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2017/05/09

【海外&国内】Insurtech(インステック)のサービスまとめ&解説

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目次

2010年代から日本を席巻している「×tech」の動き。保険もその一翼を担っています。これまでみんかねでも、Insurtechこと保険×techで消費者が利用できるさまざまなサービスを紹介してきました。

今回はご紹介したサービスを海外そして日本別に、Insurtechがどのように進んでいるのかまとめましょう。

Insurtechといえばレモネード社

【海外&国内】Insurtech(インステック)のサービスをまとめました

Insurtechといえばアメリカのレモネード社です。日本でもミニ保険(少額短期保険)の発展にともない「家財保険」が注目されていますが、レモネード社はもう一歩先に進んでいます。それは、保険金の算出に保険会社が関わらないこと。いわば「スマートフォン(スマホ)ですべてが完結する」というビジネスモデルです。

仮に台風が来て家財の一部が破損したとします。既存の家財保険であれば、建築士などを所有する保険会社の専門職員が「全損・半損・一部損など」を査定し保険金を算定します。査定分の時間、保険金が受け取れなくなることはデメリットです。レモネード社は破損した家財を写真に撮って保険会社に送ります。いわば「能動的に保険査定を行う」ことによって、時間を削減する効果があります。

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必要なときだけ保険をかけられるTrov社

Insurtechのもう一つの特徴は「マイクロ保険」です。マイクロ保険とは、それまで既存の保険会社がカバーしきれなかった細かい分野を対象とする保険です。代表的なサービスは、必要なときだけ保険をかけられるTrov社です。

Trov社のサービスが本格的に日本に参入するのはこれからですが、具体的にどのようなサービスになるのか予測見てみましょう。

ある日の日曜日、草野球の試合に出るとしましょう。行き帰りの自動車は自動車保険に入っているものの、野球道具や家族が作ってくれたお弁当がグラウンドでボールがあたり、破損してしまう可能性があります。車からグラウンドまで移動用に使用する自転車が故障してしまうこともあるでしょう。

このように「通常は保険対象ではないけれど、必要な時に加入する保険」がマイクロ保険であり、Trov社のもっとも得意とする分野です。

マイクロ保険で同じく知名度の高いのはCover社。これらの保険は、特定の対象物を特定の時間のみ補償することから「オンデマンド保険」と称する場合も多いです。

日本で注目のInsurtechは「テレマティクス保険」

【海外&国内】Insurtech(インステック)のサービスをまとめました
日本では、生活に密着している自動車保険にInsurtechの可能性が高まっています。代表的なものはテレマティクス保険です。代表的な存在の会社がスマートドライブ社です。

参考:スマートドライブ社

同社は「安全運転」をすることで様々なサービスを受けることができます。自動車に計測装置を設置し、車の速度や走行の距離、エンジン回転数、故障情報などを得ることができます。これらの指標は、安全運転をするうえでスコアリングとなります。

このデータに必要性を感じているのは自動車保険会社です。現在、自動車の運転年数と自動車保険への加入年数、そのあいだの事故歴によって「等級」に当てはめ、それにともない保険料を設定していますが、スコアリングの活用でより加入者(ドライバー)個々に即した保険料設定をすることができます。

安全運転をする人はより安全に、危険な運転をしがちなドライバーは保険料が高くなるというデメリットを受けるため、安全運転に向くという抑制効果をもたらすこともできるでしょう。

海外で同様の自動車保険といえば、従量制保険料算出システムを導入しているMetromile社の名前を挙げることができます。同社は自動車のダッシュボード下に計測機器を設置し、様々なデータを入手することができます。

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既に事業基盤を持つ大企業が実現を目指すInsurtech

Insurtechの担い手は短期間で急成長したベンチャー企業やスタートアップ企業だけではありません。既に巨大な事業基盤を有している大企業もInsurtechの主役となるべく、虎視眈々と機会を狙っています。筆者はスタートアップの経営者も兼ねて活動していますが、大企業の新規開発担当と組んで仕事を進める機会も多いです。

大企業にはベンチャー企業の弱点とされる資金力と人材力(リソースとも称します)が充実しています。斬新なアイデアを持つスタートアップと「組む」ことで、より大きな目的を達成することができます。特にInsurtechの分野は日本の日常生活に深く根付いているため、大きな市場をターゲットとすることができるでしょう。

ITソリューションの担い手として事業規模の大きいNEC社や富士通社のほか、既存の保険会社として大きな顧客基盤を持つ日本生命や第一生命なども今後リードの取る機会が大きい有力な候補。また顧客基盤という面では、NTTドコモ社やソフトバンク社などの携帯キャリア各社、NTTデータ社なども数年後には、「Insurtechの担い手」として国内市場の先導役となっている可能性があります。

日本にて拡大し始めたInsurtechの市場は、今後どのようになっているか、引き続き注目していきたいところです。

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FP-MYS代表取締役社長兼CEO。 ファイナンシャルプランニング(FP)を通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。 Fintechベンチャー集積拠点FINOLAB(フィノラボ)入居。執筆実績多数。
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