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2018/01/02

人口減少のメリット・デメリット!労働人口減少はAIで補える?

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ついに始まった日本の人口減少、その行く末はどこにある?

専門家の中でも、様々な予想があり、一概に言えない数字ではありますが、一説によると、2050年時点での日本の人口は、約9700万人まで減少するそうです。1990年代に1億2千万人と言われていましたから、約3000万人も人口が、単純に減る計算です。

また、全国の6割以上の地域などで、人口が2010年時点の半分以下になる自治体も出てきます。この人口減少は、決して他人事も、遠い未来のことでもありません。2020年、東京五輪の年には、じわじわと影響が広がってきます。

その人口減少は、果たして、日本に何を齎すのか。これから先の日本は、人口減少の時代を克服することが出来るのか。今回は、人口減少が齎す未来を、少し垣間見たいと思います。

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人口減少のデメリット

グラフ

では、人口が減少することで、一体、どんな問題があるのか、を確認していきたいと思います。一体、これからの日本に、どんなことが起きるのでしょうか。

デメリット① 人口減少は経済を停滞させる

人口減少に歯止めを掛けなければならない、と盛んに経済学者が叫ぶ理由は、これに集約されます。単純に人が減るということは、働ける人間が減少することを意味します。働く人は、そのまま消費する人でもあるというのが、当たり前の経済学です。

つまり、人口が減少することは、働く人が減る、消費する人が減る、イコール、企業の売り上げが単純に減るという不景気へのスパイラルへ突入していくことになります。結果として、日本のGDPは低下し、全体が不景気になることになります。

デメリット② 社会福祉に及ぼす悪影響

既に、少子高齢化社会を迎え、どんどん労働人口一人当たりで支えている高齢者の人数は増えています。これから先、人口減少が続けば、日本の社会福祉制度が破綻するだろうことは目に見えています。

しかしながら、老人は子供を作ることも出来なければ、働く事も出来ない。かといって、GDPが下がり、社会保障が破綻した国から脱出することも叶わないという最悪の状態に叩き込まれることになります。

デメリット③ 文化・芸能に与える影響

ここで言う文化や芸能とは、単純に日本人が古来より脈々と2000年もの間、受け継いできた思想や考えのことを指します。単純に、日本人が減るということは、これらの文化の継承者がいなくなることを意味します。

既に、多くの地方自治体において、限界集落となってしまった街の祭りは廃れつつあります。過去、多くの国が滅び、その文化や芸術が散逸してしまったように、このまま人口減少が続けば、日本もまた、そのような国になってしまう可能性があります。

このようにして、人口減少には、多くの目に見えた社会的、経済的な問題が付いて回ります。だからこそ、盛んに人口減少を防ぐべく、政府や経済界というのは行動を起こしているのです。

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人口減少にメリットはある?

では、その目に見える、非常に分かりやすいデメリットとは反対に、解りやすい人口減少のメリットは、存在するのでしょうか。例えば、良くメリットとして挙げられるのが、「別の豊かさが手に入る」という話です。

ハッキリ言ってしまえば、「別の豊かさ」というのは、論点のすり替えになります。問題は、人口減が齎す経済や社会保障、文化や芸能についての問題です。そんなことが手に入っても、社会保障の問題が解決できなければ、文化の継承がなされなければ意味がありません。

経済的な範疇ではない豊かさが入ると説かれたところで、納得できる人は多くないでしょう。お金ではなく、心が豊かになる、そういう次元で人口減少の話をしていては、何時までも話が噛み合いません。

同時に「適切な経済体制になるだけ」という問題でもありません。これには、「現在の経済規模を維持する」という前提が、完全に抜け落ちてしまっています。だからこそ、多くの政治家が人口減に歯止めをかけるべく行動しているのですから。

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人口減少のメリット

データ・グラフ

本当に、目に見える形での人口減少のメリットはあるのでしょうか。あくまでも、今回は、別ベクトルに向いてしまう話ではなく、現実的に経済的、社会的な問題に関わる話としてメリットを確認していきたいと思います。

メリット① 生産性の向上をもたらす

実は、日本国内で唯一、人口が自然増加している都道府県があります。それは、実は沖縄県です。反面、沖縄県の経済指標、特にGDPは観光に支えられつつも、全国的には小規模なレベルと言えるものです。

皮肉な事に、経済規模を拡大させるためにと向かっていた指針が、労働時間の増加を齎し、結果的に一人当たりの生産性を下げる結果となってしまいました。一人当たりの労働時間が長ければ、子供を産む時間も育てる時間もありません。

だからこそ、人口減少するタイミングは、生産性を向上させる契機になると考えられています。人口が少なくなるからこそ、一人当たりの生産性を向上させなければなりません。そのような生産性向上のための新しい産業が見つかる可能性は十分にあります。

メリット② 自然環境の保全

日本が何故、多量のエネルギー資源を輸入するのか。それは偏に、1億2千万人もの人口を支えるために必要な分量だからです。しかし、人口が減少すれば、それを莫大な資金を投じ、輸入する必要もなくなるワケです。

同時に、化石燃料の使用量が下がるということは、自然環境の保全に繋がります。地球温暖化は、さも産業革命が原因であるかのように言われていますが、実際問題は人口が増えたことが一番の原因です。

人口減少によって、その原因を取り除き、地球温暖化に歯止めをかけることが出来るのであれば、環境的な面から見れば、十分にプラスの要素を人口減少は持ち得ていると言っても問題ないでしょう。

メリット③ 過密の解消

そもそも論として、1億2千万人というのは、明らかに日本の国土や持ち得るエネルギー量、そして、農業生産物に対して多いという社会学者の言は、良く聞く話です。しかし、事実、江戸時代の日本の人口が3000万人くらいで、もう少し広々と暮らしていました。

