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2018/01/09

シリア内戦とは?原因や理由、現状!イスラム国やアメリカとの関係は?

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シリア内戦とは?

2011年3月、中東地域の一国であるシリアで政府軍と反政府軍の戦闘が始まりました。この一連の紛争をシリア内戦と呼びます。シリアでは現在も戦闘が継続しており、子どもを含めて甚大な犠牲者が出ています。

今回はそんなシリア内戦について、内戦の原因や長期化している理由をアメリカやイスラム国との関りを踏まえながら、わかりやすくまとめていきたいと思います。

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シリア内戦の背景にあるアラブの春

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シリア内戦が勃発する前、北アフリカに位置するチュニジアで、独裁政権を打倒する民主化運動が起こりました。Facebook等のSNSによって、運動は瞬く間に民衆の間で広まり、組織的なデモ運動が行われていきました。

この運動の結果、チュニジアの大統領は国外へ亡命し、独裁体制が崩壊しました。この革命をジャスミン革命と言います。

独裁体制に不満をもった国民が政府を転覆したということで、この運動は周辺の独裁体制国家にも波及していきます。

例えば、エジプトでは30年以上にわたったムバラク大統領下による独裁政権が、民主化運動により崩壊しました。

またリビアでは、ガダフィ大佐による独裁政権が敷かれていましたが、こちらも国民の蜂起により42年間に及ぶ独裁体制が崩壊しました。

民主化に対する国民のエネルギーが、政権打倒に向けられ、独裁体制はことごとく崩壊していったのです。

逆に言えば、独裁政権は民衆の蜂起を抑え込むほどの力をもはや持っていなかったとも言えます。

アラブ地域で起こった。これら一連の民主化運動を総称してアラブの春と呼びます。

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シリア内戦の原因や理由

シリアでは、アサド大統領が率いるバアス党による独裁体制が敷かれています。厳密に言うと、アサド大統領の父が現在の政権基盤を作り上げ、それをアサド大統領が継承したのです。

ただ、他のアラブ諸国と事情が異なる点があります。それは、イスラム教の少数派であるアラウィ―派が多数派のスンニ派を掌握している点です。

アサド大統領は、自身は少数派のアラウィ―派に属しながら、その巧みな政治手腕によってスンニ派を統制し、バアス党の一党支配を実現しているのです。

そのような政治体制を、多数派であるスンニ派は快く思っていませんでした。少数派と多数派の対立がシリア内戦が勃発したひとつの原因と言えます。

やがて、アラブの春の流れがシリアにも波及してきます。最初はデモ運動による抗議が中心でしたが、徐々に武力を用いた手段へ移行していきました。

政府軍から離脱した兵士たちがアサド政権打倒を掲げて、自由シリア軍という民兵組織を結成します。徐々に戦闘はエスカレートしていき、シリア情勢は混迷を深めていきます。

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シリア内戦とイスラム国

シリア内戦は、当初「アサド政権vs反政府勢力」という二項対立で捉えられていました。しかし、反政府勢力として新たな勢力が台頭してきます。それはイスラム国です。

自由シリア軍は、同じスンニ派であるサウジアラビアから支援を受けていました。また、反アサド政権の先鋒ということでアメリカ、イギリスからも支援してもらっていました。

この潤沢な資金、豊富な武器をイスラム国は奪おうとしたのです。
その結果、反政府勢力内で、自由シリア軍vsイスラム国という構図が生まれました。

「敵の敵は味方」という考えがありますが、シリア内戦の場合、この考えが適用されることなく、まさしく三つ巴の戦いとなっていったのです。

イスラム国の勢力拡大を恐れた欧米諸国は、自由シリア軍の他に、クルド人勢力にも支援を行いました。クルド人勢力はシリア北部を実行支配しており、クルド人国家の樹立に向けてアサド政権、並びにイスラム国と争っています。

現在、イスラム国と地上戦を展開しているのは主にクルド人組織です。イラクでもイスラム国と戦っているクルド人にとって、もはやシリア国内でイスラム国と戦っているという感覚はないのかもしれません。

