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2017/12/07

ご自愛とは?意味や使い方は?「ご自愛ください」は正しい敬語?

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目次

ビジネスで使う「ご自愛」の正しい使い方や敬語

手紙やメールの文末に「ご自愛ください」という言葉が書かれていることがありますよね。文字の印象から「自分を愛してください」というニュアンスは伝わってくるけれど、自分を愛するってどういう意味?と疑問に思いませんか?「自分を愛する」なんてちょっと哲学的でステキですよね。

今回はこの「ご自愛」という言葉について解説します。ご自愛という言葉の意味や使い方、ご自愛くださいはいつ使うのか?「ご自愛ください」と「ご自愛くださいませ」はどう違うの?などから、ビジネスシーンで使う「ご自愛ください」の文例や類語もご紹介します。

さらに「ご自愛ください」と書かれた時の返事の仕方の例文もありますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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「ご自愛」とは?意味は?

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まずは「ご自愛」の意味からですね。ご自愛という言葉は手紙やメールなどの文面で使う言葉で「身体を大切にしてくださいね」という意味です。

手紙には、拝啓で始めたら敬具で終わる、前略で始めたら草々で終わる、などさまざまなしきたりがあります。そのしきたりの中に「時候の挨拶で始めたら、相手の体調を心配する言葉で終わる」というものもあります。

時候の挨拶とは、その季節に合った挨拶文のことで、たとえば1月であれば「新春の候、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます」などです。

もしくは、季節によらない「時下」という、いつでも使える時候の挨拶を使うこともでき「時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます」とすることもできます。ちなみに「時下」を訳すと「今」「最近」などとなります。

このような時候の挨拶で始めて、用件を書いたら、最後の締めで「ご自愛」を使うのです。ご自愛が相手の体調を心配する言葉ですので、手紙が時候の挨拶で始まっていれば「こんな季節ですから、体調には気をつけてくださいね」と、最初と最後で意味が通じるようになります。

「ご自愛ください」と似た表現

「ご自愛」という言葉は、使いやすい言葉ですし、品格も備えているため手紙やメールの文末として多用されています。しかし、使われる頻度が高い分「ただの挨拶文」のように思えて、本当に心配している相手には、かえって使いにくいこともあるでしょう。

そんな時は、「ご自愛」に似た別の表現を使うことで自分の気持ちを伝えてみましょう。

御身お大切に(おんみおたいせつに)

「御身お大切になさってください」などと使うことで「ご自愛」と同じ意味を伝えることできます。ご自愛と同じで、口頭ではほぼ使われない言葉です。「身」という漢字が入っていることで、「身体を大切に」という思いをダイレクトに伝えることができます。

また「おんみおたいせつに」という言葉の音が優しい印象を出すので、年配の方や目上の方を思いやる気遣いの気持ちを表すことができます。「くれぐれも」「どうぞ」などの言葉を文頭に付け足すことでさらに強調することも可能です。

ご自愛専一(せんいつ)になさってください

専一という言葉には「何をおいても、最優先するべき」という意味があります。つまり「ご自愛することを最優先にしてください」と伝えることができる言葉です。

「あなたが元気でいることがいちばん大事です」という強い気持ちを伝えることができるので、受け取った人も「こんなに気にかけてくれてありがたい」という気持ちが強まります。少し硬い表現ですので、あまりくだけた表現を好まない人へも使うことができます。

おいといください

少し古い表現ではありますが、年配の方にはとても評判の良い表現です。「厭う」と「厭なこと」を「避けてください」という意味を持っているので、「厭なこと(病気など)をどうか避けて、元気でいてください」ということを伝えます。

すべてひらがなで表記されることもあり、優しい・柔らかい・温和というイメージを出すことができます。

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「ご自愛ください」はいつ使う?

「ご自愛ください」は手紙やメールの文末に使います。相手に「手紙はこれで終わりだけど、くれぐれも身体に気をつけてくださいね」という意味で使うからです。

特に「ご自愛ください」を使えない季節というのはありません。「時節柄、ご自愛ください」とすれば「こんな気候ですから、身体に気をつけてください」という意味になります。

もちろん「暑い日が続いておりますので、どうぞご自愛ください」「寒さが厳しくなって参りましたので、くれぐれもご自愛ください」などとして、季節を盛り込んだ締めの挨拶文にすることもできます。

ビジネスで使う「ご自愛」を正しく使えている?

「ご自愛」という言葉はビジネスの場面でも使うことができます。上司や取引先へも使えますし、お客様へも使って問題ありません。相手が同僚や部下であっても、改まった手紙やメールであれば締め文として使うことができます。

ただし、口頭で「ご自愛ください」はほとんど使いません。ビジネスシーンで取引先や上司に「身体に気をつけてください」と伝えたい時は「お風邪など召されませんよう」「お忙しいと存じますが、お身体にはお気を付けて」などを使います。

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正しい日本語・敬語は最低限のビジネスマナー!

