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2018/03/01

ブレグジットとは?日本や世界への影響は?背景や現状、今後!

ブレグジットの意味はイギリスのEU脱退ということです。なぜこのようなことが起こったのか、背景やブレグジットがいつ意味を持つようになるか、ということと、ブレグジットによるメリットとデメリットを説明します。最後に、ブレグジットが世界や日本に与える影響を解説することにします。

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目次

ブレグジットが為替や株価にもたらす影響がどの程度のものになるか、世界中で話題となっています。
ブレグジットという言葉の意味や由来なども含め、どのようにして国民投票に至ったのかの経緯、交渉はどの程度進んでいるのか、一体ブレグジットの時期はいつ頃になるのかなど解説します。

ブレグジットとは?意味は?

ブレグジットとは、イギリスのEU離脱問題のことを指して言います。
2016年6月に是非を問う国民投票が行われました。

これ以前にも実はEUから離脱するのでは取り沙汰された国がありました。
それが2012年頃のギリシャです。

これは財政難が問題だったのですが、GreeceつまりギリシャがEUからExit(退出)するとのことから「Grexit(グレグジット」」という言葉も生まれたほどでした。
これにならってブレグジット言葉が誕生したと言われています。

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ブレグジットは?いつの出来事?

ブレグジットとは、英国のEUからの離脱を縮めた表現として使われるようになった造語です。

ブレグジットは、2016年に実施された国民投票の結果、離脱派が残留派を僅差で上回ったことに由来して、英国がEUからの離脱を決めたことに由来する言葉です。

しかしブレグジットは、既に完了した事象ではありません。

EUから加盟国が離脱するには、リスボン条約第50条というものを発動させなければなりません。しかもその50条を発動した後に、互いに離脱の条件を煮詰めるために、2年間の交渉期間を経なくてはならないというルールが定められているのです。条件の交渉期間はEU加盟国全28カ国が合意した場合、延長も可能になります。

2018年現在、英国はEUと条件を交渉中です。

英国のメイ首相は2017年3月29日にリスボン条約第50条を発動しました。したがって、英国がECを正式に離脱してブレグジットが完了するのは2019年3月29日か、場合によってはそれ以降ということになります。

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ブレグジットの由来・語源

上で既にご紹介した感がありますが、ブレグジッとは造語です。
「Britain+Exit=Brexit」です。つまり、イギリス(Britain)がEUから離脱(Exit)する問題のことを意味します。

当時は国内外でもブレグジットなど国民が賛成するはずがないとの見方が大勢を占めていました。

しかし、国民投票の結果、有効投票数の52%がEU離脱支持に回って、僅差ではあるものの離脱派が勝利となりました。
投票率が72%だったことや、いい加減な気持ちで投票してしまったなどの国民の声もあり、のちにブリグレットという言葉まで生まれてしまいました。(Britain+Reglet=Bregletです。Regletは後悔という意味です。)

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ブレグジットの原因・理由

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ブレグジットの原因は、突き詰めればイギリス国民の中に広がる不安、これに尽きると思います。

アメリカでは大統領選挙でトランプ候補が快進撃を続ける中、内向き志向の流れが顕著になった2016年でもありました。

アメリカではトランプ大統領候補が「移民がアメリカ国民の仕事を奪っている」と主張して回り、イギリスではEU離脱派が同じように「移民がイギリス国民の仕事を奪っている」と触れ回りました。

ヨーロッパではテロも相次いでおり、国民の間に不安が広がる中、移民問題に対する怒りや不安がついに爆発した結果だったと言えるでしょう。

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ブレグジットに至るまでの経緯

まず簡単な年表を紹介します。

1993年 EU発足
1999年 ユーロ導入
2002年 ユーロ流通始まる(イギリスはユーロ導入せず)

2007年 リスボン条約(EU憲法が批准されなかったためそれに代わる改革条約として首脳たちが調印)
2009年リスボン条約が発効される

2010年 キャメロンが首相就任
2013年 キャメロンがイギリスのEU残留か離脱かを問う国民投票を行うと発表
2014年 イギリスからのスコットランド独立か残留かを問う住民投票(独立ならず)

2015年 キャメロン率いる保守党が総選挙で過半数の議席を獲得
2016年 国民投票実施

このようにして、決められない政権、キャメロン政権が大事な国の行く末を国民投票に賭けるという、無責任な逃げの姿勢から打って出た賭けにまさかの敗北。ブレグジットに、つまりイギリスのEU離脱にいたるというのが経緯です。