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シリア内戦に介入するアメリカとロシア

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シリア内戦が混迷を深めている要因として、シリア国外からの介入が挙げられます。その主たる例がアメリカロシアです。

アメリカは、友好国であるサウジアラビアとの関係や石油利権を巡って、シリアのアサド政権と対立しています。イスラム教の少数派と多数派の抗争という図式に、アメリカが介入してしまい、もはや宗派間の対立に収まらない戦いに変化していったのです。

アメリカの介入に対して、地理的にシリアに近いロシアがアサド政権を支援します。ソ連時代から、シリアとロシアの友好関係が続いています。シリアは中東の中でも数少ないロシアの友好国となっているのです。

ロシアはアサド政権に武器を供給したり、敵対勢力に空爆を行うなど積極的な介入を図っています。最新鋭の爆撃機を導入し、反政府勢力を一掃しているのです。

ただし、ロシアの攻撃はイスラム国にも及んでいます。イスラム国は反政府勢力にとっても敵であるので、この紛争がいかに複雑な構図となっているかが見て取れます。

冷戦中においても、アメリカとソ連が直接軍事衝突をすることはありませんでした。ただし、アメリカが支援する国とソ連が支援する国が戦争を行うということは多々ありました。

冷戦は終結しましたが、このシリア内戦において、再びアメリカとロシアの代理戦争が行われているといっても過言ではないでしょう。

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シリア内戦で苦しむ子供たち

シリア内戦によって、シリア国内で生活する民間人は甚大な被害を受けています。中でも、体力が大人と比べて劣る子供たちは日々の生活を送るだけでも命がけです。

空爆によって瓦礫の山となった街で、食料を求めて歩くのです。国連の人権団体が支援を行っている地域もありますが、全ての地域をカバーすることは到底できません。

医療施設も粗末なものとなり、怪我を負っても治療することができません。罪のない人々が戦闘に巻き込まれ、命を落としていく現実が目の前にあるのです。

戦闘によって自国を離れた人々も大勢います。隣国やヨーロッパへ難民として亡命せざるを得ない程、シリア国内は荒れ果ててしまっているのです。

シリアが平和な時代を迎えられる日は、まだ見えてきません。この内戦が終わるときは、シリアという国がなくなっている可能性もあります。そのとき、残された人々は国を失い、また新たな紛争の火種を生むことになるのです。

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シリア内戦の現状は?

現在、シリア内戦はイスラム国の勢力縮小という転換期を迎えています。

2017年10月に、イスラム国が支配していた北部のラッカという都市を明け渡し、11月には国内最後の拠点であった東部の街、デリゾールをアサド政権軍が奪還したのです。

イスラム国は、イラクと同様に自らの支配地域を狭めている状況です。ただし、アサド政権と反政府勢力の対立はいまだに続いています。

ラッカを奪還したのは、アメリカの支援を受けたクルド人部隊であり、アサド政権軍が奪還したわけではありません。アサド政権と反政府勢力の支配地域をめぐる抗争が今後予想されます。

もちろん、和平交渉に向けた動きも一部で見られますが、国内の勢力図の線引きは非常に困難なものであると言えるでしょう。

シリア内戦は、勃発当初の二項対立に舞い戻ったと言えるかもしれません。

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シリア内戦は今後どうなるのか?

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シリア内戦は、イスラム国の勢力が弱まったとはいえ、まだ根本的な解決には至っていません。アサド政権打倒を目指す反政府勢力にとって、政権が転覆しない限りは内戦を終えることはできないためです。

アサド政権にとっても、自らの政権をそう易々と明け渡すことは断じてないでしょう。この勢力争いにアメリカとロシアが加わり、事態は混迷を深めています。

他国が中東地域の紛争に介入する事例は、今までの歴史を振り返ると、何回も繰り返し行われてきたということが分かります。今回のシリア内戦が、また新たな対立の種となる可能性があるのです。

今後、シリア内戦が和平に向かうのか、それとも戦闘継続の道を進むのか、注視していく必要があると言えるでしょう。

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