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2017/05/15

【専門家記事】医療保険とは何か、どういう種類があるのかわかりやすく簡単に解説

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目次

そもそも医療保険とは?

公的医療保険は加入が義務となっていて『国民健康保険』『健康保険』『船員保険』『共済組合』とに分かれています。

『国民健康保険』は自営業やアルバイト、無職の方などが加入する社会保険です。『健康保険』は会社に勤めている社員の方が加入する社会保険です。高齢者の方向けの『後期高齢者医療制度』もあります。

民間の医療保険は〇〇生命とあるような民間の保険会社が販売されている保険です。

まずは公的医療保険についてわかりやすく解説していきます。

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公的医療保険とは

『国民健康保険』と『健康保険』などと分かれていますが、共通しているメリットが何点かあります。
① 窓口負担が軽減される。
② 高額療養費制度がある。
③ 出産一時金や児童手当などの給付がある。

①窓口負担の軽減

年齢によって1〜3割負担となりますが治療費を国が負担してくれる制度のことです。1万円医療費にかかったとしても7割は国が負担をしてくれているので私達が支払う金額は3千円の負担となります。

逆に言いますと、国民健康保険の保険料を支払っていない状態で病院治療などを行うと全額負担となり、請求がとても高額となってしまいます。

②高額療養費制度。

収入に応じて、1ヶ月間の治療費の上限を設けてくれる制度のことを言います。

ただし、あくまで治療費に対しての上限であるため、食事代や雑費、少人数部屋に泊まるための差額ベット代(特別室代)などは高額療養費制度には含まれません。

高額療養費制度に対しての注意点は自己負担限度額の基準は1ヶ月毎である事。1ヶ月毎である締め日は月末である事です。

20日間の入院であったとしても、21日からの10日間と1日からの10日間を合わせた20日間の場合、自己負担限度額の2月分が請求となる可能性があります。

また、高額療養費制度は請求が遅くなってしまうと窓口負担の時には3割の負担となり、後日差額分を還元となってしまします。そうなると一時負担が大きくなってしまうため、病院や会社などと相談し、早い対処が必要です。そもそも請求をしないと還元を受けることさえできないため、ご自身で把握しておく必要があります。

下記に区分(収入)別の自己負担限度額の表と後期高齢者医療制度の窓口負担表を記載します。

所得区分 自己負担限度額 多数該当※
① 区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
② 区分イ
(標準報酬月額53万〜79万の方)
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
③ 区分ウ
(標準報酬月額28万〜50万の方)
80,100+(総医療費-267,000)×1% 44,400円
④ 区分ウ
(標準報酬月額26万以下の方)
57,600円 44,400円
⑤ 区分ウ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者の方)
35400円 24,600円

※標準報酬月額とは、正式には違いますが年収を12で割った金額と近い金額となります。
※4ヶ月目以降の自己負担額

③ 出産一時金や児童手当。
出産をする際に病院に払うお金の一部を負担してくれる制度や子供一人あたり月額の一時金を支給してくれる制度です。

④ その他
地方自治体によって様々な制度があります。皆様のお住いの地域で調べてみてください。

例1:お子様2歳まで医療機関の自己負担無料。
例2:一人親世帯の父または母の医療機関の自己負担額無料。

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健康保険とは

『国民健康保険』との共通のメリットに加えて、『健康保険』にしかないメリットもあります。

① 家族の保険料を削減できる
② 傷病手当金
③ 出産手当金
④ 労使折半

①家族の保険料を削減

国民健康保険は一人一人が保険に加入し、保険料を支払う必要がありますが、健康保険は収入が少ない配偶者や扶養義務のある家族は保険の扶養に入れることができます。そのため、家族の支払う保険料を削減する事ができます。

②傷病手当金病

休業中に最大1年6ヶ月休養の補填として給料の6割ほどを支給してくれる制度です。

③出産手当金

出産のために会社を休み、事業主から給与が受けられない場合に支給される手当金です。
こちらも6割ほどの支給額があります。

④労使折半

健康保険というより社会保険料としてお伝えすると聞いた事があるという方が多くなるかと思います。社会保険の中に健康保険や年金保険や雇用保険などが全て含まれております。

私たちが給与から差し引かれている同額を企業が国に納めてくれているのです。ですので、その分受け取る金額も大きな金額となるのです。逆に非正規雇用から正規雇用になるためのハードルが少し高くなるのはこう言った背景があるからです。

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その他保険

 船の所有に対する『船員保険』や教員や公務員に対する『共済組合』は社会保険の内容に加えてより保障が手厚くなっています。職業に特化した保障があり、さらに家族に対する保障もあります。

民間の医療保険はどのような種類があるのか?

