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2018/06/19

年俸・年俸制とは?メリット・残業代や賞与の扱いと年俸制の職業

皆さんは年俸というものをご存じでしょうか。
自分の給料は年俸制ではないが、そういう給料形態の職業もあるという認識の方が多いと思われます。

または、いざ就職してみたら入った会社が年俸制を採用していたという方もいらっしゃるでしょうか。
そういった場合、年俸制での税金の扱いや残業代、賞与の扱いについて最初は悩むことになるでしょう。

この記事では、年俸制についてメリット・デメリットのほか、手当や税金、残業代、ボーナスの扱いなどについてご紹介しています。

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目次

年俸とは?

意味

年俸とは、「一年単位で支払われる報酬、またはその総額」のことです。
ちなみに、「ねんぼう(nenbou)」は別読みなどではなく間違いで、「ねんぽう(nenpou)」が正しい読み方です。

紙幣

実際には賃金の額が年単位で支払われる……「だけ」ではなく、裏を返せば毎年の賃金の額が変動するという点に特徴があります。
通常は、賃金を受け取る労働者本人と賃金額を決める上司などが成績や仕事ぶりなどを元に話し合い、毎年の賃金額を決定するものです。

つまり、その人の実力や評価、頑張りがそのまま給与に繋がる支払形態であると言えます。
プロのスポーツ選手の報酬のイメージがありますね。

歴史

日本での歴史はまだまだ浅く、元々報酬の支払形態の一つであったにも関わらずバブル崩壊後まで年俸制をとる企業は多くありませんでした。
バブル崩壊後から近年にかけて年俸制の企業は増えましたが、あまり知られていないことから誤解もありました。

特に定着している誤解としては、「年俸制では時間外割増賃金は支払う必要がない」(年俸の中に含まれているため)というものがあります。
もちろんこれは間違いで、年俸制であっても時間外労働をした場合には最初に決定した年俸とは別に割増賃金を支払わなくてはいけません。

あらかじめ年俸に時間外割増賃金を含めて支給するということも認められており、どちらにせよ時間外の割増賃金は支払う必要があります。
「創栄コンサルタント事件」という、平成14年の判例もあります。

英語

英語ではannual salaryといいます。
annualは「毎年の」「年毎の」、salaryは皆さんお馴染み「給与」のことですね。

海外の方や海外のルールに準じた働き方をしている人が、「余計な仕事をせずとっとと帰ろう」という考え方になることが多いのは、海外(特にアメリカ)の会社が年俸制を採用していることがほとんどだからです。
年俸で一年間の給料が決まっていて、残業しても出張しても給料が増えることがないのなら、余計な仕事をしないという考え方になるのも頷けますよね。

長時間働いたところで収入が増えるわけではないので、これはこれで「時間内にいかに効率的に仕事を終わらせるか」「いかに無駄を減らして仕事をつつがなく終わらせられるか」と社員が考えて働くのに一役買っているようですよ。

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年俸制の職業は?

プロのスポーツ選手のイメージが強く、とりわけプロ野球選手の場合によく聞きますね。
年俸制が本人の実力や業績に応じた給料を決定するのに都合がよいためです。

もちろんそれ以外の職業、サラリーマンなどでも年俸制を導入している企業は存在します。
しかし労働基準法により、少なくとも毎月一回は賃金を支払わなくてはならないという毎月払いの原則により、取り扱い方としては月給制と変わりません。

月給制と違うのは、確実に最初に契約した分の給料が支払われるという点です。
月給制では風邪を引いたり何か用事があったり不慮の出来事で長く休職することになったらその都度お給料が減りますが(有休制度がありますが)、年俸制では休んでも当初契約した分のお給料は確実に貰えます。

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年俸制のメリット・デメリット

金額

メリット

上述の通り、年俸制と言っても日本の年俸制では一年分のお給料を一度にドンと渡されることはなく、最初に決めた一年分の賃金を月ごとに分割して渡されます
そのため、来年まで毎月幾らのお給料が貰えるのか決まっていることになります。

これはお金のやり繰りがしやすく、安定していると言えます。
ローンなど、お金の長期計画を立てる方には大きなメリットと言えるでしょう。

更には、自分の能力に自信がある人にとっては大きな報酬を貰える制度でもあります。
成果主義の企業では、この年俸制によって若いうちからでも能力に応じて高い給料を貰うことができるのです。

つまり、年功序列という概念がなく、年齢や勤続年数に関係なく、やり遂げたことや持っている技術、能力で月給制より高い給与を貰える可能性があります。
強い特技がある人や、大きなやりがいを求める人、古い会社の慣習にとらわれたくない人におすすめです。

