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2017/05/27

一家の大黒柱から「専業主夫」になりたいと決めたら行いたい手続きと知っておきたい知識

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目次

「専業主夫」になろうと決めたら

メディアなどで「イクメン」という言葉を見ることが多いのですが、正直に言って筆者は「イクメン」という言葉が嫌いです。家族において誰が仕事をして安定的な収入を得て、誰が家事をして子どもを守るかはその家族それぞれが決めればいいこと。イクメンという言葉には、男性のなかで育児をする人が特別という印象を持ちます。もう少し育児や家事をする男性が当たり前になるといいのだけどな、などと考えながらいつもニュースを見ていました。

それでも、イクメンという言葉が浸透するだけ世の中は変わってきている、とも言えます。5年後、10年後には、「主夫」という言葉が何の特別感も持たないようになるかもしれません。ただ、現段階からするとまだまだ時間がかかりそうな予感も。そんな現在、一家の大黒柱で安定していた人が家族内でしっかりと話し合って、「主夫」になろうと決めたなら。どのような知識を身につけて、どのような手続きをとればいいのでしょうか。

<下に続く>

「専業主夫」になろうと決めたら行いたい手続き

第3号被保険者への変更(厚生年金保険、健康保険)

まずは公的な社会保障制度から。それまで会社員として働いていた男性は、第2号被保険者として社会保険料を支払っています。今後は安定的な収入が見込めないため、第3号被保険者として変更手続きをする必要があります。それをしないと、自営業や無職の人が対象となる第1号被保険者として国民年金保険料や国民健康保険の保険料を支払わなければなりません。

なかには「自分は収入もないし、保険料を払えないのなら払わなくていい」という人や、第2号として失効をしていることに気がつけない人もいます。これには注意。第3号被保険者となることで、所定の状態になったときに障害年金を受け取る権利が生じます。被保険者の手続きを完了していないことで、貰えるはずの年金が貰えない、なんてことも。

なお、第3号被保険者が障害年金を受け取り、育児のあいだでパート勤務などをしたとしましょう。その場合、「障害年金の保険料と給料の合算が年収130万円を超えた」という場合、第3号被保険者の資格を喪失し第1号被保険者になります。すると国民年金の保険料納付義務が生じるため、注意するようにしましょう。

生命保険の保険契約者変更

手続きが必要なのは公的な保険制度だけではありません。民間の生命保険の手続変更も大切です。主夫になることを想定していない場合、保険契約者は意識せずにご主人としている場合が多いでしょう。医療保険でカバーできる病気やケガは、やはり「働いている人」に襲い掛かる確率が高いです。働き手が奥様ならば医療保険に追加で加入することをお勧めしますが、保険料の負担が気になる場合は男性は医療保険を解約するというのも家計を見直す方法のひとつです。

ただ、家事や育児を労働に直すと、時給1,000円ではまったく足りないという指摘もあります。もしもの場合に対しては同じく、医療保険の保障内としなければなりません。両者の医療保険加入は継続しつつ、保障内容に差をつけることで保険料を削減する方法もお勧めします。

父親コミュニティを探そう

主夫が市民権を得てきたとはいえ、まだまだコミュニティとしては小さなもの。かつ保育園などの保育園コミュニティにはなかなか入れない、ということもあるでしょう。その時、頼りになるのは同じ環境のパパたちです。いまはSNSなどインターネットを活用すればコミュニティは見つけやすくなっています。信頼できる相談相手がいれば、一人だとわからないもも、なかなか勤務中の配偶者には聞けない育児の悩みと孤独感も回避することができるでしょう。

もし父親コミュニティが近くにない場合も不安になる必要はありません。今後の時代の流れで次々と誕生してくる可能性が高いうえ、実際に顔を合わせなくてもインターネット上のサロン型コミュニティも充実してきます。行動力のある人は、自分で作るのもひとつの方法です。いずれにしろ、同じ環境の人と距離を近くすることは「安心感」にも繋がります。

退職金は「使っていいお金」ではない

最後はお金について。それまで働いてきて主夫になるとき、退職金という形でまとまったお金を受け取ることもあるでしょう。ですが、これは使ってもいいお金ではありません。会社員生活を続けていたら60歳になってから受け取ったはずのお金。当然「老後資金」です。普段生活費を入れる銀行口座とは別口にして管理するようにしましょう。

考え方を変えると、これは「使えないお金」なのではなく資産運用のチャンスです。ちょうど来年2018年から「積立NISA」が開始します。NISAとは少額投資非課税制度のことで、NISA専用の口座を作ると配当金のかかる所得税は非課税となります。年40万のため退職金すべてを、とはいきませんが、賢く活用するようにしましょう。

このように「主夫」になろうと決めたとき、様々な動きがあります。知っておきたい知識もたくさんあります。ただ、主夫になった「最初から」すべてを網羅する必要はありません。行政や育児の応援サイト、コミュニティを活用して家族のライフプランを整備していくようにしましょう。

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FP-MYS代表取締役社長兼CEO。 ファイナンシャルプランニング(FP)を通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。 Fintechベンチャー集積拠点FINOLAB(フィノラボ)入居。執筆実績多数。
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