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ブレグジットの背景

背景①:経済面

EUは、経済的にヨーロッパの国々が一種独特な協力関係を築いてきました。
しかし、ギリシャの財政破たんで、何も悪くない他のEU加盟国にまでその影響が出てしまいました。(ユーロ危機)

上に年表を挙げて紹介をしましたが、そもそもイギリスは発足当時からヨーロッパを統合するような動き、つまりEUにはもろ手を挙げて賛成の立場ではなかったのです。
そのため独自通貨ポンドを守り、ユーロは導入しませんでした。

ユーロを導入していなかったイギリスは、実はユーロ危機の影響は他のユーロ導入国に比べて小さかったといいます。

それでもイギリスは、EU加盟国として分担金を負担させられ、EUの統合通貨であるユーロの信用を守る、或いは信任を担うという役割を負わされました。

再びギリシャのように財政破たんや問題を起こす国が出てきたら、多額の分担金など大きな負担をたびたび要求されるのではないかと心配になったわけです。

こういった話を聞くと、EU離脱したくなる気持ちは分かります。

背景②:移民の問題

EUでは「難民の受け入れを拒否できない」と決められており、難民だけでなく移民についても、特段の理由でもないとこれも拒否することができません。

イギリスはEUから、この決まりをしっかり守って移民を受け入れるよう度々注意を受けてきました。

イギリスは島国ということもあり、色々な移民の制限を簡単におこなうことができていたのです。

アメリカ大統領選まっただなかで「私たちは移民に仕事を奪われている」という主張やキャンペーンはどんどん広がるばかりで、イギリスはEUから離脱するべきだとの立場が多数になっていきました。

背景③:コスト面

EUに加盟し続けることによって、年間で約190億ポンド以上もの経費が掛かっているのだと離脱派は主張していました。

これがなくなれば、もっと国は医療や福祉、教育や少子化対策など、色々な分野にお金が回せるではないかと声を挙げたのです。

しかしながら、政治家が出してくる数字のマジックには気を付けなければいけません。
この190億という数字も、実はEUから返還されるお金など、主張に不利になる数字は徹底的に省いたうえで計算されたものであると反対派は指摘しました。

また、190億くらいの額はなにもEU離脱しなくても、積極財政に政策転換することでなんとでもなるものだとも反対派は主張しています。

こういった大きな決定の時には、立場や政党によって、色々と真反対の意見が繰り広げられることになります。

背景④:国民投票

国民投票にかけるというのは、政治家として「逃げ」だと思います。
こんな大事なことを決めるにあたって、政治家に任命された人達がしっかりと議会で議論して結論を出すことから逃げ出し、国民に丸投げしたということです。

非常に幼稚な政治だと思います。その未成熟な政治によって国民投票という方法が選ばれたことで、ブレグジットに至るわけです。

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ブレグジットの世界への影響

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影響①:世界の中枢マーケットが移り変わる

これまで世界の取引市場は、ニューヨーク・上海・ロンドン、この3都市を中心のマーケットとして回っていました。

時差などをうまく利用して、この3都市間を中心に回すことによって、世界のマーケットは24時間いつでも取引が可能となっていたわけです。

そのため、世界各国の大手金融機関はロンドンの特にシティと呼ばれる地域に拠点を現状置いているわけです。

イギリス・ロンドンに拠点を置いている金融機関はEU加盟国の中であれば許認可を求められることもなく、これまでビジネス展開が自由にできていました。

しかし、ブレグジットとなると話は別です。
ロンドンシティの存在感低下は免れないでしょう。

シティに拠点を置いていてもEUに展開できないと判断した金融機関は次々に大陸(ドイツやフランス)へ移転をすることになるでしょう。

これにより、シティだけで10万人もの失業者が出るという試算も出ているほどです。(この話に限っては、世界への影響というよりは、イギリス国内の影響の話になりますが。)

影響②:世界経済の失速

世界中の人が最も恐れているのが、ブレグジットによって引き起こされる世界経済の失速です。
IMF・国際通貨基金は、ブレグジットの影響として2017年の世界の経済成長予測を0.1%下方修正しました。

イギリス自体は、ブレグジットが決定した後も経済は驚くほど安定していて、株価も好調で、雇用面、消費活動、製造業生産指数、不動産価格、あらゆる面において世界でも有数の景気の良い国なんです。

しかし、長期的な視点に立つと、イギリスやヨーロッパ全体に対しての投資が失われることになるだろうと懸念されています。

経済予想というのは、えてして外れるものですが、やはり最も影響が気になるところですね。

影響③:自国第一主義の伝播

イギリスでのブレグジット決定後、今度はアメリカでのトランプ大統領誕生と、自国第一主義の流れが世界に伝播してしまうのではないかと、政治の専門家たちは危惧していました。
更なるEU脱退国が現れることによる混乱も避けられないとの予想も経ちました。

