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2018/01/12

役員報酬変更するための手順や変更できる時期

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目次

役員報酬を変更する場合について

企業等において役員と呼ばれる役割の人たちは、その責任の重さや役割の重要性から、報酬に関しては従業員に比べ高く設定されている場合がほとんどです。

また、その役員報酬に関しては、勝手に変更(上げたり下げたり)することは出来ず、役員会で話し合い、株主総会で可決されることが必要です。

今回はその役員報酬変更についての基本的な情報提供をしていきます。

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役員報酬変更の手続きの手順と時期

部長

役員(社長を含む)は、一般の従業員とは違い、その会社における重要な役割を担っていることがほとんどです。そのため、「役員報酬」といわれる従業員で言うところの給与はある程度高額になることがほとんどです。

また、役員報酬変更については、きちんとして手続きの手順と、変更できる時期が決まっていますので、その内容についてご紹介します。

役員報酬変更の時期

役員報酬はいつでも変更できるというものではありません。なぜなら、法人税を計算する場合に、役員報酬はその企業にとっていわゆる「経費」として「損金算入」でき、利益から差し引いて法人税を計算できることになるためです。

つまり、その年の業績がよく、法人税が高くなりそうなときに、役員報酬を上げれば企業は法人税を低く抑えることが出来、会社は税金を抑えることが出来ます。逆に言えば、国にとっては税収が減ってしまうことになるということです。

そのためもあって、一般的には、役員報酬の変更は新しい事業年度の早い時期の役員会において話し合われ、株主総会において決議されるものとされています。

その株主総会の開催も、新しい事業年度の開始から原則3か月以内と決められています。

役員報酬変更の手続き

役員報酬は、業績がよいからといって勝手に上げたり、悪そうだからといって引き下げたりは出来ません。どちらの場合であっても株主総会による議決が必要となります。

株主総会で役員法主の変更が決議されたら、その決定事項を含めた「株主総会議事録」を作成します。

規模の小さい企業では、役員全員が家族であったりすることがあります。その場合、社長の一存で上げたり下げたりするということもありえます。

しかし、そのような場合でもでも議事録を作っておくようにします。これは、「税務調査」が入った場合などに証拠とするために重要なものとなるためです。

議事録が無かった場合、経費への算入が否認され、多額の税金を払わなくてはならなくなることもあり、注意が必要です。

役員報酬を変更する場合の注意点

電卓とペン

役員報酬を変更する際にはその時期や、手続き以外にも注意する点がいくつかあり、その注意点についてご紹介していきます。

注意点① 役員報酬の変更は原則新事業年度の3か月以内

役員報酬を上げる場合でも下げる場合でも、その決定までの期間は、新事業年度の開始から3か月以内となっており、それを過ぎると例外として認められる場合以外は経費(損金)として認められないということになります。

また、役員報酬の変更はその変更の承認などの手続きも必要になり、ある程度時間を要します。そういった意味からも、役員報酬の変更に関しては新事業年度が開始してからの早い段階で(あるいはその前から)検討しておくことが必要となります。

注意点② 報酬月額変更の届出が必要な場合もある

企業が厚生年金や健康保険の加入条件に合致している場合、役員報酬を引き上げるにしても引き下げるにしても、厚生年金保険料や健康保険料にたいして影響が出てきます。

そのため、役員報酬が「標準報酬月額」と呼ばれる国が定めた月額報酬の等級において、その等級が2段階以上変わる場合には、「被保険者報酬月額変更届」という書類の提出が必要となります。

さらに、5段階以上の増減がある場合は、株主総会議事録か本人の同意書、その他所得税の源泉徴収簿などを提出しなければならない場合もあります。

注意点③新事業年度から3か月を過ぎても変更は出来る

新事業年度がスタートし、3か月を過ぎた後でも、絶対に役員報酬を変更してはいけないということはありません。しかし、その場合途中から増やした分については損金算入の対象にはなりません。

また、減額する場合は「その事業年度において業績が悪化し、株主・債権者・取引先等との関係上役員報酬を下げざるを得ない」と認められれば、減額できることがあります。

注意点④報酬の変更は一年間を見通して決定する

役員報酬の変更は、損金に不算入となってしまうことを納得していたり、よほど会社の業績が悪化した場合などは、事業年度の途中であっても上げたり下げたりすることは可能です。

しかし、そのことは、決して会社や株主にとってよいこととはいえません。その点からもやはり、事業年度開始の3か月以内に決定しておく必要があり、その後の増減は避けるべきです。

そういった意味からしても、事業の一年間の見通しもそうですが、役員の生活の見通しも考えたうえで報酬額を決定することも重要です。

特に、親族経営で株主といってもほとんどが親族であった場合はなおさらで、いくら事業のためとはいえ、生活が苦しくなるような報酬の設定は、その後の関係悪化を招きかねません。

注意点⑤株主総会で承認されるための準備が重要

役員報酬の変更には、株主紹介において賛成が決議される必要があります。この株主総会については、株主総会それ自体が正式開催と認められるための株主の参加割合や参加人数中の賛成の割合などに決まりがあります。

