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2017/12/29

リバタリアンとは?日本・アメリカの事例やリベラリズムとの違い!

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リバタリアンとは?

政治や経済に関する思想のうち、個人の自由と経済上の理由を重んじる立場がリバタリアンです。今回は、リバタリアンとはどういうもので、何を意味しているのか、リバタリアンとリベラリズムにはどのような違いがあるのか、そしてアメリカや日本におけるリバタリアンとはどのようなものなのかを見ていきましょう。

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リバタリアンの意味と特徴

まずは、リバタリアンの意味や特徴について見ていきましょう。リバタリアンとは、リバタリアニズムと呼ばれる政治思想や政治哲学上の立場を主張する人々を指します。

リバタリアニズムは、日本語では「完全自由主義」や「自由至上主義」などと訳されますが、これは個人の自由と経済上の自由の両方を重んじる考え方を指します。この点ではリバタリアンは政治と経済両面における自由を重んじる立場にあって、より完全な自由を主張する人々であるということもできます。

リバタリアンの立場では権力は必ずどこかで腐敗するという信念を持っており、それは権力に対する一種の不信と言い換えられます。このため、完全な個人の自由や自治を主張するとともに、個人による自律を重んじる点から兵役や何らかの対象に対する献身や犠牲を強制されることには、肉体的・精神的な自由を侵害するとして反対の意思を表明する傾向があります。

また経済の面では、徴税は個人の持つ財産(私有財産)を侵す行為であると考えることから、特に社会福祉を重視する国家観である福祉国家には否定的です。

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リバタリアンの理念

普通に自由を重視する立場よりも踏み込んでいるように見えるリバタリアニズムの立場に立つリバタリアンですが、彼らの理念とは具体的にはどのようなものなのでしょうか?

前提となる私有財産権の存在

まず、リバタリアンは個人の自由を保障する前提条件として私有財産権(私有財産制)を挙げています。つまり、個人が自ら財産を持つ権利が保障されていてこそ、個人はその自由な権利を十二分に行使できるという考え方です。

リバタリアンにとっての「自由」とは?

次に、政治的な視点から見た自由そのものに対する考え方ですが、リバタリアンは法的に認められた自由についてはあくまでも消極的にしか認められていないと主張します。その前提に立ったうえで、より完全な形の自由を確保するような政治思想や法思想を追求していくスタンスです。

なお、アメリカの著名なリバタリアンであるロスバードによれば、自由とは個人の身体と、個人が有する正当な物質的財産の所有権が侵害されていない状態を指します。この点は、先ほども触れた兵役や何らかの対象に対する献身、徴税といった強制力を伴う行為を否定するよりどころとなっています。

経済に対するリバタリアンの態度とは?

さらに、経済的な視点で見ると、政府による経済市場への介入については極めて否定的といえます。むしろ、経済的な問題の根幹に政府が経済市場に介入や規制を行っていることに原因を求める傾向にあります。このため、リバタリアンは政府の市場への介入を認めない完全な自由放任主義(レッセ・フェール)を理想としています。

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リバタリアンとリベラリズムの違い

日本語でリバタリアニズムは「完全自由主義」や「自由至上主義」と訳されることは先ほども触れましたが、ただ単に教科書的に「自由主義」と訳される場合も少なくありません。この「自由主義」については、リバタリアニズムと似た言葉に「リベラリズム」というものもあります。

リベラリズムはいったいどういう考え方なのか?

リベラリズムとリバタリアニズムは同じ「自由主義」でも、その中身は全く別物です。リベラリズムはどちらかといえば政治的な意味合いで使われる場合が多いです。つまり、国家や集団、権威などが個人に対して行う統制に対抗する形で、個人が自由に自ら判断し、決定することができるという立場に立つ思想の傾向を意味します。

リバタリアニズムに比べて限定的なリベラリズム

リバタリアニズムと比べて、リベラリズムは政治的な思想や哲学に傾いている傾向があります。特に、国家や集団による統制に対抗する性格を持っている考え方である以上、リバタリアニズムが持つような政治だけでなく経済における自由までは包括していないといえるでしょう。

「リベラル」とリベラリズム、リバタリアンとの違い

なお、政治的な立場を指す用語の1つに「リベラル」と呼ばれるものがあります。このリベラルとリベラリズムはどのように異なるのでしょうか?

