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2017/04/29

破産とは。破産の手続きの種類3つと各手続きの流れやメリット・デメリット

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破産といえば自己破産を思い浮かべる人が多いと思います。一口に破産といっても、個人の破産もあれば法人の破産もあります。また、自ら申し立てを行う場合が通常ですが、破産法上は債権者の側から申し立てることもできます。

破産は、借金の返済の見込みが立たない事態に陥ってしまった場合に、再スタートを切るための制度です。もしもの時に備えて、各種破産について確認しましょう。

破産とは?

破産とは、裁判所に申し立てることにより、裁判所より決定を受けて債務の弁済を免責されることです。裁判所の決定がありますので、破産が決定すると債権者はそれ以上借金の取り立てを行うことができません。

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破産の特徴について


破産とは、破産法に基づく法律上の手続きを言います。裁判所を通して手続きを行います。借金の支払不能等の事態陥った債権者が裁判所に申し立てます。すると、裁判所が指定した破産管財人が債務者の財産を換価・配当します。

つまり、残った財産をお金に代えて、債権者に配るのです。当然、債務の全額は賄えませんから、どの債権者にどれだけ配当するかまで合わせて決定されます。破産とはこのような財産と債務の法的整理を行い、それでも弁済できない債務につき免責をうける裁判手続きをいいます。

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破産手続きが行える人について

破産といえば、まず思いつくのが自己破産でしょう。このように個人は破産手続きを行うことができますが、同様に法人も制度を利用することが可能です。

破産手続きを行うためには用件があります。破産手続き開始原因に該当することです。個人であれば、債務を返済できない支払不能の状態であることが必要です。

一方、法人が破産手続きを行うためには、支払不能の状態にあるだけでは足りません。これに加えて、負債の金額が資産の金額を上回り、さらに自己資本をもってしてもカバーできない債務超過の状態にあることが必要です。

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破産手続き①自己破産


最も一般的な破産手続きが自己破産とよばれる手続きです。債務者自らが申立人となり、破産手続きを行います。

自己破産のメリット

自己破産を行うと次のメリットがあります。自己破産を考えたときには、まず確認したい内容になります。

①債務の支払い義務が免除される

裁判所が申立人の収入や債務状況を考慮し、破産不許可事由に該当する項目がなければ、債務が免除されることとなります。今まで、債務の返済に苦しんでいたのにも関わらず、決定が下りたときから返済の義務がなくなるわけですからこれが一番のメリットといえるでしょう。

②債権者による取り立てがおさまる

裁判所の決定により債務が免責されるので、当然債権者は取り立てを行うことができません。借金の取り立てに悩んでいた場合などは、これがなくなるので精神的なストレスから解放されます。

③法で定めれている基準内の財産は残せる

自己破産を行うと、基本的にすべての財産につき換価されて債権者への配当へ回されます。しかし、自由財産と呼ばれる一部の財産については手元に残すことができます。具体的には、99万円以下の現金や20万円以下の車や生命保険です。

また、自己破産をした時に換価の対象となるのは、手続きを開始したときに保有する財産が対象です。したがって、その日以後に得た給与収入や、事業上の収入も当然に得ることができます。

④身内等に自己破産の影響が出ない

自己破産は、基本的に本人のみで完結する手続きです。破産に際して、新たに保証人を設定するなどといったことはありません。このため、身内に迷惑をかけずに手続きを行うことができます。

自己破産のデメリット

①個人使用情報期間に事故歴が載る

自己破産のデメリットは、個人の与信に関する信用力が低下することです。自己破産を行うと、その情報は信用情報機関に登録されます。信用情報機関とは、返済の遅延や自己破産の状況について情報を登録する機関です。

銀行やクレジットカード会社などが加盟してきます。顧客の事故情報を信用情報機関に登録することにより、相互に与信情報を共有する仕組みがあるのです。この信用情報機関に自己破産を行った記録がのこります。新たに借入を申し込んだ場合や、クレジットカードの作成を行う時には、申込みを受けた会社は信用情報機関に照会をかけます。

このときに、自己破産の情報があると新しい融資を受けることは難しいでしょう。この情報は、7年から10年程度保持されていると言われています。

②財産の差し押さえが行われる

デメリットの一つに差し押さえが行われることが挙げられます。債権者への配当のため、換価できそうなものは差し押さえられる可能性があります。車や各種高級品など、上記の自由財産以外のものは基本的に対象になる可能性があります。

