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2018/01/05

アメリカの黒人の人種差別問題の歴史!現在の状況は?

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アメリカの人種差別問題

「サラダボウル」と呼ばれるほど多様な人種の人々が住んでいるアメリカですが、実はその陰では人種差別問題が古くから存在していました。今回はアメリカにおける人種差別の歴史や、黒人に対する人種差別の問題、そしてアメリカにおける人種差別問題の現在について見ていきます。

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アメリカの人種差別の歴史

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アメリカにおける人種差別問題の歴史は古く、現在のアメリカ合衆国の成立よりもさらにさかのぼった18世紀にまでさかのぼります。アメリカにおける最初の人種差別は、当時のアメリカ大陸に広く住んでいた先住民(アメリカ・インディアン:ネイティブアメリカンの大部分の人々)に対するものでした。

この時代にアメリカ大陸にはヨーロッパ各地から開拓移民がやってきており、彼らは先住民から土地を奪って彼らを追い出し、挙句の果てには奴隷にする者もいました。移民たちは先住民を非文明的な人々とみなしていたため、彼らを迫害・同化し、また差別もしていました。

加えて、アメリカの南部では多くの黒人奴隷を綿花畑などの労働で酷使し、白人よりも下の存在とみなしていました。1860年代の南北戦争のさなかに当時のリンカーン大統領奴隷解放宣言を行い、奴隷制は廃止されましたが、それにもかかわらずかつての奴隷やその子孫である黒人に対する差別は根強く残ることとなりました。

アメリカでの人種差別はこのほかにもカトリック系の人々やメキシコ系住民、アジア系の住民(日系人住民含む)などに対しても行われ、アメリカの歴史の暗い一面であるとさえいわれています。

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アメリカの人種差別とKKK

アメリカの歴史上さまざまな組織が形成されましたが、その中でもとりわけ人種差別と関連があり、かつ異彩を放っていたものとしてKKK(クー・クラックス・クラン)が挙げられます。

KKKが最初に発足したのは19世紀の南北戦争後のことで、当初は南部の退役軍人を中心に結成され、連邦政府の統治に反対する政治運動を展開していました。しかし、まもなく反奴隷解放の主張を持つようになり、全身白装束の格好黒人住民への嫌がらせや暴行を行うようになりました。そのため、まもなく連邦政府からテロリスト集団とみなされ、摘発の末に壊滅するに至りました。

このKKKは20世紀に入り第一次世界大戦にアメリカが参戦したことで、敵国であるドイツへの危機を煽る形で復活しました。そして、ドイツ系住民だけでなくユダヤ系住民や有色人種住民への迫害や暴行を繰り広げました。この頃のKKKの勢力拡大はすさまじく、ある州で構成員が州知事に選ばれたほどでした。まもなく、このKKKも保守系エリート層の反撃や指導者の不祥事で壊滅しました。

しかし、その後も第二次世界大戦後に復活し、かつてほどではないにせよ公民権運動の活動家を殺害するなどしたため逮捕されました。現在でも小規模ながら活動は続けられています。

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アメリカの人種差別と戦ったキング牧師

ワシントン

アメリカの人種差別の歴史を語るうえでどうしても欠かせない人物として1960年代の公民権運動の指導者であったキング牧師(マーティン・ルーサー・キング)が挙げられます。

彼が公民権運動と関わるようになったのは1955年のモンゴメリー・バス・ボイコット事件がきっかけでした。バスの中で白人に席を譲らなかった黒人を逮捕した警察への抗議運動を行い、これがきっかけで公民権運動は全土へと拡大していくこととなりました。その後もバス・ボイコットや座り込みといった行動を通じて運動を展開していくこととなりました。

公民権運動の取り組みの中で最も名高いのが1963年8月28日のワシントン大行進が挙げられます。奴隷解放宣言からちょうど100年のこの年を記念するということで企画されたこの集会の際にキング牧師は「I have a dream.」で始まる非常に有名なスピーチを行いました。msもなく、1964年には当時のリンドン・ジョンソン大統領が公民権法を制定し、これにより法的には人種差別は解消されました。

しかし、その後の公民権運動、特に黒人解放運動はその方法をめぐりいくつにも分裂します。それでもキング牧師は引き続き黒人の待遇改善を訴えて運動を継続しました。そして、1968年4月4日、テネシー州で遊説に赴いた際に白人男性に暗殺されました。

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アメリカ初の黒人大統領オバマと人種差別問題

オバマ

キング牧師が亡くなってからちょうど40年後の2008年、アメリカの政治史上初めての黒人大統領が誕生しました。彼の名はバラク・オバマで、黒人初の大統領ということもあって、彼の大統領就任は黒人住民だけでなく、その他の有色人種の住民などのアメリカ社会で*マイノリティとみなされる人々からも歓迎されました。

たしかにアメリカ史上初めての黒人の大統領が誕生したことは、これまで人種差別が少なくなかったアメリカ社会の歴史からすると1つの画期的な出来事であるといえます。そういう背景を受けての当選であったこともあってオバマ氏も公約の1つに移民制度の改革を掲げていました。

しかし、この移民制度改革の法案は数度提出されたにもかかわらず議会で可決されない事態となり、成果があったとは言い難い状況でした。また、オバマ氏の大統領就任以後、白人住民による黒人など有色人種への反発も強まっている状況で、アメリカにおける人種差別問題は今後とも予断を許さない状況となってきているのも事実です。

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アメリカの人種差別問題の現在は?

建国前より社会の中に根付いてきたアメリカの人種差別問題は、奴隷解放宣言や公民権運動、バラク・オバマ氏の大統領就任を通じて少しずつではありますが改善されてきてはいますが、今もなおアメリカ社会に根を張って暗い影を落としているといえます。

黒人をはじめとする白人以外の住民の生活や仕事での待遇や貧困、教育の改善も相変わらず進んでいるとはいえないうえ、白人住民の間でも彼らへの差別感情が高まってきているという状況も見られます。このため、アメリカにおける人種差別問題は長い歴史の視点で考えると、法的には改善されてきてはいるものの、現実として完全に克服するにはまだまだ時間が必要であるというのが現状です。

さらに、2017年からドナルド・トランプ政権が発足して以来、テレビでもトランプ政権による移民関係の政策(移民制限など)における問題がよく取りざたされるようになってきているように、政権レベルにおいても人種差別問題をより深刻化させかねない状況となってきており、今後とも目が離せないというのが現状です。

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アメリカの黒人の人種差別問題の歴史!現在の状況は?のまとめ

アメリカの歴史の中で人種差別問題は合衆国の建国前から根深く存在し、建国後も常にアメリカ社会に日常的に存在する問題であり続けました。特に過去に奴隷として扱われた黒人への差別問題はアメリカ社会の歴史の中でも常に大きな存在感のあるものでした。

奴隷解放宣言や公民権法、そしてバラク・オバマ氏の大統領就任というようにアメリカの黒人住民は少しずつですが着実に政治的・社会的に受け入れられるようになってきてはいます。たしかに法的には彼らへの差別はなくなりましたが、現実社会の中では今でも根強く残っています。そして、それを克服していくことは今もなおアメリカ社会にとっての重要な課題であり続けています。

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