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2018/05/08

滅相もないとは?意味や使い方、類語、例文、英語表現!

「滅相もない」は「メッソウモナイ」と読みます。自分を謙遜して使う言葉ですが、どのような意味で、どのような時に使う言葉でしょうか。なぜ会話の中で「滅相もない」というような返し方をするのでしょうか。「滅相もない」に敬語表現はあるのか、その正しい使い方、例文も含めて、わかりやすくご紹介いたします。

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「滅相もない」とは?意味は?

「滅相もない」には、「とんでもない」とか「思ってもいない」という意味があります。

「とんでもない」は「途でもない」が変形した言葉です。「途」には「道」と同様に、方法や手段と言う意味があります。

「途でもない」はその途が無い、つまり「手段や方法が無い」「元来の方法や手段どおりではない」という意味から、「思いがけない」「思ってもいない」となりました。

上司と会話

この「とんでもない」という意味を持つ「滅相もない」ですが、会話のなどの中で相手の自分に対する賞賛やお礼を断って、自らを謙遜する意味をもっています。

また、丁寧な否定をする言葉として、使われることもあります。目上の人や年上の人、ビジネスの相手などからの誘いを、やんわり断る意味がありす。

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「滅相もない」の語源は?

語源を探す

「滅相もない」の「滅相」の語源は仏教用語です。

仏教では、この世の中の、万物の生じて消滅するまでを「生相」「住相」「異相」「滅相」と四つの段階で表しています。

「生相」この世に生(ショウ)じること
「住相」この世に存在していること
「異相」経年劣化などで、変化していくこと
「滅相」この世から消え去る、消滅していくこと

「滅相」は、この世での活動が尽きて、命が終わる段階のことです。しかし、この世に執着を持ち、死をなにより恐れる人間にとって「滅相」は、タブーです。

人にとってタブーの「滅相」は自分たちの暮らしの中では「思いもよらない」「あってはならない」ことです。

「思いもよらない」ことを意味していた「滅相」が、やがて、「とんでもない」という意味で「滅相もない」と使われるようになりました。

「とんでもない」の意味で、現在では相手の気遣いや御礼に対して、「滅相もございません」と自らを謙遜して伝える言葉になっています。

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「滅相もない」の類語は?

「滅相もない」は「思ってもいない」という意味で使われますが、その他にはどのような類語があるのでしょうか。

・予想外:予想していたこと以外、思ってもいないこと

・以ての外:「以て」は手段、方法という意味。それ以外、想定以外のこと

・あらぬ:動詞「あり」を打消した言葉、そうあるはずではない、思いがけないこと

・望外:望んでいたこと以上、思ってもいない

これらの言葉は、「滅相もない」と同じように、「思ってもいない」という意味を持ちますが、実際の会話の中では使用するには注意が必要です。

謙遜する言葉である「滅相もない」は、謙遜するに相応しい会話、相手の言葉などの流れが必要です。

では、実際に「滅相もない」はどの様な時に使うのでしょうか。次は使い方をご案内しましょう。

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「滅相もない」はどういう時に使う?

「滅相もない」の実際の使い方ですが、基本的には会話の中で、相手の賞賛やお礼に返す丁寧な言葉として使われます。

相手の褒め言葉を、「自分は、そのように褒められる人間だとは思ってもいないですよ」と相手の賞賛を否定し、自分の事を謙虚に伝える言葉です。

親しい友人や同僚などとの日常の会話の中で使うことは、あまりなく、年上の人や目上の人との敬語を使った会話などで使います。

不思議に、人は相手を褒めておいて、その人がそれを肯定すると途端に図々しい、などと評価を下げることがあります。

そこを分かっていて、賞賛に対して、「そんな、私など褒められるようなものだとは思ってもおりません」と、相手の賞賛を否定し、自分の事を謙遜して相手に伝えます。

若い人でも、褒められたら「そんなことないです」とか「いやいや全然です」などと言っているのではないでしょうか。

「美人だね」と言われて、ウッカリ「そうでしょ。みんなに言われるのよ」とでも言ってしまったら、自惚れていると「炎上」してしまうこともあります。

若い人たちの「そんなことないです」や「全然です」を大人が使う丁寧にした言葉が、「滅相もない」になります。

年齢を重ね、ある程度の社会経験を経ると、ビジネスの場や、年上の方や、上下関係のある人間関係の中で、丁寧な否定の言葉である「滅相もない」を使う機会が増えていきます。

だた、「滅相もない」は会話のなかで、相手の言葉に対してその場で使うことが多い言葉なので、手紙などで文章にすることはあまりありません。

例えば、手紙で、「お美しい奥様にもよろしくお伝え下さい。またあの美味しい手料理をいただけると思うと、楽しみで仕方ありません。」と送られてきたとします。

その返事に、「美しいとお褒めいただきましたが滅相もございません」とは、わざわざ書かきません。

謙遜するとしても、せいぜい「愚妻の手料理がお口に合いますか不安ですが、その日は、腕を振るうと楽しみにしております」のような表現になるでしょう。

丁寧な否定の言葉なので、ビジネスの場合でも頻回に使いますが、同じ意味で、ビジネスメールなどでも、あまり使わないでしょう。

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「滅相もない」と「とんでもない」はどう違う?

