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2018/04/12

議員年金とは?議員年金が廃止された理由は?復活の噂はなぜ?

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目次

議員年金の仕組みや廃止理由等を説明し、議員年金制度についての概要を見て行きながら今後の見通しについて解説して行きます。

過去に国会議員や地方議員が辞職後に受け取れた議員年金ですが、2006年に廃止されました。その理由は国民年金の受給額との差がおかしいと世論が厳しく指摘したからです。そんな議員年金が復活するという話が出ています。今回は議員年金は何なのか、また何歳から受給でき、なぜ廃止に至ったのかを見て行きます。

議員年金とは?

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まず議員年金とは何かについて解説して行きます。議員年金は「衆・参議員の議員」および「地方議会の議員」が辞職後に受け取ることができる年金を指しており、1961年に閣議決定後から2006年まで続けられていました。

国会議員互助年金の条件を見て行きますと、「議員在職10年間年間掛金126.6万円」の条件を満たす必要があり、辞職後は「最低で年412万円」の年金を受け取ることができました。

また10年以上在職の場合は「年金額が年で約8万円」増えて行く計算になります。その他10年以内に議員でなくなった場合でも、3年以上議員を務めていた場合は「掛金の8割」が戻ってくる形になっています。

現在は国民年金制度が変わっていますが、当時は国民年金は「25年以上加入」が必要であったため、条件面で優遇されているのがわかります。

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議員年金が廃止された時期と理由

非常に優遇された議員年金ですが現在では廃止されています。そこで廃止された時期と理由について見て行きます。

時期

国会議員の年金であった「国会議員互助年金」は2006年4月1日を持って廃止となりました。当時の第3次小泉政権において可決されました。

また地方議会議員の年金であった「地方議会議員年金」は2011年6月1日を持って廃止となりました。当時の民主党政権下で可決されました。

議員年金廃止の理由① 議員の職権濫用であるという世論

国会議員の仕事は「国の法律を決めること」であり、議員年金についても「法律に基づいた制度」であるため、自分たちのことを自分たちが思うように決めることができるわけです。

議員という仕事は半永続的に続けることができず、選挙が必ず伴います。従って安定した仕事ではないという考えから、議員を辞めた後に「互助」しあう目的で1961年に施行されました。

実際に議員年金の制度は非常に整っていた訳で、自分たちの都合の良いように「国会議員が自ら法案を作っていた」ということが容易にわかります。

世論としてはこのような「職権濫用」の法案を放って置くことはできるはずもありません。

議員年金廃止の理由② 議員年金の源泉は「税金」であるため

国会議員の給料と議員年金の源泉を考えると、「税金」な訳です。少子高齢化が進み税収が減っている訳で、現状の税収負担が多くなっているのは現役世代の皆さんです。国家の景気が上向いてこなかった理由は民間企業の過剰投資であった点もありますが、国会議員に理由がある点も多々あります。

消費税導入など国民の一人一人に負担を強いらせているのにも関わらず、国会議員の年金について触らないのはあまりにも不公平であるといえます。

議員年金廃止の理由③ 郵政民営化法案可決による国民世論への配慮のため

国会議員互助年金が廃止された時期は、ちょうど「郵政民営化法案」が可決された後であり、「郵政民営化」を進めるべく解散総選挙を展開した時です。

当時の小泉政権としてはこの法案を通すべき最重要課題であり、どうしても国民世論からのバックアップが必要となりました。そこで国民の関心として「無駄遣い」減らすための法案として議員年金が廃止へ動き始めて行きました。

議員年金廃止の理由④ 議員年金と国民年金との差が大きいため

議員年金が大きく批判を浴びる要因に、国民年金との格差が大きい点が挙げられます。国民年金は2018年3月時点では加入10年以降から年金が支払われるようになっていましたが、2006年当時は25年以上の加入期間が必要でした。

一方で国会議員互助年金では10年間の加入で年金受給権利を受け取ることができます。その他10年の途中で議員を辞職した場合でも、「3年間以上の加入期間」さえあれば掛け金の8割が戻ってくるようになっています。

国民年金ではそのような制度がなかったため、このような不公平さに世論は動きました。

議員年金廃止の理由⑤ 議員の大半が年金額に見合った働きをしていなかったため

議員年金を廃止まで持ち込んだ世論の一番伝えたい点は「議員の働きぶり」であると言えます。実際に平成初期のバブル景気崩壊を機に日本の景気は落ち込んで行きました。

景気を冷ました要因は様々ありましたが、消費税導入など国民への負担を強いる一方で、地震の議員報酬や年金の見直しを行わなかった点が世論をより厳しいものにしてしまいました。

議員は国そして地域の代表であり、国民一人一人の意見を代弁し、国の繁栄に寄与していくことが求められる訳で、自分たちの懐を温めるような行動に対して、「見合った仕事をしていない」と評価されてしまった訳です。