人口が減少すれば、首都圏や京阪神圏で慢性的な問題となっている過密の問題を解決することは難しくないでしょう。過密ということは、それだけ人口が集中しているということであり、満員電車や交通渋滞の問題を引き起こします。

住宅の高層化や地下化は、地震や台風などの災害を抱える以上、日本には自ずと限界が存在します。ニューヨークのような摩天楼を築くことは、かなり難しいと言わざるを得ません。人口減少により、これらの住宅問題の解決が図られる可能性は高いのです。

メリット④ 失業率の低下

少子化というのは、人がいなくなっているということになります。裏を返せば、それは、どんな業界に於いても、人手不足を招いているということです。これが、結果として、企業への就職が増え、失業率が低下し、また賃金上昇を促すという仮説が立てられています。

現状の人口は、人手がだぶついた状態です。老人は終身雇用で最後まで企業にしがみつくので、新しく雇う余裕がありません。だからこそ、企業は雇用を抑えるために、新規採用を見送ってきました。それが、いわゆるバブル崩壊後のロストジェネレーションです。

老人が去り、人手が減れば、自ずと企業も採用に積極的になるはずです。このロスジェネの問題も解決し、労働人口の年齢構成が適切なモノになるというのは、企業にとっては、望んだ形ではないでしょうか。

ここに挙がってきたメリットは、確かに、現実的に解決を図らなければならない問題であり、心理的・倫理的な問題ではない人口減少の見方です。しかし、いずれの利点も、極めて限定的なものになります。

なによりの問題は、現状の日本のコストです。多くの国の場合、人口減少は年齢を問わずに起こる問題です。人口ピラミッドが全体的に縮小するイメージになります。しかし、日本の場合、一気に年少人口と労働人口が減少するという、非常にマズイ状況です。

このような場合、ここまで積み上げてきた社会保障などの問題を一度ゼロにしなければなりません。しかし、そこまでの抜本的な社会変革を成し遂げるとなれば、最早、戦争を起こす以外に方法がありません。結果として、このメリットを享受できていません。

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コラム:人口減少は誰にとってメリットなのか

ここまで人口減少を論じてきましたが、現状の日本社会にとって、人口減少とは利は確かに存在するが、それ以上に、社会そのものの崩壊を招きかねない危険な病巣と言えるでしょう。政府としても無策のままで、いる訳ではありません。

人口減少を、積極的に是として捉えて、無策のままでいるのは、一部の移民賛成派程度であり、多くの社会学者は、メリットを享受するために待ち構えている問題の解決に心血を注いでいます。

現状、日本に移民はあまり居ません。しかし、人口減少に伴い、労働人口が減ることが予想されています。その減少した労働人口に、移民を当てようというのが移民政策なのですが、移民政策が成功したのは、アメリカとオーストラリア程度で、欧州は軒並み失敗続きです。

近年、欧州でテロが相次ぐ一番の理由は、中東からの移民であると指摘されています。欧州は基本的に、教義の違いはあれども、キリスト教国ですから、伝統的に中東のイスラム教とは、最悪の関係が今日まで続いています。

人口減少で労働力が足りないからと、安易に移民を受け入れれば、ヨーロッパの二の舞になることは、既に目に見えています。事実、マレーシアの支配層は旧来のマレー人ではなく、膨大な人口を活かせる華僑に移っています。

人口減少を解決するか、しないかの問題と移民の問題は、どうやら分けて考えなければならないようです。問題として考えるのは、人口減少という局面を、「日本の国内の問題」として捉え、どう乗り切るのかでしょう。

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コラム:AI技術の進歩によって人口減少はメリットとなる

さて、その中で、人口減少をプラスの局面であると捉えている業界があります。それが、人工知能、いわゆるAI産業の分野です。日本の膨大なGDPは、単純に労働時間が長いということが理由です。ずばり、働き過ぎということです。

働き過ぎた結果、出産適齢期の男女が子供を作らないのですから、本末転倒も良いところです。だからこそ、今、考えられているのが、労働時間を減らしつつも、これまでのGDPを維持する、つまりは、仕事の生産性を上げようという動きです。

これに一役買うのは、間違いなくAIです。既に、実用化されているモノもありますが、人工知能の存在が日本の労働者にとって、パートナーとなり、生産性を上げていく事に寄与するという未来予想図が出来上がっています。

残業はなくなり、時間あたりの仕事量も増えれば、その分、生み出せる富も多くなります。人口が減ったからと言っても、決して、悲観することはない、というのが多くのAIに関連する人たちの意見です。

しかし、これも基本は、AIやICTが正しく活用され、運用されるという前提条件が付いて回ります。若年層は未だしも、老年層にAIやICTの活用は非常に難しい問題と言わざるを得ません。

このAIの活用が、人口減少の日本を救う切り札になる可能性は十分にあります。少なくとも、日本社会の崩壊を招きかねない移民制度よりは、よっぽど理に適い、問題を解決できる手段と言えるでしょう。

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人口減少を迎えた世界で

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世界的に見て、先進国の人口は、高い出生率を維持しているアメリカを除き、軒並み、減少基調にあります。つまり、決して、人口減少というのは日本だけの問題ではありません。欧州は、その解決に移民を選びました。

しかし、その結果がテロリズムの横行であり、キリスト教とイスラム教の対立を浮き彫りにさせてしまうことになりました。それを他山の石として、日本がどう動くのかを考えていかなければなりません。

確かに、人口減少は悪い事ばかりではありません。メリットも考えられる現象です。そのメリットを享受し、日本がこれからも存在し続けるために、何をするのかを考えてく時が来たのかもしれません。

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