悩む人
「滅相もない」「とんでもない」という意味ですが、この両者が全く同じものなのかと言えば、そうではありません。

使う場面により、どちらでも使える場合と、そうではない場合があります。

会話の中で、相手の賞賛を謙遜して否定する場合は「滅相もない」を「とんでもない」あるいは「とんでもございません」に置き換えても大丈夫です。

例えば、「君は美人だね」と、先輩に言われて「滅相もないです」と答えても、「とんでもないです」と答えても、どちらでも意味は変わりません。

しかし「とんでもない」の意味の「思いもよらない」には、「その範囲に入っていない」「考えていた以外の」という意味もあります。例えば、次のような場合は「滅相もない」とは少し意味が違っています。

・息子がとんでもない事件を起こしてしまった。
・方向音痴の彼は、一人で出かけるととんでもない方向に行ってしまう。

このような場合、「とんでもない」を「滅相もない」に入れ替えると意味が変わってしまいます。滅相もない方向では、意味が通じません。

「滅相もない」は謙遜表現なので、謙遜する対象が必要です。とんでもない事件には、謙遜する相手はいません。「とんでもない事件」を「滅相もない事件」とは言いません。

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「滅相もない」の丁寧ないい方は?

「滅相もない」は、会話などで相手に対して自分を謙遜して使う言葉ですが、その会話は、年上など目上の人との敬語での会話の場合に使うので、このままでも十分丁寧です。

それでも、より丁寧にしたいなら「ない」を「ございません」として「滅相もございません」と使ってもよいでしょう。

「滅相もない」を連語ではなく、単語として扱い、「ない」を「ございません」と表現することを誤りであるとして「滅相もないことでございます」が正しいとする説もあります。

しかし現在、すでに、「滅相もございません」が広く一般的に使用されていることから、一概に誤用であるとは言えないでしょう。

「滅相もございません」でも、「滅相もないことでございます」でも
どちらでもかまいません。

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「滅相もない」の例文

では、実際に、「滅相もない」はどのように使われているのでしょうか。例文でご紹介しましょう。

例文①

取引先とのサラリーマン同士の会話です。

Aさん「最近、御社もずいぶんとご発展ですねぇ」
Bさん「滅相もない、私共など御社に比べれば、まだまだです」

これに似た会話は、営業マン同士の挨拶では常套句です。お互いがお互いを褒めて、商談をスムーズにするための会話です。

例文②

お土産のやり取りの会話です。

Aさん「今日は、高価なお菓子をお土産にいただき、ありがとうございます。手に入れることが大変だと噂の有名店のものですよね。」
Bさん「いやいや、滅相もない。ほんのお口汚しでございます。お気に召していただけたら、早朝から並んだ甲斐があったというものです」

日本には、お土産などを相手に渡す時には、一生懸命心を込めて選んだ品でも、「つまらない物ですが」とか、このように「お口汚しですが」と「滅相もない」と同様に、へりくだる会話謙遜の文化があります。

例文③

Aさん「いやぁ、実に利発なご子息ですね。さぞかし将来が楽しみでしょう」
Bさん「いやいや、滅相もない。未熟者の愚息ですよ」
Aさん「これはまた、ご謙遜されて、子供のいない私には、立派なご子息がおられて、羨ましい限りですよ」

なんだか、ムズムズする言い回しですが、「そうなんですよ、実に優秀な自慢の息子です」など本心を言ってしまうと、「親バカ」ということになってしまいます。

例文④

Aさん「今度、取引先との会食を高級料亭で予定しているのだが、君もどうだい?」
Bさん「滅相もございません。私など、そのような場にはまだまだ出れるものではございません」

上司の誘いをやんわり断っている場面です。謙遜の意味もありますが、丁寧な否定として使う意味合いもあります。

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「滅相もない」英語でなんと言う?

英語表現

謙遜の文化のある日本人には謙遜は、ある意味マナーのようになっていて、良い意味でととらえられますが、英語で表現する時は注意が必要です。

「滅相もない」など謙遜の言葉は、相手の言葉を「否定」することです。日本人ならそのニュアンスは理解できるのですが、外国人には理解が難しい場合があります。

日本では、お歳暮などを渡す時に「つまらない物ですが」と言いますが、外国人にとっては「なぜ、つまらない物をくれるのだろう」となってしまいます。

英語には単語に敬語はありません。例えば「来る」は「Come」です。友達に対しても、上司に対しても同じです。日本語のように「いらっしゃる」とか「来られる」とか言葉自体に敬語があるわけではありません。

でも、年上や、目上の人などに対して、丁寧な言い方というのは存在します。中学生程度の英語でもその表現は習いました。

・Look at me (私を見ろ)
Please look at me(私を見て下さい)

Pleaseを付けると丁寧な言い方になります。ただ、場面によっては“could you 〜?” **や “would you 〜?”**を使う方が丁寧な言い方になることがあります。

「滅相もない」という英語はありませんが、自分を謙遜していることを伝える表現は英語でもできます。

You are a very good person.(あなたはとても優秀な人だ)と言われて
Thank you, but that’s not true.(ありがとう、でもそんな事はありませんよ)と答えれば、遠慮しているのだと相手に伝わります。

また、どうせ謙遜するなら、
I’m still learning.(まだまだ勉強中です)など、前向きな言葉で、表現するとよいでしょう。

ただ、英語で褒められたら、素直に Thank you, I’m glad to hear that.(ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しく思います)

と答えるのがよいのではないでしょう。謙遜やへりくだることを、日本のように「美学」または「常識」であると、理解してくれることはあまりありません。

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「滅相もない」は「大人」の会話

「滅相もない」について、まとめてみました。この言葉は、目上の方や、年上、上司、またビジネスの取り引き先などとの、敬語でのやり取りで、相手の褒め言葉や御礼の言葉に対して、返す言葉として使用します。

せっかく褒めてもらったのに、遠慮して謙遜して使います。自慢や自惚れを良しとしない、奥ゆかしい日本人ならではの言い回しです。また、決して本音を言わない「大人の会話」とも言えるでしょう。

日常の暮らしや、ビジネスなどで敬語での会話がスマートにできるようになり、「滅相もない」が当たり前に使えるのは、良くも悪くも大人の会話ができるということでしょう。

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「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。
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