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議員年金がおかしいと言われる理由

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2006年と2011年に廃止になった議員年金制度ですが、非常におかしいと言われる点がありました。そこで以下で5つおかしいと思われる理由を解説して行きます。

理由① 国民年金と併用で年金がもらえる

通常国民は公的年金制度として「国民年金」を20歳以上は納める義務があります。現在年間19万6080円の掛金を支払い、65歳から支払われる形となります。

また一般企業に勤めている方は「厚生年金」、公務員の方は「共済年金」と年金を支払って行きます。

現状国民年金の年金額が「年779,300円」となっており、月に直すと6.5万円という計算となります。

通常国民年金以上に公的な年金をかけることは出来ず、自営業者向けの「国民年金基金」のみとなっていましたが、議員年金の場合はこれらの公的年金と*併用*で掛けることが出来ていました。

議員年金はあくまでも税金から出ている訳で、通常の国民年金と併せてもらえれば、税金から多くの老後資金を手に入れることが出来てしまう訳です。この点は非常におかしい点であると言えます。

理由② 約4年で元が取れる

議員年金がおかしい点は掛け金に対する年金支払額にあります。実は国民年金の場合は20歳から60歳までに掛け金を払った方の場合、約10年分で元が取れる計算になります。

一方で議員年金の場合は「4年」で元が取れてしまうようになっています。議員年金は年額126.6万円を納める必要があり、金額だけで考えると国民年金よりも負担が多いように見えますが、最低412万円が年金として支払われます。

国民年金よりも大幅に優れた年金制度であるのは一目瞭然であり、4年後も支払われ続けるという点からもおかしな制度であると言えます。

理由③ 2006年以前の当選議員は議員年金がもらえる

制度は廃止になった議員年金ですが、2006年6月以降の掛け金の支払いがなくなり、それ以降の議員の方への議員年金がなくなっただけであり、2006年以上前より議員を続けている方は「議員年金を多少なりともらう権利があります。」

理由は簡単で、「すでに掛け金を払ってきている」ためです。例えば麻生太郎副総理や安倍晋三総理大臣は2006年よりも前から政界で活躍されており、彼らも議員年金をもらう権利があります。

またすでに政界を引退されている方は引き続き議員年金を受給しています。例えば時の小泉純一郎元首相も同様です。

基本的に存命であればカットされたと言っても年金は支払われていくという矛盾さが議員年金廃止後も残っています。

理由④ 議員年金はまだ制度運営がなされている

理由③でも述べましたが、実質的に年金制度は継続されております。特に議員年金制度が施行中の際には、掛け金が3割で残り7割が公費で賄われていました。要するに「税金を投入している」ということです。

2006年6月以降、議員年金の掛金が無くなったため、既存の年金受給者へは「全額公費」で賄われているのです。メディアであまり報じられていませんが、毎年国民からの税金を無くなったはずの議員年金へ充てられているのです。

無くなった制度についていとも容易く税金を充てている点からもおかしいとしか言えない制度であると言えます。

理由⑤ OBの年金カット率が低すぎる

5つ目の理由は「OBへの年金カット率が低すぎる」という点です。制度は廃止になり、OBからの年金額をカットしているというものの、実際は「最大10%程度」に収まっています。

現状150名程度受給しており、最低額の412万円の年金であっても「最低年間6.2億円」の税金を用いていることになり、その額だけでも大きな負担になります。

抜本的に制度を廃止するのであれば受給者についても廃止にするべきであると国民であれば考えますが、受給している人間からすれば「自分たちの収入がなくなる」という気持ちから保持のスタイルに入ってしまいます。

従って現状で考えると受給している方々が全員亡くならなければ制度の完全廃止にはならないことになります。これもまたおかしい制度です。

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議員年金と国民年金の受給額の違い

議員年金と国民年金の受給額の違いについて見て行きますが、その違いは一目瞭然です。議員年金の場合は、国会議員を10年務めた場合は、「年間412万円」が支給されます。月に直せば「34.3万円」となる計算です。

一方国民年金の場合は、25年以上納め40年間払い続けた場合に、「年間約78万円」が支給されます。月に直すと「6.5万円」となるため、その差は約5倍になります。

国会議員は年間で126.6万円の保険料を支払っているため、国民年金の年額19.5万円と比べれば多くの年金額を支払っていることになりますが、受給金額の元が取れてしまうのは、議員年金の4年に対して、国民年金の約10年とこれらの不公平さが否めません。

実際サラリーマン等であれば厚生年金に加入していることからもう少し年金をもらっているとは言えども、高齢化が進んでいる今日の日本においては、これらの年金額では食べていけない方が増えてしまうことが容易に予想できます。

国会議員は国民の代弁者として税金で国政を担っているわけですが、国民にとって不利益を被ることが明らかな議員年金制度は矛盾さが甚だしいものでした。

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議員年金は何歳からもらえる?

