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2018/05/15

強制退去が言い渡される理由や執行までの流れ!回避するには?

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目次

強制退去について

強制退去は、借家またはアパート・マンションを借りている人が何らかの理由(賃借料を払わない、騒音等)で、退去させられてしまうことです。
ただし、居住しているのが一戸建てにしても一室にしても、生活の基盤になっている所から追い出されると言う事態には、それ相応の原因があります。

いわゆる貸している大家さん側も、自分の任意で、借りている人に「出て行け!」と恫喝することはできません。
また、借りている人の部屋に勝手に乗り込んで、その家財道具を没収・廃棄して、退去を自力で実現させることはできません。

強制退去には条件があり、法律に則って大家さん(貸した側)はその手続きを踏む必要があります。
一方で、借りている人はこの様な事態にいたらないように、いろいろと注意しなければならないことがあります。

そこで、今回は強制退去について説明します。
強制退去が行われる流れ(期間・裁判手続き・実際の執行方法等)や、借りている人の荷物の問題、強制退去の回避方法を解説します。

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強制退去することになってしまったら?

強制退去を余儀なくされる事態になった場合、ご自分にとって非常に深刻な状況となることは想像がつくと思います。
ご自分の生活の場が奪われるわけですから、日常生活に重大な支障が出ることになります。

つまり、ご自分の住所を失ってしまうことに直結し生活が破綻してしまい、住所不定を理由に仕事に就くことも難しくなります。
更に強制退去を受けた人物としてブラックリストに載ることで、新たに部屋を貸してくれる不動産会社が現れないという状況も想定されます。

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強制退去を言い渡される主な理由

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こちらでは、強制退去の理由となる原因を取り上げます。
借りている人(賃借人)の自業自得と見受けられるようなケースもあれば、昨今の不景気で止むを得ないケースもある等、強制退去に至ってしまう場合はいろいろと存在します。

理由①:家賃を滞納している

家賃滞納は、強制退去に至る原因で最も多い理由と言えます。
大家さんが賃借料を受け取れなければ、生計はもちろんのこと、その後の貸家、アパート・マンションの維持にも悪影響が出ます。

賃借人にとっては、不景気により仕事の見つからない状況であること、病気がちで仕事に就けない、というそれなりの理由がある場合もあります。
一方で、お金があって払えるが「もったいないから払えない。」などという、強制退去させられても仕方がない理由もあります。

理由②:不法滞在

こちらは外国人が対象になる理由としてあげられます。
日本での在留資格を持たない場合、例えば母国で迫害を受けた、戦争・クーデターが勃発して怖くて帰れないという事情があっても、然るべき在留手続きが必要です。

その手続きを行わず在留資格を持たないならば「不法滞在者」となります。
不法滞在者が大量に発生すれば、日本国内でも犯罪の温床になってしまう等、悪影響が想定されるため、家屋の強制退去のみならず、母国への強制送還の対象となります。

理由③:騒音がひどい

アパート・マンションで特に想定される理由と言えます。
夜間なのに洗濯機の音がする、奇声を上げる、規則違反なのにアパートの一室でペットを飼っていて鳴き声がうるさい等、いわゆる“ご近所トラブル”と言われるケースです。

ただし、騒音というだけで強制退去させられる事態は稀です。
前述した事例にように規則違反でペットを飼っていて、管理会社からの再三にわたる注意を受けても無視し、ご近所との深刻なトラブルになっているような場合に、強制退去が検討されることになります。

理由④:悪臭がひどい

いわゆる“ごみ屋敷”が代表例と言えます。ただし、この状況は一軒家のみならずアパート・マンションでも起こり得る問題です。

ただ単に悪臭が原因で強制退去させられるケースは騒音と同様に稀です。
しかし、生活環境への影響のみならず安全という面で、無視できない状況の場合には、退去させられることもあります。

例えば、賃借人に収集癖があり、コンロ専用のガスボンベやヘアスプレー等の缶を、他のゴミと一緒に部屋に押し込んでいる状態だと、可燃性の缶の破裂で部屋中のゴミに引火し、火災に発展するケースも考えられます。

このように危険性が高いケースでは、自治体の職員が指導・説得に当たりますが、大家さんから強制退去の措置を受けることにもつながります。

理由⑤:脅迫・暴力行為

前述した例も含めて、大家さん等の注意に対して、賃借人が殺害をほのめかす脅迫や、包丁等の凶器で威嚇する、または暴力行為に及んだ場合は、刑事事件に発展します。

強制退去よりも、刑事罰という更に重い罪が科せられることになります。
賃借人の軽率な行動が、生活場所を失うだけではなく賃借人自身の人生にも取り返しのつかない結果をもたらすことになります。