③一部の職業は3ヶ月~半年間程就職できない

自己破産の手続きが開始してから、決定が下りるまでの間は就業の制限がかかる職業があります。社会的な信用を前提とした職業ですので、いたしかたないところです。ただし、復権を得てからは復帰することは可能です。たとえば、次の各種職業はそれぞれの根拠法令に規定されている期間制限を受けます。

・弁護士、公認会計士、税理士などの士業
・公証人や公正取引委員会などの公務員
・貸金業、警備員、生命保険募集人などの一定の職業

④国が発行する官報に情報が記載される

自己破産の手続きを行うと、官報に掲載されます。官報とは国の発行する新聞のようなものです。銀行や、信販会社、不動産業など、頻繁に官報の情報をチェックする業種もあります。

⑤保証人への影響がある

自己破産の手続きによって、債務の免責をうけるのは本人のみです。本人の借金につき連帯保証人となっている人がいる場合や、連帯債務者がいる場合はその人には効力は及びません。当然、各債権者はこの人から回収を行うことになります。

自己破産の手続きについて

まず自己破産の申し立てを行います。このあと、基本的には1か月から2ヶ月後に破産の審尋が行われます。ここで、免責不許可事由に該当しなければ数日後に破産手続きの開始の決定が行われます。めぼしい財産がない場合は、破産管財に人が選任されることなく同時廃止となります。

この場合は、1か月から2ヶ月後に免責許可の決定となります。財産の換価、配当のために管財人が選任されるようなケースの場合は、各債権者にどれだけ配当を行うかの決定や、換価配当の手続きに時間がかかることがあります。

1年以上に及ぶことも珍しくはありません。この手続きが完了したのちに、免責許可の決定となります。

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破産手続き②準自己破産


準自己破産とは法人の理事や取締役、精算人などが申込人となり法人の破産手続きを行うことです。これらの人は、法人自身とは別の人格を持った個人ですが、法人の意思けって機関の一員ですので、債務者のとしての法人に準ずるという理由で、準債務者といいます。準自己破産とは、この準債務者の申し立てにより行う自己破産手続きを言います。

準自己破産のメリット

①準債務者(役員・取締役)が破産申告を行える

法人の場合でも、自己破産手続きを行うことはできます。しかし、法人を代表して行為を行うことができるのは代表取締役に限られます。また、その行為も株主総会や取締役会の決議に基づくことが前提です。

これに対して、準自己破産であれば、代表取締役が行方不明で代表者をたてられないという場合でも、それに準ずる人個人が破産手続きを行うことができます。

②取締役会等の決議や全員からの同意が必要ない

自己破産手続きは会社が自ら行う行為ですから、取締役会の決議が必要です。これに対して、準自己破産であれば、形式上取締役一人でも申し立てを行うことは可能です。このため、基本的には準自己破産の場合でも役員全員の一致が必要ですが、その一致を待つ必要がなく、早期の手続きを行うことができます。

③申し立て時の費用は会社の財産からだされる

準自己破産は、準債務者からの申し立てにより自己破産を行う手続きです。申し立てする人は準債務者ですので、予納金等の費用もこの準債務者が負担する必要があるかというと、その必要はありません。準自己破産の場合でも、その費用は会社の財産から拠出することができます。

準自己破産のデメリット

準自己破産には、次のようなデメリットがありますので注意が必要です。

①破産理由が証明できる書類の作成が必要

準自己破産は会社からの申し立てで行われるわけではありません。このため、旬自己破産については会社の意思とはみなされません。したがって、破産原因が存在するのか、権利乱用ではないの等の確認が必要です。これを証明する書類が別途必要になります。

②反対陣からの妨害を受けて手続きが難航しやすくなる

準自己破産は、株主や取締役の一致を前提とせず申し立ての手続きを行うことです。これらの意思決定を前提として、諸般の事情により先に手続きを進めるために準自己破産によるような場合は特に問題になりません。

ただし、会社の意思がまとまらないまま、強硬に手続きを開始した場合には、反対派の役員等から手続きの妨害を受けることがあります。この結果、かえって手続きが複雑になる場合や、手続きが進まなくなることがあります。

準自己破産の手続きについて

準自己破産の手続きも、基本的には自己破産の手続きとは変わりません。しかし、会社の意思よらない手続きになりますので、破産原因の存在の確認や、権利乱用でないことの確認を行う必要があります。また、申立書や委任状の方法が異なります。

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破産手続き③債権者破産


破産には、債権者の方から申し立てを行う債権者破産という手続きがあります。この債権者破綻について紹介します。

債権者破産のメリット

債権者破綻とは、債権者にとっては債権回収上のオプションにすぎません。債権者破綻を申し立てたからといって、ほかの債権者より多く配当が得られるといったことはありませんが、通常次のようなメリットが考えられます。

