果がより期待されるのです。

要因⑤国内の大会関連グッズ等による収入

開催国の国民が最も実感しやすい要因が国内の大会関連グッズ等による収入です。例えば、2010年の南アフリカ共和国ワールドカップでは、スタジアム中に大きな音を鳴り響かせた「ブブゼラ」は良くも悪くも注目を集め、まだ記憶に新しい方も多いことでしょう。

現地ではブブゼラの売上げが伸びたと言われ、その一方では、騒音対策のための耳栓の売上げも伸びたとも言われています。このように、ワールドカップで開催する国によっては、大会関連グッズ以外にも開催国ならではのグッズが多大な経済効果となる可能性を秘めています。

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2002年日韓ワールドカップが日本にもたらした経済効果とは?

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1997年、日本代表がワールドカップの初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」から5年後には、日韓ワールドカップが開催されました。日韓ワールドカップは史上初の共同開催として、注目を浴びましたが、実際のところ、日本にはどんな経済効果がもたらされたのでしょうか?

2兆円規模の試算が見込まれていた?

経済学者の田中秀臣氏のブログによれば、日韓ワールドカップによって日本経済にもたらされる経済予測では2兆円規模にも上ると試算されていたと解説しています。

しかし、日韓ワールドカップが開催された2002年には、日経平均株価は1万円台を大きく割り込む、5%をはるかに上回る失業率などから経済政策のミスによって、日韓ワールドカップの恩恵にあずかることはなかったと一部の専門家から批判が出ていることを伝えています。

一方、共同開催国である韓国は、GDP成長率がこれまでで最高となったと発表しています。このように、ワールドカップ開催は必ずしも開催国に良い効果を与えるとは言い難いことが日韓ワールドカップ開催国である日本と韓国それぞれの経済が実証する形となったのです。

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過去のワールドカップの経済効果と比較すると?

2014年ブラジルワールドカップ

記憶に新しい2014年ブラジルワールドカップは、大会開催前より国民のストライキやデモが連日行われたり、スタジアムやインフラ整備などの工事が遅れたりと、波乱の幕開けとなりました。

前回大会の南アフリカ共和国ワールドカップに続き、新興国であるブラジルにとっては、ワールドカップの開催による経済効果は多大な収益が期待されていました。しかし、予想を上回った数の外国人観光客の中には、ブラジル近隣の貧困地域の人々も含まれていました。彼らの多くは、テントや食料を持参したり、車内泊するなど外国人による経済成長は試算を下回りました。

また、ワールドカップ開催のために建てられたスタジアムや施設の一部は、維持費など運営の難しさから閉幕後に取り壊しを苦言する声も上がっています。

2010年南アフリカ共和国ワールドカップ

2010年南アフリカ共和国ワールドカップでは、開催前より懸念されていたインフラ整備や治安面は成功を収めました。実際に南アフリカ共和国を訪れた観光客へのアンケートでは多数が「安全だと感じる」と答えています。

また、中でも将来的な国の財産となったのは、鉄道や道路などのインフラの整備です。今後、ワールドカップを足掛かりに、海外からの観光客を呼び込むことに繋がる財産と言えます。

2006年ドイツワールドカップ

2006年ドイツワールドカップでは、「環境に優しい大会運営」をスローガンに掲げ、新たなスタジアム等の施設を建設せず、既存の施設の補修などを中心に費用が投入されました。

ワールドカップの経済効果の要因でもご紹介したように、スタジアムや交通などのインフラ整備は経済効果を実感するためにも重要な要因です。

しかし、ドイツでは環境に配慮する形でインフラ整備への多額の費用が投じられることはありませんでした。そのため、ワールドカップにおける雇用創出や公共事業などによる経済効果は、4年後に開催された南アフリカ共和国ワールドカップに比べ、低くなったのです。

また、当時のドイツ経済は低迷していた点やユーロ圏であることからECB(欧州中央銀行)に依存傾向にあることから見ても、外国人の消費による外貨獲得が経済効果の要となったことは言うまでもありません。

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2018年ロシアワールドカップの経済効果は?過去W杯・オリンピックと比較すると?のまとめ

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過去のW杯やオリンピックの経済効果と比較すると、2018年ロシアワールドカップの経済効果はロシア経済にとって厳しいものとなると考えられます。

その根拠として、一部の経済学者たちは口を揃えて、「ワールドカップなどのスポーツイベントが開催地にもたらす経済効果は、無視できる程度」だと米ミシガン大学の経済学者であるステファン・シマンスキー氏は語っています。

また、FIFAはロシアワールドカップにおけるスポンサー集めにも苦労しているという報道もあることから、経済予測はあくまでも期待値であり、実際にはそれを下回る結果となることが予想されています。

ただ、開催国となることが全てデメリットだけではありません。ワールドカップをきっかけに海外へ観光アピールが成功すれば、その恩恵にあずかることも可能なのです。

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