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強制退去を執行される条件

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こちらでは、家賃滞納に関する強制退去が執行される条件を説明します。
以下で説明する項目の全てにあてはる時は、強制退去になる可能性は高くなります。

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条件①:長期間滞納した

借家、アパート・マンションいずれにしても、賃貸契約書を貸主側(大家さんまたは不動産会社)と取り交わしていることと思います。
その際には、「○ヶ月以上滞納すれば、賃貸借の契約解除を行う」旨の規定が設けられていることでしょう。

そのため、滞納を理由に貸主側は契約解除および退去を求める権利を有しています。
ただし、規定の内容が「「1ヶ月以上の滞納」であっても、いきなり契約を解除され、退去を命じられるわけではありません。

その際には、後述しますが電話や書面等での催促がまず行われることになります。
その後に裁判となり強制退去が検討されるわけです。

概ね裁判では3ヶ月以上の家賃の滞納で、強制退去を認めるケースが多いようです。

条件②:支払い意思の欠如

貸主側から再三にわたり家賃の支払を催促されているにもかかわらず、賃借人に全く支払う意思が無い時には強制退去となる条件の一つといえます。
他人の所有する一軒家または一室を借りている以上、家賃を支払う必要がありますし、貸主と書面で契約した際に、「無料で貸す。」等とは書かれていないはずです。

そのため、お金を支払う意思がなければ住む権利もないことは、借主側であっても当然理解できていることでしょう。
このような約束違反には、強制退去という形で責任が問われることになります。

条件③:信頼関係の崩壊

貸主側が一軒家または一室を貸し、借主側がその賃料を支払うことは、相互の信頼関係の上になり立ちます。
その約束事を書面化したものが契約書なのです。

借主の家賃滞納と、支払い意思の欠如は当然のことながら、貸主からすれば借主である方への信頼関係の崩壊につながっていきます。
信頼関係の崩壊にまで至れば、貸主側が対応措置として、強制退去をその手段とするのは至極当然といえます。

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強制退去に至るまでの流れ

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強制退去はいきなり行われるものではなく、法律的な手続き等を踏んで認められる措置です。
流れとしては、一般的に以下のような過程を経て強制退去が行われます。

流れ①:貸主側の催促および連帯保証人へ連絡

まずは貸主側(大家さんや管理会社)より電話や手紙により家賃の支払または問題となっている行動(騒音や悪臭等)の自粛・改善を求められます。
また、家賃滞納の場合なら、賃貸借契約時に設定した連帯保証人の方へ連絡が行き、滞納している本人の代わりに支払うよう求められます。

この段階で滞納していたお金を支払う等して問題が解決した場合は、当然強制退去は求められません。
ただし、家賃を立て替えた連帯保証人がご家族(例えばご両親や兄弟等)ではなく、保証会社であった場合は、また別の問題に発展する可能性があります。

保証会社とは賃貸借契約時、連帯保証人として立てる方が見つからない場合に、連帯保証人になってくれる会社のことです。
この保証会社が立て替えたお金は、いずれ賃借人が支払わなければならず、その返済に手こずっていた場合は、資産の差し押さえ等を受ける可能性があります。

流れ②:内容証明郵便の送付

いわゆる電話や手紙で催促または連帯保証人へ支払を要求しても、滞納家賃を回収できなかった場合、いよいよ貸主側は裁判を視野に入れた行動に移ります。
その行動の一つが「内容証明郵便」で滞納家賃を支払うように求めることです。

この方法は、借主側にしっかりと滞納家賃を支払うことを請求した「証拠」となります。
つまり、この段階で滞納分を支払わないと、滞納を理由とした裁判手続きが進行してしまうことになります。

流れ③:契約解除

借主側が対応に手をこまねいていたり、無視をし続けたりしていると、内容証明郵便という形で今度は契約解除の通知がご自宅へ送付されてきます。
この段階になると、貸主側が裁判所へ訴えを提起する準備はほとんど整っているとみて良いでしょう。

流れ④:裁判所への申立て、訴訟へ

貸主側が裁判所へ申立を行います。その際には、借家またはアパート・マンション一室の明け渡しだけではなく、家賃の滞納に伴う遅延損害金も申し立てられる可能性が高いです。
つまり、ただ単に賃借人の立ち退きだけでは問題が解決しないことを意味します。

申立の後、裁判所より賃借人へ訴状が届けられます。
家屋明け渡し請求訴訟になれば、賃借人の言い分も聴くことになりますが、貸主側が手を尽くしたうえでの訴えとなるため、借主側は非常に不利な立場となります。