医療保険は入院保障や手術給付が主契約となっている保険がほとんどで、1入院5,000円や10,000円、手術1回5万円や10万円というような保障となっています。それに加えて様々な保障が特約(オプション)として選ぶことができるように作られています。

医療保険で意外と注意しないとけないポイントは何日型になっているかということです。
例えば、30・60・120・365日型などの種類があり、1入院何日まで保障をするかという契約となります。保険会社が設けている1入院とは私たちが思う1入院とは考え方が異なりますが、ご存じない方が多いため、解説します。

よく勘違いされている1入院は退院をすると、1入院はリセットされるという考え方ですが、実際は退院してから180日空いていない同じ病気での再入院は合算して1入院としています。
下記図にてご覧ください。

年齢にもよりますが、60日型と120日型でいうと月額料金の差額が数十円という場合があります。
月々数十円の違いで長期入院や同じ病気で入退院を繰り返すことになった場合、保障額が大きく変わってしまいます。一部ではありますが、下記表のような病気に対しては、入院日数の長い保障を備えておくと安心です。

長期入院が必要な病気 平均入院日数
認知症 359日
統合失調症 561日
妄想性障害 561日
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特約・オプションはどのような種類があるの?

入院日数に対する特約

・ 短期(初期)入院特約
1日でも入院をすると、5日間分の保障を受け取ることのできる特約です。
ただし、6日以降の入院費用は日数分そのままの給付となります。
・ 特定疾病入院延長特約
心筋梗塞や脳卒中、がん、糖尿病など特定の病気に対する入院には〇〇日型の日数の限度を超えて保障をする特約

特定の病気での入院に備える特約

・ 女性疾病特約
乳がんや子宮がん分娩の合併症など女性特有あるいは女性がかかる確率の高い病気の治療のための入院に対する保障の特約
・ 生活習慣病(成人病)特約
がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧などの治療のための入院に対する保障の特約
・ がん入院特約
がんの治療のための入院に対する保障の特約

入院給付金を受け取った後に給付が受けられる特約

・ 退院特約
入院給付金を受け取った病気に対する、その後の治療を目的として通院をした時に通院日数分に対して給付金を受け取ることができる特約
・ 退院後療養特約
所定の日数以上に入院をした後、生存して退院した時に給付金を受け取ることがでる特約

所定の条件を満たした時に給付金を受け取ることができる特約

・ 三大(特定)疾病保障特約
がん・急性心筋梗塞・脳卒中などにより所定の状態に該当した時に、一時金を受け取ることができる特約
・ がん診断給付金

がんと診断された時に、一時金を受け取ることができる特約

・ 先進医療特約
厚生労働大臣が定める先進医療に該当する治療を受けた時に治療の金額に応じた給付金を受け取ることができる特約
・ 死亡・高度障害特約
死亡もしくは所定の高度障害状態になった時に保険金を受け取ることができる特約

その他特約

・ 保険料払込免除特約
がん・急性心筋梗塞・脳卒中や所定の障害状態になった時に保障はそのままで保険料の払込が免除になる特約
・ 健康祝い金・健康ボーナス
所定の期間経過後に生存している時に祝い金として給付金を受け取ることができる特約

保険会社によって条件や特約は違いがあるため一部を抜粋してあげましたが、その他にも様々な特約が存在しています。

特約は一部保険料が無料のものもありますが、基本的には有料です。全てをつけると保険料が大変高くなってしまうため、必要なものを見極めて加入することが重要です。

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緩和型医療保険とはどのような保険を言うの?