アメリカ大統領選の後、オランダやフランスでも国政選挙が行われることになっていたことから、極右政党が台頭するのではないかと思われていました。

結果的にはオランダの選挙では右派政党が大失速、フランスも極右政党・国民戦線のルペンが一躍有名にはなりましたが、こちらも結局のところは中道左派のマクロンに敗れました。

EU離脱の流れは止められたように見えましたが、ヨーロッパではスペインからのカタルーニャ独立運動など、内向き志向の流れは引き続き続いているようです。

影響④財政難で軍事的存在感の希薄化が進む

今後英国の軍事的な存在感が大きくなる可能性も皆無ではありません。EU離脱派の勝利で、EUに縛られていた状況から解放されて、英国は自由に軍備拡張を行うことができるようになるからです。

しかし、残念ながら英国のEUからの離脱に伴い経済成長率が落ち込み、軍事費も削減されて、英国の軍事的プレゼンスが国際社会から薄れてしまう、という可能性の方が大きいようです。

ブレグジットで財政が悪化すれば、中東やアジア地域での英国の軍隊の活動は縮小をせざるを得ないかもしれません。

1960年代後半と同様に、英軍のこれらの地域に存在感の低下が、世界的な軍事バランスの変化につながる可能性もあり得ます。

影響⑤在英外国人の市民権問題

経済的な影響以外にも、ブレグジットによって英国に住むEU加盟国の国民が「定住資格」や「市民権」を以前のように取得することが難しくなっている、という問題が起きています。

テリーザ・メイ首相は、6月に開かれたEU首脳会談で「英国に住むEU市民の在住権は保護する。家族どうしが離れることはない。」とはっきり言いました。しかし、EC加盟国の首脳たちの反応は、必ずしも好ましいものではありませんでした。

欧州連合法によるとEU市民とその子供たちは、特別な定住資格を申請する必要しないでも英国で合法的に暮らす権利を有しています。

しかしブレグジット後の動きは不安定です。ブレグジットは東ヨーロッパなどからの出稼ぎ移民に概して冷淡で、当事者たちを不安にさせているのも事実です。

一方、これとは反対の事態も起こっています。ドイツ連邦統計局によると、2016年ドイツで市民権を取得した英国人の数は、2865人で前年比361%増の過去最高という結果になったそうです。EU加盟国に住んでいる英国人が、自分自身の身分が不安定になることを恐れた結果です。

現時点ではブレグジットの未来は予測できませんが、現在の生活が急激に変化しないことを、在英EU市民たち及び在EU英国市民たちは、望んでいるようです。

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ブレグジットの日本への影響

影響①:ヨーロッパ戦略の見直し

ブレグジットによって、日本は、そして日本の企業は戦略の見直しを迫られます。
多くの日本企業は、イギリスをヨーロッパへ通じる出入り口という扱いとして位置付けていたからです。

イギリスへ大幅な投資を行っていた日本企業は、長期的な視野に立って他のEU加盟国への投資へと踏み切ることも考えなければならなくなります。

ブレグジットによって、円高圧力がかかるようになれば為替差損によって利益率にも大きな影響が出るでしょうから、日本企業側から見ると輸出コストが大幅に増えたり、イギリスやヨーロッパへの事業自体も見直しを迫られたりすることになるでしょう。

影響②:(日本企業の)ヨーロッパにおける拠点

上記の戦略の見直しの中に含まれることかとは思いますが、日本企業はヨーロッパでの拠点の見直しが必要になるでしょう。

日本企業には、これまでイギリスをヨーロッパへのゲートウェーとしてきた企業が多いので、影響は少なからずあるでしょう。

文字通り、こういった企業にとってイギリスはEUという大変大きな市場への足掛かりとなっていたわけです。

現在イギリスに進出している日本企業としては、大手自動車メーカー各社や、大手電機メーカー各社など、1,000社を超えるだろうと言われています。
日本経済に深刻な問題にならないか大変心配です。

影響③:サプライヤーの見直し

ヨーロッパにおける拠点の見直しももちろんのことですが、合わせてサプライヤーの見直しも必要になってくることでしょう。

製造業の面で特にイギリスへ日本は進出している場合多いです。
上で挙げましたように、1,000社を超える日本からの進出企業の中でも特に自動車業界など、関税の影響をもろに受ける大企業は見直し必須でしょう。