当然のことではありますが、借主側が主義主張を述べる際に、感情的になって法定内で暴言や暴力行為に及ぶことはもとより、裁判を欠席するような態度をとれば、裁判官の心証を極めて悪化させることにつながります。

流れ⑤:強制執行申立

裁判所から立ち退くように賃借人へ判決が下された場合、貸主側と退去の日程が話し合われます。
その際に、なおも交渉に応じない場合や、話し合いで交渉がまとまらなかったら、更に貸主側は裁判所へ強制執行の申立てを行うことになります。

借主側からすれば、非常に追い詰められた状況となります。
しかし、なんとか転居先を見つけないと、その後の強制執行により生活の場すら特定されていない状態で、現在の住所を離れなければなりません。

流れ⑤:催告上送付~強制退去へ

貸主側の申し立てで強制執行による賃借人の退去を裁判所が認めた場合、裁判所より現在の住んでいる場所から立ち退くように「催告状」が届けられます。

この書面で指定期日までに退去することが命じられ、それに従わない場合は、執行官による強制退去が開始されます。
家財道具は撤収され、賃借人が逆上して強制退去を妨害すれば「公務執行妨害」により逮捕されます。

また、賃借人が在宅していない場合でも家のドアが解錠され、強制退去は行われます。
そのため、強制退去は非常に強力な権限行使の下で行われる最終手段といえます。

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強制退去を執行されるまでの期間

強制退去は強力な最終手段であるため、その執行までに時間がかかります。
強制退去にかかわる賃貸借の問題によって執行されるまでの期間も様々で、例えば「○ヶ月経てば確実に執行される。」という決まりはありません。

家賃滞納の場合であるなら、前述した「流れ②:内容証明郵便の送付」から1ヶ月程度で訴訟が提起されます。
この判決確定後、それでも賃借人が判決に従わず強制退去の段階に至るまでには早くても3ヶ月以上かかります。

すぐさま執行されるわけではないものの、貸主側や裁判所が、賃借人へ考える時間を十分に与えている以上、強制退去前に転居先を見つけるか、滞納家賃の支払の目途を付けておくことが、最悪の事態を避けるための方法といえます。

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強制退去になってしまった場合荷物はどうなる?

強制退去の際は、部屋に置いてあった荷物(家財道具等)は強制的に運びされてしまうことになります。
この荷物が差し押さえの対象になっていない場合なら、運び出された荷物はいきなり処分されるわけではなく、1ヶ月間保管されることになります。

荷物を取り返したいのなら裁判所へ出向いて指示に従い、荷物の引き取り手続きを行いましょう。
ただし、引き取り費用はご自分の負担です。この手続きに手間取っていると1ヶ月後には荷物が処分されてしまいます。

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強制退去を回避するには?

家賃滞納による強制退去の場合、掻い摘んで言うならお金を支払えば回避することができます。
問題はどうやって滞納した家賃を支払っていくかです。

次の3点を検討しましょう。

1.親族等に相談

お金を支払えば、基本的に問題が解決されるため、連帯保証人となった親族等に相談しましょう。
連帯保証人になる方は一概に親族ばかりといえませんが、訴訟が提起される前に、お金を用立てることができたなら、貸主側もこれ以上厳しい態度はとらないはずです。

2.貸主側との協議

滞納理由を大家さん等に正直に話して、支払の取り決めを行うことが大切です。
貸主側の催促を執拗に無視することで状況は次第に悪化していきます。

信頼関係の崩壊が、貸主側の態度を硬化させ強制退去へつながります。
まずは支払う意思を見せ、無理のない支払方法を互いに検討しましょう。

3.法テラス・国民生活センター等へ相談

貸主側が賃借人との協議に応じず、思うように交渉が進まないことも考えられます。
その際には、弁護士または「法テラス」に相談してみるのも良い方法です。

法テラスとは、正式名称「日本司法支援センター」という準独立行政法人です。
日本全国に拠点があるため、一度お近くの法テラスで滞納の件について話し合ってみましょう。なお、法テラスでは弁護士も紹介してくれます。

また、「国民生活センター」へ家賃支払いを相談し、生活福祉資金貸付制度の利用も考えてみましょう。
貸付について条件・金額は決められているものの、無利子でお金を借りられる場合があります。

<下に続く>

強制退去が言い渡される理由や執行までの流れ!回避するには?のまとめ

強制退去を回避するには、とりわけ賃借人が家賃を滞納している場合、貸主側と話し合いを行いながら、問題解決のため誠実に義務を実行する姿勢が何より求められます。

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