CMでよく『持病があっても入れる』と言われている保険のことです。保険の一番厄介な所は、入りたくても入れない場合があるということです。医療保険は、死亡保険以上に審査が厳しいものとなっています。直近に風邪が原因で病院にかかっただけでも審査に通らないこともあります。

過去に病気や怪我で手術や入院など治療を受けた事がある方は、例え病院から完治したと言われたとしても保険会社から考えると保険金を払う確率が増えると考えられます。そのため審査の段階で断る、もしくは部位不担保といい、特定の場所に対する保障はしない条件を付けられる事があります。

そのような時に、審査の基準を低くして保険の加入をしやすくする目的で作られた保険のことを『緩和型』と言います。

デメリットとしては一般の保険に比べて、保障の範囲が狭くなること、または月々の保険料が高くなることです。
ただし、審査が緩和されているだけで、誰でも入れるわけではありません。

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企業向けの医療保険

民間の保険会社が企業向けに提案している保険があります。企業が従業員に対して保障を用意し、保険料は企業が負担しています。保障内容は様々ですが、民間の保険と同様と考えていただくと良いでしょう。

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その他保険

各都道府県が行っている『共済保険』、生活協同組合が行っている『コープ共済』、JAが行っている『JA共済』などありますが、こちらに関しても民間の保険と似ています。

定期保険を案内されていることが多いです。

その他にもカード会社や携帯会社なども保険の販売をされていて、種類が大変増えています。

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実際に病気や怪我で手術や入院をするとどのくらいのお金が必要なのか。

費用の大まかな内訳をお伝えしていきます。

①治療費

薬代や医師の指示によって行われる処置や検査や手術、リハビリなどを指します。

②入院基本料

「1日いくら」で計算される料金です。医師の診察や看護師の看護や室料、寝具代など全てを含んだ料金です。

③食事代

「一食あたりいくら」で計算される料金です。2017年4月現在一食:360円。(平成30年4月1日から一食460円予定)食事代も所得に応じて負担金が変わります。

病気によって食材を選別したり、その方のために特別の調理した『特別食』もあり、これは通常の食事よりも割高となります。

④差額ベッド代

基本的には入院する際は数名で一部屋を共用して使用しますが、個室や二人部屋などを希望すると「差額ベッド代」が発生されます。ゆっくり休みたい、著名な方などが混乱を避けるために使用されることが多いですが、入院基本料とは別に追加料金が発生します。

注目点としては“希望”するとです。病院やその時に流れによって変わりますが、個室や二人部屋しか空き部屋がなく、止むを得ず入院した時は基本的な料金は発生致しません。

⑤先進医療や自由診療

治療費としてお伝えしたのは公的医療保険が適用される治療に限ります。
先進医療(大学や保険期間で開発された、先に進んだ医療技術や最先端の医療技術)や自由診療(厚生労働省が認証していない治療や薬を使用)は全額自己負担となり、大変高額となります。

⑥その他の費用

入院時の医療費や退屈しのぎに読む書籍や、食事が足りない場合などで病院食以外の食事代、テレビ代や家族がお見舞いに来るための交通費や、お見舞い返しの購入費用。

その他の費用でも準備があると安心です。

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実際の治療費の具体例

70歳女性
肺炎で25日入院(27日~20日)
窓口負担約20万円
内訳差額ベット代約10万円
残り治療費や食事代で10万円
差額ベッド代除いて4,000円/日

40代男性
胃潰瘍で20日間入院(23日~11日)
窓口負担約20万円
内訳差額ベット代4万円
残り治療費や食事代で16万円
差額ベット代除いて8,000円/日

今回、高額療養費制度の計算は『区分ウ』や『一般』での計算となっています。

適用になる費用は①治療費と②基本入院費です。その他の費用はすべて自己負担となります。今回はあくまで窓口負担の金額をお伝えしましたが、その他の費用もありますので、実際に入院に伴い支払った費用は具体例以上に高くなります。

2つの具体例について、どちらにも共通して入院日が1日〜31日までで月をまたがなかった場合は窓口負担が全く変わってきます。

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【専門家記事】医療保険とは何か、どういう種類があるのかわかりやすく簡単に解説のまとめ

日本国では国民皆保険といい、すべての国民をなんらかの医療保険に加入させる制度があります。
仕事や収入によって実際に病院に支払う金額や公的な医療保険から支給される金額は異なります。また企業によっては、従業員のために保障を用意してくれています。

民間の保険やその他の保険をご自身で用意した方が良いかはその環境によって、考え方によって大きく変わります。
医療保険は収入保障の側面も持っています。まずはご自身の現状を把握し、準備をする。環境も職場や家庭や考え方の変化に合わせて柔軟に対応していく必要があります。

<下に続く>

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1987年生まれ。京都府出身。元保険代理店勤務。 イベントの開催や企業に属さないFP・フリーランスとして独自の家計コンサルを展開
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