影響④:人材

最後に人材の面です。
ブレグジットによって、人材の管理もややこしくなってくるのが企業にとって頭の痛い所です。

EU加盟国とイギリスとの間をまたいでの人材登用の場合に、その異動プロセスをどうするのかが問題になってきます。

EU加盟中は自由に行き来することが可能だったものが、ブレグジットによってEU立ち上げ以前の元来の国家間異動の手続きが必要になることは必須で、その分手間がかかることは避けられないでしょう。

このことは、大人気のサッカーリーグ・プレミアリーグの選手獲得や起用に関しても問題が及んでくるということで、スポーツ界でも非常に注目されている「人材」の問題です。

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ブレグジットによるメリット・デメリット

メリット

経済面のメリット

以前からEU離脱派は、EUに加盟しいていると毎年巨額の費用が余計にかかってしまうことを、主張してきました。

この余分な費用は、本来なら医療や教育にあてることが可能であったものである、とEU離脱派は主張しているわけです。

しかも英国は曲がりなりにも経済大国です。ひとたびユーロ危機のような大きな経済危機が発生すると、支援のための財政的な負担を要求される可能性もあります。

そのためブレグジットによって、定期的にEUから要求されるコストだけでなく、EUの経済的非常事態に多額の負担を強いられる可能性がなくなることは、英国にとって大きなメリットであるといえます。

移民問題に関するメリット

これまで英国には、シリアなどの諸外国から移民や難民が大量に押し寄せてきている状況が続いていました。

そのため英国では、国内法で移民を保護したり、逆にさまざまな制限を課したりしてきましたが、主に欧州議会から、これがEUの法令に違反しているといった批判がなされてきました。

さらに英国民のなかで、失業者を中心に「移民に不当に職を奪われている」と主張する人が増えてきました。

ブレグジットにより英国ではこのような矛盾を解消するため、移民問題に対して独自政策をとることが可能になります。

デメリット

企業や工場の海外流出と失業者の増加

英国はEU諸国の代表的立場にあるので、多くの海外企業が進出しています。

EUから正式に離脱することが決定すれば、EU諸国との間の関税などのメリットが薄れてしまい、企業や工場が海外に移転してしまう可能性があります。

経済の中心地としての英国の人気も低下してしまいます。たくさんの企業や工場が海外に移転してしまえば失業者の増加も見込まれます。

しかしその一方で、たとえ英国がEU加盟国ではなくなってしまっても、双方がすみやかに経済協力協定を結ぶことができれば、そういった危機は訪れないだろうという意見もあります。

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ブレグジットの現状は?

現在、ブレグジットにあたっては様々な面で交渉の最中です。
全くと言っていいほど何も決まっていません。

現在イギリスは、実に都合の良い作戦を立てていて、形だけはEUから出ていくものの、実質は先送りというウルトラCを決め込もうとしています。

離脱派が勝利して2年近くがたとうとしている中、ブレグジットを本当に実行するかどうかさえ全くはっきりせず、2021年まで現状維持をしようという提案を出しているほどブレブレなのです。

ソフトランディングの方法を探っているとの報道もありますが、ランディング自体するのかどうかも分からず、国民投票に打って出た時にも思いましたが、イギリスもどこかの国と同じ「決められない政治」なのだなと痛感します。

<下に続く>

今後ブレグジットはどうなる?

ブレグジットについてはまだ何も決まっていない状態で、これから諸々の交渉が始まります。
最も大きな争点となるのは、やはり貿易の面でしょうが、与野党意見が対立しています。

現在の関税同盟はEUへの輸入品の一部に同じ関税を課していますが、貿易協定はEUが交渉しています。

野党である労働党党首は、イギリスは離脱後もEUの関税同盟には留まるべきであると主張しています。

労働党はEUとの関税の取り決めを事実上今後もずっと変えたくない考えです。
これは与党の政府方針とは違います。がしかし、イギリス経済界はそう強く要望しているのです。

多くの雇用が黒海や英仏海峡を挟んだEUとの貿易に依存しているのが現状です。
そうした雇用を守らないといけない。人の行き来についても交渉が必要です。

EUとの間に障壁を生まないようにし、イギリスにはなんとかソフトランディングの方法を探ってほしいものです。

<下に続く>

ブレグジットが与えうる影響をしっかり抑えておこう

ブレグジットは大変残念な決定事項だといわれますが、イギリス国民が示した意思表示なわけで、その気持ちはもちろん尊重されるべきです。

この国民投票の結果から、EUにもやはり色々な問題点があったのだと真摯に受け止めて改善していくことももちろん必要でしょう。

イギリスとEUとが、お互い納得のいくように、お互いの主張を尊重し合いながら妥協点を見つけて、影響の小さくなるようなソフトランディングの方法を模索してほしいものです。

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