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2017/05/31

保育園を探す前に考えたい「かくれ待機児童」という言葉

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子どもを育てて休職している会社に戻りたいが、そこでネックになるのが「待機児童」という問題。希望する自宅近くの保育所に入れなかったり、認可保育所や認証保育所に空きがなく家計負担が大きい無認可保育所に選択肢が限られたり、といった状況が発生しています。とても深刻な社会問題です。

ただ、待機児童の問題がこれだけ政治の世界やメディアで取り上げられるようになり、保育所も増えているのになぜ状況が改善されないのだろう、と考えたことがあると思います。この時のキーワードとなる言葉が、「かくれ待機児童」です。いわば表に出ない待機児童の問題のこと。

かくれ待機児童とは?

かくれ待機児童とは、認可保育所を希望するしているにも関わらず、待機児童にカウントされていない児童のことです。具体的には、仕方なく無認可保育所に通っている児童や、親が復職の意思があるが子どもをひとりで家に置けないため職場に戻ることのできない家計です。東京都の場合は認可保育所と無認可のあいだに「認証保育所」という独自の制度がありますが、この認証保育所やベビーシッターなどの民間サービスを利用している人はかくれ待機児童にはカウントしないことになりました。

「しないことになりました」という意味は、かくれ待機児童の定義もこれまでは曖昧で、自治体によりカウント方法が異なっている現実がありました。そこで厚生労働省では、2016年に以下の定義をかくれ待機児童と定めています。

<2016年に定められたかくれ待機児童の定義>

親の状況 対象可否  
育児休業中
(認可など)特定の保育所を希望 自治体がヒアリングをして個別判断
求職活動を停止している 自治体がヒアリングをして個別判断
(認証など)自治体や民間サービスを利用 ×  

かくれ待機児童は、2016年4月時点で6万7,354人。待機児童(2万3,553人)の約3倍にも及びます。

<下に続く>

かくれ待機児童数が減らない理由

実際には、公的な公園に保育所を設置できるようになるなど、保育所が増えています。東京都は平成29年度の予算案において待機児童対策に1381億円を計上するなど、重点的に力を入れているにも関わらず、なぜ状況は改善しないのでしょうか。その部分にかくれ待機児童の本質的な課題があります。

希望する保育園に入れられない家庭の悩みは深刻です。そこで、メディアで「待機児童問題が解決」と報じられた市町村があると、その自治体に転居する家庭が増える傾向があります。また、行政は様々な方法で保育園や民間育児サービスの施設を増やそうとするのですが、近隣住民の反対も根強いという現実もあります。

そのような要因が組み合わさり、「待機児童ゼロ宣言」をした自治体が翌年、待機児童問題が再び発生してしまう、という現状があります。以前、「保育所落ちた」という切実な気持ちがインターネットに書き込まれ注目されましたが、さまざまな問題が積み重なり「待機児童問題」として報じられています。
誤解してはいけないのは、待機児童問題で引っ越しまでして対策している家計を否定しているものではありません。様々な要因をひとつずつほどいて取り組んでいかなければ難しい課題といえるでしょう。

待機児童の後にある「学童保育」の問題

我が子が待機児童の対象年齢を超えたあとも、同様の問題があります。日本では6歳から義務教育が開始します。ただ子どもが小学校に入学しても、午後の早い時間には放校します。とはいってもまだ幼い我が子を、一人で自宅に置いておくのは安全上とても怖いこと。そこで小学生の児童を、待機児童と同じように行政が預かってくれる「学童保育」という制度があります。一般的な学童保育は夜8時近くまで子どもを預かって貰えるため、親にとっては仕事と育児を両立するうえでも強い味方です。この待機児童もまた、利用するにあたって高い倍率があります。

現在ある調査では2017年現在、学童保育の数は全国で8万3,000人前後。行政は報じられたこの数字に数年先の社会問題化を鑑み、学童保育の拡大に力を入れています。

<下に続く>

充実する民間サービスにも注目を

ただ、国や自治体ではなく民間のサービスとして、待機児童や学童保育の子どもたちに適切な環境を整備する流れも整ってきています。これから子どもが対象の年齢に入る方は、行政サービスはもとより、民間でどのようなサービスが拡大しているのか最新事情をキャッチアップするようにしたいもの。たとえば介護施設と同じ場所に建設するなどの斬新な工夫も打ち出されています。

まさに現在は、国をあげて「働き方改革」という取組が進んでいます。これまでの働き方や暮らし方が大きく見直される段階となっています。これから最新事情に対応した民間サービスも斬新なアイデアを持って、続々と生まれていくことでしょう。引き続き、注目していきましょう。

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FP-MYS代表取締役社長兼CEO。 ファイナンシャルプランニング(FP)を通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。 Fintechベンチャー集積拠点FINOLAB(フィノラボ)入居。執筆実績多数。
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