国民年金の場合は「65歳から受給」される方が一般的ですが、議員年金の場合は何歳からの受給か気になるところです。

国会議員の場合、実は「議員辞職後からすぐ」に受給されるのです。例えば30歳で初当選し、ちょうど40歳で議員辞職した場合には「40歳から年金受給」となります。その後他の仕事をしていたとしても関係なく、その方が亡くなるまで受給され続けます。

特に議員として25年ほど務めている方であれば年間535万円ほど受給できる計算であり、国民の平均年収よりももらっている計算となります。国民年金の受給開始時期が60歳からあとズレしている中で、議員年金が優れていることがよくわかります。

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議員年金の財源とは

議員年金はどの財源から賄われているのか気になるところです。国会議員年金は正式名称が「国会議員互助年金」と呼ばれている訳で、国会議員がそれぞれを互助し合う「年金」制度として当初は設定されていましたが、現在は「全て税金」から賄われているのです。

運用当初は保険料から賄うことができていましたが、徐々に行き詰まり70%が公費から賄うようになりました。また2006年の制度廃止後は掛金自体がなくなってしまっため、全額を税金から賄わなければいけなくなったのです。

実際に現在も議員年金は支払われており、毎年毎年国民が納めた税金が議員OBに対して支払われていってる事実は何事にも変えられない事実です。

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議員年金が復活!?なぜ?

そんな悪名高き議員年金ですが、今復活しようという話がニュースで出るようになっています。実際のところ国会議員互助年金はもちろんですが、地方議員年金についても復活してほしいという話が議員から出ているのが現実です。

議員年金復活 「地方議員は職業か否か」この議論が先だ 今井照

近年の国会を見ていると解散総選挙が頻繁に起きており、その度に著名人や民間の若い世代が国会議員として選挙に出馬し、話題性から当選するものの役割を果たせず議員辞職をするケースが度々起きています。

その中でも一部の議員は辞職後は安定した職を保証されていない点から、生活に困窮しているという話が国会議員の中でも話題としてと挙がるようになってきました。

また地方議員についても同様の話題が飛び交っています。政権与党の自民党内では同様の話題が挙がる一方で、野党の日本維新の会や立憲民主党等からは反対の意見が出ており、実際に再導入されるかは未定の状態です。

国会議員や地方議員はあくまで自分達の精度も自分達で決めることができるため、下手をすれば再導入の可能性も否めません*。

国会議員は非常に意義のある仕事である一方で、辞職後はテレビのコメンテーターやタレントに転じる方もいれば、弁護士等の資格を有している場合はそれらの仕事につくことができます。一方で議員の仕事しかできずに社会において再出発ができない方もいます。

上記の点を踏まえれば扶助する考えはわからないまでもありませんが、年金復活よりも議員の再就職について最も合理的な方法を検討する方が先見であると言えます。

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議員年金の復活は許さない?その理は?

年金

議員の辞職後を補助するための年金精度の復活という話が出ている中、野党や世論からは激しい批判が飛び交っています。その理由はいくつかあります。

格差が生じる

まず一つは「格差が生じてしまう点」です。国会議員は元を言えば一般の国民であり、同じく国民年金を納める義務があります。国会議員は国民の代表ではあるものの、自身の立場を使った有利に年金制度を復活してしまった場合、議員出身者が「勝ち組」になってしまいます。

国会議員の仕事は尊いものではありますが、彼らだけを優遇される年金制度はあっては国内で格差が生まれるだけです。自身らの年金制度を整えようとする以前に困窮している方が多い日本の現状を打開することを目的とした法案整備に時間を使われることが望まれます。

財政問題が根強い

もう一点は「財政問題が根強い点」です。日本の税収はバブル期を最後にピークアウトしてきたものの、直近は企業業績の回復もあり税収は多少戻ってきています。一方で日本の総人口は減少の一途を辿っており、人口1億人割れがいつ起こってもおかしくない状態です。

国会議員の給料は税金であり、仮に議員年金が導入されてもかける年金は「税金」からきます。その他議員年金需給には税金が使われるため、税収が厳しい日本において議員年金制度を再導入すること自体国家のことを考えていないと言えます。

以上のことからも年金制度の再導入には反対な気持ちになる訳です。

<下に続く>

議員年金とは?議員年金が廃止された理由は?復活の噂はなぜ?のまとめ

議員年金の仕組みや廃止理由等を説明してきましたが、議員年金制度で儲かる方はあくまでも「議員のみ」であり、国民は負担を強いられてしまいます。

議員の将来への不安のためといった理由で再復活を遂げようとしていますが、再導入には国民からの大批判を食らうことが目に見えています。

国会議員や地方議員は、自身の年金制度の充実よりももっと行うことがあります。それは国民が一人一人安心かつ安定して生活を送れることです。議員への報酬アップや年金制度の改善は、日本の経済成長と景気底上げが顕著になってから再度考えるのであれば理解は得られますが、現状であれば不可能です。

まずは自分たちの年金制度よりも、国民一人一人が希望ある未来を過ごせるために方策をうってくれることを国民は望んでいます。

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