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2018/01/19

大学教育における2018年問題!原因は?困るのは誰?

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「2018年問題」とは

「2018年問題」は、日本の少子化により18歳人口が減少し、大学が定員割れを起こす危機的な状況となる年でもあります。

このような状況に至った原因や大学の淘汰、困る大学の動きなどを解説いたします。

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大学教育の2018年問題の概要

大学進学資格者1992年に205万人、2009年以降は120万人に減少

大学関係者にとって重大な問題となる「2018年問題」は、日本の少子化により大学が再編、廃校に追い込まれる事態にも発展する問題です。

大学への進学資格者数は、1992年の205万人をピークとしてその後は減少傾向にあり、2009年以降は約120万人程度で推移してきましたが、2018年度以降、再度減少傾向に陥ることとなります。

学生の定員割れで大学再編、廃校も

日本の少子化は深刻であり、2016年の出生率はついに100万人を割り、現在の出生率が続けば国立や公立、私立の大学約700校の入学定員数を1,000人と算出した場合、2031年には約100校が再編、廃校に追い込まれると予測されています。

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これは、大学関係の教授、指導員や事務員、周辺の小売業や飲食業などにも大きな経済的影響を与えることになり、安倍政権は、2019年10月の消費増税分を社会保障費に充当させる公約を掲げましたが、急遽、一部を少子化対策に予算を配分するなど深刻な状況です。

18歳人口が伸びていた1991年には大学の創設基準が大幅に緩和され、大学も増加しましたが、少子化とともに現在も大学運営は厳しいとされる私立大学にっては死活問題でもあり、ブランド力のない大学では学生不足が致命的となることが「2018年問題」と言われる由縁です。

2017年5月に、文部科学省の「私立大学などの振興に関わる検討会」の報告が公表され、廃校に追い込まれる大学について「適切な経営判断ができるよう支援する」との意思が示され、同省から廃校を促す可能性も示されました。

一般的に大学運営に関し、採算ラインとして学生数は定員数の約8割とされており、これ未満の大学は約120校あり、少子化がさらに進めば大学運営に大きく影響することは避けられなくなっています。

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大学教育の2018年問題の原因

原因①:経済的な問題?「結婚しない、子は作らない、晩婚化」

大学の2018年問題の原因として、これまで大学進学資格者は横ばいで推移してきましたが「2018年問題」は、この年から大学進学資格者が減少することが考えられ、これまで地方の大学では問題視されていましたが都市部の大学においても存続が危ぶまれる方向にあるとされています。

この原因は、経済的にも「結婚しない、できない」、「晩婚化」、「結婚しても子はつくらない」といった現状の意見が多く、所得格差などにもよる少子化が大きくあると考えられます。

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夫となる男性は、雇用の不安定性や、家庭を持っても企業に尽くすことが一般的とされ、家族との時間を取りにくい状況にもあり、女性も家庭、子育てと仕事の両立などの難しさが、生活パターンの常識のように捉えられるようになった要因とも言えます。

原因②:大学での教育は社会に生かされているのか

大学において専門分野を学び社会へ出て企業に貢献するのが大学本来の目的ではありますが、バブル崩壊後は、大学そのものの教育が魅力的でないことや、学生に対し教育が十分に伝わっていないということも考えられます。

大学にとっては、学生を集めるため学部を増やしたり、独特な入試制を導入したりと試行錯誤ですが、その効果は現実的に現在の社会においては生かされてはいないでしょう。

大学において「何を教育」し、「何を学び」、社会に出て「どのように役立てる」かとの目的が、これまでの学歴社会を維持させたとも言え、安倍政権が訴える「働き方改革」においては、学歴より実績、経験を重視した学生を教育する方針とも言えます。

原因③:文科省からの助成金供給の否かで大学館格差が生じる実態

大学での学生の定員割れが生じると、文部科学省から補助金が大幅に削減され、新たな学部や施設を充実させ魅力的な大学へは遠のき、人気がさらに低下します。

一方、同省はスーパーーグローバル大学の指定によって、10年で13大学に上限43億円、24大学に17億円ずつ補助金が支給され、この資金を元に魅力ある大学へブランド力を高めることができ、学生からの入校希望者が増えてきます。

「2018年問題」は、大学にとっては数少ない大学進学資格者を魅力的な大学へ導き、大学館での格差が生じる年となりえ、学生獲得の最大の施策である都心回帰も明治大学や青山学院大学、中央大学、東洋大学などで移転が決定しています。

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2018年問題で大学は淘汰される?