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挨拶というものは、口頭でも手紙・メールでも同じで「気持ちを伝える」ということが最も大事です。逆に言うと、気持ちが伝われば少しくらい言葉が間違っていたとしても、相手はきっと喜んでくれます。

しかし、せっかく相手を想う気持ちを持っていても、あまりにマナーを欠いた言葉や敬語を使ってしまっては「気持ちはうれしいけど・・」と微妙な反応をせざるを得ません。

相手に自分の気持ちを正しく伝えるためにも、最低限のビジネスマナーとして「日本語」「敬語」について学んでおきましょう。

「ご自愛くださいませ」は正しい?使い方や例文

「ご自愛ください」の後に「ませ」を付ける使い方もあります。「ませ」には語尾をやわらげる働きがあり、「ませ」以前の言葉を相手にそっと差し出すようなイメージに変えることができるためです。

「ご自愛ください」「ご自愛専一になさってください」「おいといください」など、どれも語尾が「~ください」という命令形で終わっています。これは、相手のことを想う気持ちの強さを表す、あえての命令形です。

しかし、人によっては「そうは言ってもやはり”ください”と言い切ることに抵抗がある」という人もいるでしょう。そんな時は「ませ」を付けて、和らげることができます。

「どうぞ、おかけくださいませ」「ごゆっくりご覧くださいませ」など対面でもよく使われる「ませ」は、相手に対して一層の気遣いをあらわす語尾です。

「お身体をご自愛ください」は正しい?使い方や例文

たまに「お身体をご自愛ください」という表現を目にすることがありますが、「お身体」は不要です。

「ご自愛」という言葉は「身体を大切にする」という意味ですので、「お身体」を付けてしまうと「お身体、お身体を大切にしてください」とおかしな日本語になってしまいます。

「お身体」という言葉を使いたいのであれば「お身体にお気を付けて」「お身体を大事になさってください」などが良いでしょう。

「ご慈愛ください」は正しい?使い方や例文

特にメール文の変換ミスなどで「ご慈愛」とされていることがありますが、「ご慈愛」という言葉はありません。「慈愛」には「誰かを慈しむ」という意味があります。「慈しむ」とは主に「母親か子へ向けられるような、深い愛情」のことです。

手紙やメールの相手には相応しくない表現でしょうし、何より「ご慈愛」は日本語として間違っていますので、特にメールの場合は送信前にしっかりと見直しをしましょう。

「ご自愛ください」を言ってはいけない人って?

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「ご自愛ください」は短い言葉でスマートに相手の体調を気遣うことを表現する言葉ですので、文末としてとても使いやすいものです。しかし、中には「ご自愛ください」を使ってはいけない相手もいます。

既に体調を崩している人には、ご自愛くださいは使えません。ご自愛くださいというのは「今が元気であることが前提で、その上で今後も元気でいて欲しい」つまり「現状を維持して欲しい」という意味が込められています。

現時点で既に患っている人に「現状を維持して欲しい」という意味の「ご自愛ください」を使うということは「ずっと患ったままでいて欲しい」ということになってしまうのです。

病気をされている方への文末は「一日も早い回復を願っております」などにしましょう。

「ご自愛ください」に対する返事の仕方

次は「ご自愛ください」という言葉で締められた手紙やメールに対しての返事の仕方についてです。「時節柄、ご自愛ください」などと書かれていた場合、こちらからの返信についてもその気持ちに応えたいものですよね。

「お気遣い誠にありがとうございます。○○様もお元気でお過ごしください」「温かいお心遣いに感謝いたします。○○様もどうかおいといくださいませ」などと返せば、相手へ気持ちを返すことができるでしょう。

「○○様もどうかご自愛ください」と、同じ「ご自愛」を使って返せないこともありませんが、それではあまりに芸が無いというものです。何か他の表現を使って「わたしも同じようにあなたを心配しています」ということを伝えましょう。

ビジネス敬語に関するおすすめの本紹介

一言で「敬語」と言っても、その種類は膨大です。ビジネスではさまざまな人と接することが多く、いかに自分がビジネス敬語のバリエーションを持っているかということで、相手とのお付き合いの深さが決まってきます。

そこで、ビジネス敬語に関するおすすめの本をいくつかご紹介しますので、ぜひ手に取ってみてください。

大人の語彙力ノート 齋藤 孝

コメンテーターとしてもおなじみの、明治大学文学部教授 齋藤孝さんの著書です。「言葉の神様」とも呼ばれる齋藤先生ならではの、幅広い言い換えや解説で「こんな言い方もあったのか!」と自分の「語彙力」がぐんぐん伸びていくのを実感できるでしょう。

敬語「そのまま使える」ハンドブック 鹿島しのぶ

ラジオパーソナリティ、プロ司会者、専門学校講師として幅広く活躍している鹿島しのぶさんの著書です。

小さめサイズで持ち歩きも簡単な上、間違った言い方と正しい言い方の比較もとてもわかりやすく、すぐに「自分の言葉」として使うことができます。「即戦力」を求めるビジネスマンならぜひ一読しておきましょう。

ご自愛とは?意味や使い方は?「ご自愛ください」は正しい敬語?のまとめ

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「ご自愛」という言葉を「なんとなく知っている」という状態で使ったり、受け取ったりするのと、「ちゃんと意味がわかっている」という状態での扱い方には大きな違いがでてきます。

「相手を思いやる言葉」はたくさん知っていて損はありません。自分の気持ちの中にある「この人に元気でいてほしい」という想いを「ご自愛ください」を使ってしっかりと伝えたいものですね。

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