そのため、ある程度の株主が存在する企業の場合は、前もってきちんと準備を進めておかないと、株主総会自体が成立しないといった事態を招くことが無いとはいいきれません。

また、参加がかなわない場合には、委任状で参加のかわりにするという方法もとることは出来ますが、その場合には署名だけでなく押印が必要なケースなどもあり、事前の根回しが必要な場合も多くあります。

注意点⑥株主総会議事録を残しておく

役員報酬の変更が株主総会で可決された場合、役員報酬の変更を行って問題はありません。しかし、この決議についての記録として、株主総会議事録を作成しておくことが重要です。

この株主総会議事録は、国税による税務調査が入った場合に証拠となる重要な書類だからです。この議事録が無かった場合、役員報酬の変更が認められなくなる可能性もあり、税金が追徴される可能性もあります。

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事業年度で役員報酬を変更する場合

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役員報酬の変更に関しては基本的には、新事業年度開始から3か月以内が望ましいのですが、それを過ぎたからといって、変更してはいけないということではありません。

しかし、その場合注意しておかなくてはいけない点がいくつかあります。その注意点についてご紹介していきます。

役員報酬を増額する場合

新事業年度が開始されて3か月以内に役員報酬を増額した場合、株主総会での決議で可決されてしまえば何の支障もありません。

しかし、3か月を越えてしまった時点で増額する場合、基本的な決まりとして、増額分をその事業年度の経費(損金)に算入することは出来ません。

もし、それが認められるようであれば、その事業年度の業績がよい場合に、役員報酬を増加することによって、経費を増やし、節税につなげることが可能となってしまうからです。

逆に言えば、そのことを理解していればいつでも役員報酬を増額することは出来ます。ただし、その場合でも勝手に増額してよいわけではなく、株主総会による決議が必要になります。定期の株主総会で無い場合は臨時株主総会を開催します。

役員報酬を減額する場合

業績の悪化等により役員報酬を引き下げたい場合であっても、自由に出来るわけではありません。ただし、業績の悪化により取引先等との関係や株主・債権者との関係に大きな支障が出る場合などには特別に認められる場合もあります。

逆に言えば、ただ、「業績が悪化した」「倒産の可能性が出てきた」といった理由だけでは減額が認められないということにもなります。

事業年度の途中での減額が認められなかった場合には、もともとの株主総会(定時株主総会と呼ばれる)の時からその金額に減額されていたものとみなされます。

具体的にいうと、もともと月額100万円の役員報酬をもらっていたものを事業年度の途中で50万円に引き下げた場合、それまでもらっていた月額100万円がすべて経費にはならず、50万円のみが経費として算入できるということです。

その分、多くの金額を役員に支払っていたにもかかわらず、経費自体は減額された後の金額でしか算入できないことになりますので、経費自体は少なくなってしまいます。

当然のことではありますが、役員報酬の減額についても株主総会の決議が必要となります。

役員報酬の議事録について

事業を行っていくにあたっては、税金や税務署との関係は切っても切れません。場合によっては、税務署による「税務調査」が入ることもあります。

この「税務調査」に関しては、不正を働いていることが疑われる場合はもちろんのこと、正常な経営を行い、きちんと法人税を納めていても、一定の割合で入ることが考えられます。

税務調査において、役員報酬についての質問に及ぶことも多くあります。その場合、役員報酬の根拠となる規定のほか、その報酬の支払いを決議した証拠となる「株主総会議事録」が重要な意味を持ってきます。

役員報酬やその増減をきちんと株主総会にはかり、その内容が可決されたということを明記した議事録があれば、そのことについては株主が納得しているということになります。

この議事録が存在しない場合、役員報酬やその増減が否認される可能性もあります。その場合、役員報酬の経費算入が否認され、追徴課税が課せられることもありますので、議事録を残しておくことは重要です。

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役員報酬の変更は税務署の届出が必要?

役員報酬の変更が株主総会で正式に認められた場合、税務署に届出が必要でない場合と必要な場合とに分けることができます。

届出が必要ない場合

役員報酬の変更は事業年度の開始から3か月以内での変更であれば(株主総会決議等の要件が必要)届け出る必要はありません。

また、その事業年度中、役員の役職等の地位の変更によってやむを得ない事情があった場合は変更時期に制限は無く、税務署への届出の必要もありません。

届出が必要な場合

毎月定期的に払われることやその額が決まっている役員報酬(定期同額給与ともいう)については税務署への届出は必要ありませんが、その事業年度の途中で所定の時期のみ支給される給与については税務署への届出が必要となります。

この給与のことを事前確定届出給与といいます。この事前確定給与について、諸事情によりその金額が変更となったり、支払わないことが決まったときにも届出が必要となります。

役員報酬変更するための手順や変更できる時期のまとめ

企業等の経営に携わる役員は、非常に重要な役割を担っているため、いろいろな縛りを受けているのも現実です。実際、その報酬自体も簡単には変更できません。

役員報酬の変更やそのために必要な手続き等を理解し、役員自身や企業にとって不利益とならない役員報酬の変更につなげていきましょう。

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