日本の少子化問題はここ数年で話題になったものでなく、それ以前から18歳人口が減少する時代もありました。その時代には、学歴社会であり大学への進学率が上昇したため大学運営は成り立っていました。

また、団塊の世代ジュニアが高校卒業時に、文部科学省が浪人生を増やさないように大学の定員増員を承認し、受験バブル期とも言われ、この蓄えもあり現在でも大学は廃校せず運営しているのが現状です。

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ただ「2018年問題」は深刻で、この年より18歳人口が減少し始め大学運営には非常に厳しい状況となるのが予測され、少子化問題が現実に浮き織りになると思われ、地方のみならず都心の大学でも淘汰される可能性は高まっています。

2018年の大学卒業者の就職内定者は、企業の人手不足も影響し文部科学省と厚生労働省では2017年12月1日現在で86.0%と1997年の調査開始以降、過去最高を更新しました。大学ほか短期大学、高等専門学校を含めると就職率は85.6%と、就職氷河期と真逆の結果となりました。

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2018年問題で困る大学って?

18歳人口が減少することによって学生にとってはライバルが少なくなり、難関の大学もハードルが低くなることになります。

受験生にとってはブランドがある大学を選ぶ傾向が一般的で、選択された大学側は、知名度のない大学などに志願者が減るという利点もあります。

そこで困るのは、ブランド力もなく知名度のない大学であり、少ない18歳人口をいかに入学されるかが問われることになり、18歳人口の減少は大学の二極化を進めることが予測されます。

このため、少ない18歳人口を魅力ある大学へ改革するためには、経済界で求められるグローバル的な学部や看護・介護など新たに創部する必要も出て、受験しやすい環境も整える必要も出てきます。

文部科学相は、「改革を求めない大学は国立でも潰れる」と発言。地元などでの就職も視野に入れ、地域特性に合わせた学部再編も必要となります。

同様に18歳人口が減少する上で選ばなければ大学入学は可能であり、予備校などの存在も縮小し、淘汰が予測されます。

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2018年問題に向けての各大学の動き

動き①:地域密着型への教育

「2018年問題」は、18歳人口の減少を見据え、大学側では生き残りをかけ、様々な取り組みを模索していますが、文部科学省でも支援に乗り出しており官民協力体制を整えています。

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この取り組みの中でも特徴となっているのは地域密着型であり、安倍政権の「地方創生」にも繫るなど、同省は経費補助予算で2017年は198校のうち、40校を選択しました。

北海道では、北海道科学大学が寒冷地域での超高齢化に向けた技術の向上と普及に取り組み。新潟工科大学は、地域の強風に着目し、シミュレーション技術で風の問題解決と人材育成を目指し、大学卒業後は地域貢献を目指して欲しいという願望があります。

一方、瀬戸内海近辺の福山大学では、沿岸の生態系にこれまで不明である多面機能を解明する教育を掲げ、学生を募るなど、各々地域のニーズを組み込んだ教育を推奨しています。

動き②:首都圏大学では小学生から大学キャンパスライフ体験

首都圏では、早稲田大学が小学生を対象に大学キャンパス、施設、雰囲気を体験してもらえるようにイベントを定期的に開催しており、参加希望の小学生は定員70名を超え、科学の実験などを体験してもらい思い出作りに力を入れています。

一方、慶應大学では、大学院生が考案・企画した「子どもサマースクール」を開催しており、約150人の参加者はアナウンサーに挑戦したり、翻訳家について体験するなどの授業を受け、「将来の夢を描く気になれば」と主催者、参加者は大満足とのことでした。

山梨学院大学では、2015年に「国際リベラルアーツ学部」を創設し、グローバル教育で知名度が高い国際教養大学から教職員を派遣してもらい、英語での高いレベルの授業が実施されています。

「2018年問題」を見据え、学生自らが大学での授業の体験やキャンパスライフを実感してもらうためのイベントを開催、グローバル化に向けた教育など学生集約に必死です。

動き③:入学後の教育の充実が重要

大学受験には自信を持つ河合塾では、今後多くの大学で定員割れを防ぐため入り口を広げ集約するよりも、入学後の教育が重要となると言います。

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学生は、入学後にコミュニケーション力や思考力、判断力など高度化する教育を、どの程度受けられるかが問われてくると指摘。大学3年〜4年で実施するゼミ授業などを1年時から導入する事が必要と指摘しています。

学生側でも、意識の改革が必要であり、受験生は評価の高い大学や学部を選択する傾向があるため、大学側では少子化に向け大学を選ぶのでなく、入学を希望する学生を選択するようになり、学生側も意識を持って大学を選ぶべきと言います。

少子化によって近い将来、学生の減少により大学存続のため授業料高騰も予測されますが、教育費が増加することにより学生自身が将来の自身を考えることも必要です。

大学卒業後には、国の「働き方改革」が迫っており、社会へ出て、「何ができるのか」、「何を貢献できるか」を学生も真剣に考える時代です。

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大学教育における2018年問題!原因は?困るのは誰?のまとめ

「2018年問題」は、急速する少子化により、すでに定員割れする大学も出てきており、この対策に大学側も卒業後の社会に対応できるグローバル関連の新学部の創部や施設などが必要不可欠となっってきています。

バブル期には大学はキャンパスライフを楽しむ場とも象徴されましたが、グローバル化やIT(Information Technology:情報技術)化、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)の導入など社会環境は大きく変化しており企業は、「即戦力」が必要な時代。大学、学生ともこの時代を生き残るための努力は欠かせません。

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