デメリット

一年間は最初に決めた賃金で働くため、成果を出しても次の月にすぐ給与がアップするということはありません
頑張った結果がすぐに見えた方がモチベーションアップになりますが、結果として見えるのは来年以降となるとやる気が少し薄れてしまいますよね。

その代わり、契約すればその後一年間は契約した時より賃金が下がるということはないとも言えます。
もちろん業績がふるわなければ一年後には賃金がさがります。

また、成果主義が強く反映されているので、成果が出なければ給与に出ます。
自分が一年間やったことの結果がそのまま数字に表れることになるので、仕事にはしっかり向き合い目標を立てて臨みましょう

更には、先述しましたがその都度残業代が出るわけでない可能性があります。
これは契約の内容にもよりますが、最初に決めた年俸に時間外労働分が何十時間分と決められて含まれている場合、それ以上に残業しても年俸に入っているよ、ということになり支払われません。

最初の契約で年俸に時間外労働分の賃金を含まなかった場合は契約時の年俸は減りますが、残業をした場合にその都度残業した分の賃金が支払われます。
契約内容は企業としっかり綿密に話し合い、詳細まで確認しておきましょう。

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年俸と年収の違い

年俸制の職業でもお伝えしたとおり、日本では年俸制でも月ごとに給料が支払われます。
それでは年俸と言っても年収と意味合いが変わらないのでは? と思われるかもしれませんが、それは違います。

大きく違うのは年俸は「その企業と確実に支払われると契約した給料」ですので、掛け持ちや副業があると契約毎に年俸が発生しています。
その総額が年収になります。

掛け持ちや副業をしていない場合は、年俸に保険料や税金や残業代など諸々の手当てを差し引きしたものが年収になります。
単純に年俸と年収はイコールにはならないのです。

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年俸制について

お金

残業代

最初に交わす契約によります。
年俸に時間外労働分を含まない契約をした場合は、残業をするたびにその分の賃金が支払われます。

逆に、年俸に時間外労働分を含む契約をした場合は支払われません。
年俸に最初から含まれていますからね。

この場合は最初に含む時間外労働分を幾らにするか、をしっかり上司と話し合って決めた方がいいでしょう。
基本的には成果によって決まるものなので、前年の時間外労働分から考えて話し合うことになると考えられます。

ボーナス

ボーナスの支払い方は企業によってさまざまです。
入社する前や、年俸を決める話し合いの際に確認しておきましょう。

大抵は年俸に最初から賞与分を含み、それをどう分割するかということを決める企業が多いです。
つまり、単純に年俸に含んだ後で12で割って毎月支払うパターン、そして、年俸額を16で割ってその金額を月収として毎月支払い、年に2回、16分の2ずつを賞与として支給するパターンです。

もちろん割る数字は企業によって違った規定がなされていることでしょう。
これとは違い、年俸とボーナスを完全に分けていて、年俸とは別に業績に応じた賞与を都度支給する企業もあります。

税金

年俸制では税金が高くなるという噂もありますが、そんなことはありません。
引かれる税金は月収制と同じくらいです。

年俸制は最初に時間外労働分の賃金やボーナスの分を含んだ契約をすると月ごとの給与が多く見えるため、そのような誤解があるのでしょう。
確かに収入が増えると源泉徴収額が増えます。

しかし、多く徴収された分が年末調整によって差引されるのも月収制と同じなため、最終的に支払う税金が同じになるのです。
社会保険料も同様の理由で月収制と変わりません。

手当

もちろん年俸制でも家族手当や通勤手当、住宅手当など必要な手当ては受け取ることができます。
しかし、この手当を出すか出さないか、年俸に含めるか否かは企業の自由です。

手当が出ていなくても、年俸制では「そのように契約したのだから」と言われることでしょう。
そしておそらく年俸制で手当てが出る場合は、最初に契約した年俸に含まれていることが多いのではないかと推測されます。

<下に続く>

年俸・年俸制とは?メリット・残業代や賞与の扱いと年俸制の職業のまとめ

いかがだったでしょうか。
普段は特別な職業の給与形態であるとのイメージが強い年俸制ですが、年俸制を採用している一般企業も少なくないため、就職・転職してみたら年俸制で給料が支払われるということもあります。

そんなとき、年俸制について少しでも知っていれば具体的に自分にどれくらいのお金が入ってくるのかなど、悩まずに済みますね。

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