リベラルという政治的な立場は1930年代にアメリカで世界恐慌に対してニューディール政策が行われた際に、福祉や社会保障を重視した政策の立場に立つ人々が自らを自由主義と名乗ったことに由来します。このため、どちらかといえば本来のリベラリズム(国家などによる統制に対抗する意味での自由主義)とは少し違う意味合いがあります。

なお、リベラルとリバタリアニズムとの違いとしては、1930年代以前の古典的な自由主義、つまり個人の自由や小さな政府(なるべく市場に介入しない政府の在り方)を重視する立場がリバタリアンで、それ以降の福祉などを重視する大きな政府の立場に立つ自由主義がリベラルといえます。

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アメリカにおけるリバタリアン

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アメリカでいうリバタリアンとは、徹底して小さな政府を目指す立場の人々を指します。つまり、政府主導の年金や保険などの福祉政策や、増税、市場に対する規制には一切反対する立場で、一方減税や規制緩和には賛成です。

そして、彼らが目指すのは完全な資本主義であり、それはいわば政府にあれこれ介入されたり操作されたりすることのない体制、自由放任主義の市場体制が理想とされています。さらに、個人の自由に関しても中絶やマリファナさえも賛成する立場に立っています。

なお、アメリカではリバタリアン党と呼ばれる政党もあります。アメリカでの一般的なリバタリアン以上にリバタリアニズムを主張する立場で、増税だけでなく、軍隊への徴兵や国による補助金・助成金、銃規制、果ては麻薬のような反社会的なものへの規制なども一切認めないという点で急進的といえます。

ちなみに、リバタリアンは2016年のアメリカ大統領選挙でのドナルド・トランプ大統領の当選にも多大な影響を及ぼしました。リバタリアン投資家として有名なピーター・ティール氏もトランプ陣営に1億円の寄付をしたこともその例です。

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日本におけるリバタリアン

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日本の場合、リバタリアンは一見するとどのような立ち位置に属する人々を指すのかがはっきりしないよう見えます。しかし、政府主導の市場経済への介入や福祉政策、そのための増税に反対するスタンスがリバタリアンの立場であることから、小さな政府を志向する考え方に立つ人々が日本におけるリバタリアンのわかりやすい例といえます。

より具体的な例を挙げるのであれば、2000年代前半に構造改革を推し進めた小泉純一郎元首相や、大阪維新の会の代表だった橋下徹氏がわかりやすいでしょう。ご両人とも、国や地方自治体の持つ機能をなるべく民営化などによって必要最小限にする一方、民間部門もなるべく公的支援をあてにすることなく自立するべきという立場に立っています。

ただし、日本のリバタリアンの考え方は自己責任論、弱者叩きと密接に関わることも少なくありません。これは、リバタリアンの個人が自らの力で自立することを重んじる立場と、日本人独特のみんな一緒であることを大切にする集団主義とが結びついた結果であるともいえます。

そのため、社会的弱者を自立できていない人々とみなして「自己責任」の名のもとに叩くというリバタリアンも少なくありません。アメリカのリバタリアンに比べるとこの点が目立つのが、日本のリバタリアンの特徴といえます。

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リバタリアンとは?日本・アメリカの事例やリベラリズムとの違い!のまとめ

リバタリアンとは個人の持つ自由と経済上の自由の両方を重視する立場であるため、それに対して政府などが政策面で介入することに否定的です。

また、国家や集団、権威に対する個人の自由を主張するリベラリズムとは同じ「自由主義」という語でも違いがあります。

そして、アメリカでも日本でもリバタリアンとは、政府主導の福祉政策や市場に対する規制、増税などに反対し、徹底して小さな政府を志向する立場の人々を指します。ただし、日本のリバタリアンの場合は自己責任や弱者叩きと結びつくこともしばしばあります。

このような政治や経済にまつわる用語をきちんとマスターして、日々の社会の動きを理解する材料としていきましょう。

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