①不良債権を損金として負担を和らげられる

不良債権を損金として処理することが挙げられます。たとえば、売掛金等の債権の場合、対応する売り上げに関する法人税はすでに納付していることとなります。法人税法上、いったん確定した債権は、たとえそれが不良債権であっても簡単に損金にすることはできません。

しかし、債権者破産を行うことにより、法的に回収不能なものとして確定すれば法人税法上の損金に算入できます。現在、地方税を含めた法人税率は31.05%です。この手続きを行うことにより、回収不能となった金額の実に3割の税金が免除されるのでその効果は大きいといえます。

②強制執行より多くの債権回収が見込める

通常、債権回収を裁判所を通して行う場合は、強制執行によります。債務者の財産を差し押さえることにより債権を回収します。差し押さえには、財産の特定が必要です。このとき、債権を回収するために金額的に都合のよい財産が見つからないこともあります。

これに対して、債権者破産によれば、換価の対象はすべての財産が換価・配当の対象となります。財産の構成や、他の債権者との兼ね合いにはなりますが、場合によっては回収額が大きくなることがあります。

③詐害行為の否認権が利用できる

債務者の中には、財産を不当に売却または贈与することにより債権者の権利を害するものもいます。いったん、債権者破産の手続きが開始され、破産管財人が選任されると債権者の不利益にならないように、このような詐害行為の拒否権を行使することができます。

④民事再生による立て直しが出来る可能性がある

債権者破産の種類には、民事再生による手続きもあります。この手続きは再生計画に基づき、会社の債務の減額を行い経営の再建を行う手続きです。本来的な弁済金額よりも低額ではありますが、回収にかかる手間が容易で自己破産の手続きに比較すると。高額な債権の回収が望めます。

債権者破産のデメリット

①債権全額を回収することができない

破産手続きの一種ですので、基本的には今あるすべての財産を換価・配当する手続きになりますので、本来の債権金額を全額回収することはできません。民事再生の手続きによった場合においても、債権は減額されます。

②手続きに複雑である

債務者自身が申し立てを行う場合に比較して、どうしても手続きが複雑になってしまいます。申立書に支払不能と債務超過の疎明を添付します。このため、債務者の情報収集が必要となっていまいます。

他人の資産や負債の状況を疎明することは相当に難しい作業になります。申立債権者と債務者の双方へ尋問が行われますので、この点も考慮が必要です。

③債務者の対応によって時間がかかる

債権者からの申し立てにより、債務者も納得してスムーズに手続きが行われれば問題ないのですが、中には債務者が分割や減額を求めてくるケースもあります。このような場合は、手続きに長期の時間がかかってしまうこととなります。

④裁判所への予納金等の費用がかさむ

予納金等の費用が大きくなりがちなこともデメリットの一つです。債権者の債権に対応する債務のみ関する手続きではありません。債権者破産は債務者が抱えるすべての債務に関する破産手続きになります。

このため、予納金等の費用も申し立てた債権者の有する債権を基準に算出されるわけではありません。すべての債務を金額を基準に算出されますので、所有する債権に比較して相対的に高額になります。

債権者破産手続きの流れについて

債権者破産を行うには、まず債務者の所在地を管轄する地方裁判所にて申立書類を提出します。この申立書が受理されたあと、債務者と債権者双方に審尋が行われます。このあと、差破産手続きの開始決定がなされると、いったんすべての財産が仮差押えされます。

債務者からの申し立てによらない破産手続きである関係上、債務者が勝手財産を処分しないように行われます。このあと、破産管財人が選任され、換価配当される点は自己破産と同様です。ただし、債務者が協力でない場合が多く、手続きが長引く可能性が高いことに注意が必要です。

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破産とは。破産の手続きの種類3つと各手続きの流れやメリット・デメリットのまとめ

3つの破産手続きについて確認を行いましたがいかがでしたか。できれば自己破産の手続きはとりたくないものです。ただし、もしもの時に備えて自己破産の手続きについて確認することは大切なことです。会社に関する特別な準自己破産についても抑えておくとよいでしょう。

また、債権者として破産の手続きを申し立てることができることも知っておくとよいと思います。これは債権回収の一つの手段として、条件が合えば有効に機能するからです。

債務について免責を受ける場合や、反対に相手が自己破産を申し立てたときに自分の有する債権がどうなるのかを知っておくことは非常に重要です。本記事を参考に、自己破産についての基本的な内容を確認してみてください。

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