ユニコーン企業とは?
意味
ユニコーン企業は企業価値が10億ドル以上で非上場のベンチャー企業のことを指します。
10億以上の企業価値を獲得するのが難しいのはもちろん想像いただけると思います。
その中で、株式を公開せず資金調達を行なっているという点でユニコーン企業になることは困難です。
ここでユニコーン企業について詳しく紹介する前に、上場について説明いたします。
上場する一番のメリットは、大きく二つあります。
上場するメリット
- 株式を一般に公開し売買し資金を募ることができる
- 世間の信用を勝ち取ることができる
しかし信用を得て、株式を公開するには厳しい条件を満たす必要があります。ざっくり言うと永続する企業であるという証明が必要なのです。
上記を満たすことのできる企業は少なく、日本では約3500ほどしかありません。
2018.7.3時点 参考:東京取引所
これは日本に存在する企業は約570万ほどあり、 総企業数に対して上場している企業は0.06%となります。
参考:総務省資料
これほど上場することは難しいのです。
上場するデメリット
一方で上場するデメリットもあります。
- 株主の声を取り入れる必要があるため、経営の自由度が制限される
- 社会的責任を追う必要がある
- 買収リスクがある
など上場してもいいことばかりではありません。
ユニコーン企業が存在する理由
ユニコーン企業は上場するために必要な条件は揃っているのにも関わらず、上場をしていません。
それは上記に示したようなメリットとデメリットを検討した上で、上場しないことを選んでいるのです。
由来
ユニコーン企業と言われる由来について紹介します。
伝説上の生き物「ユニコーン」のことはご存知でしょうか?写真のように額にツノが生えていて馬のような生き物です。
ユニコーン企業もこの生き物のように珍しいため、ユニコーンという名前がつけられました。
米カウボーイ・ベンチャーズの創業者が使用し始めたと言われています。
ユニコーン企業の条件とは?
ユニコーン企業と言われる条件は大きく二つあります。
- 企業評価額が10億ドル以上であること
- 上場していないこと
上記を満たす必要があります。
ユニコーン企業が多いのはどこの国?
ユニコーン企業を多く輩出しているのはアメリカです。以下が世界ランキングです。
1位:アメリカ
2位:中国
3位:インド
2013年ころまではアメリカが圧倒的に1位でしたが、近年他の地域の発展が目覚ましいです。
特に中国は急成長しており、アメリカと肩を並べるようになってきています。
ユニコーン企業が生まれる理由
先ほど上場するメリットとデメリットを比較した上でユニコーン企業であることを選択していると説明しました。
ここでは、上場しないと選択した理由について詳しく見ていきましょう。
- 評価額が過大評価されている
- 資金調達の方法が増えた
- スタートアップらしい経営を保つため
評価額が過大評価されている
近年ベンチャーバブルが起こり、たくさんのスタートアップができています。
Facebookなどのベンチャーが成功したことから、バブルに乗じて投資家が企業評価額を高くつけることがあります。
過大評価された企業が上場後、成長が低迷してしまうと資金調達が厳しくなり経営困難になってしまいます。
このような状況を目の当たりにした起業家たちが、上場のリスクを取らずユニコーン企業となるのです。
資金調達の方法が増えた
今までは多額の資金を獲得するときは上場し、株式を売買することで資金を調達することが必要でした。
現在は規制が緩和され、投資家が増えたことからわざわざ手間のかかる上場をしなくても資金調達をすることができるようになりました。
スタートアップらしい経営を保つため
上場すると株主の意見を取り入れる必要があり、経営の自由度が下がってしまいます。
株主がいるということは、常に利益を上げ成長し続け、株主に配当を行わなければなりません。
もし成長が低迷すると、株価が下がり社会的信用も下がってしまいます。
株主総会は定期的に行われるため、もし株主総会の際に利益が落ちていると、今までは好意的であった株主も批判的な意見を述べるようになります。
このような状況だと、企業は短期的な利益を確保する必要がでてきます。
長期的な利益を見越したような新しいビジネスモデルを試すことも難しくなります。
日本のユニコーン企業一覧
では、日本のユニコーン企業をみていきましょう。
フリーマーケットアプリを運営するメルカリが日本最大のユニコーン企業でしたが、6月マザーズに上場を果たしました。
そのため日本のユニコーン企業は、プリファードネットワークスのみです。
ネクストユニコーン
また、ネクストユニコーンと呼ばれる企業も存在します。
ネクストユニコーン企業は、将来的にユニコーン企業になりうる企業のことを言います。
- Sansan
- Freee
- ビズリーチ
- エリーパワー
- TBM
- FiNC
- ラクスル
- ボナック
- ビットフライヤー
- ランサーズ
それぞれの「企業」について詳しくみていきましょう。
日本のユニコーン企業①:プリファードネットワークス
プリファードネットワークスは、最近話題のAIのディープラーニングを取り入れたIoTを開発しているテクノロジーカンパニーです。企業価値が2000億円以上で、日本のユニコーン企業の代表です。
トヨタを始めとした大企業と提携を行い、今後も成長していく企業の1つです。
日本のネクストユニコーン企業①:Sansan
Sansanは、名刺をインターネット上で管理できるアプリを提供している会社です。法人向け、個人向けサービスを展開しています。
評価額は200億以上となり、次のユニコーン企業として注目されています。
日本のネクストユニコーン企業②:Freee
Freeeは、会計ソフトを運営している会社。煩雑で難しい経理の仕事をクラウドを使うことで効率化し、今多くの企業で導入されているサービスです。
評価額は約100億です。
日本のネクストユニコーン企業③:ビズリーチ
ビズリーチは、ハイクラス人材の転職サイトを運営する企業です。ビズリーチは優秀な人材が会員登録をし、優良企業が採用を行なっている注目されているサービスです。
現在は新卒向けのサービスを行うなど、幅広い事業展開に挑戦しています。
日本のネクストユニコーン企業④:エリーパワー
エリーパワーは、大型リチウムイオン電池を製造、販売している会社です。リチウムイオン電池は安全で、パワーが強く寿命が長いので開発が進んでいます。
日本のネクストユニコーン企業⑤:TBM
TBMは、従来の木を使った紙やプラスチックの代わりに、石灰石などを使った新素材を開発している会社です。地球温暖化の原因となっている森林伐採や二酸化炭素の発生を防ぐ可能性があり、次世代企業として注目されています。
評価額は約280億円です。
日本のネクストユニコーン企業⑥:FiNC
FiNCは、ダイエットアプリを開発する企業です。自分1人で食事や運動量を管理するのではなく、トレーナーや栄養士とアプリを通して連携することでより効果的な健康管理を目指しています。
日本のネクストユニコーン企業⑦:ラクスル
ラクスルは印刷の最適化を試みている企業です。印刷物に合った印刷会社を提案すると共に、プリンターの非稼動時間に印刷することで高価な印刷を安く済ませることができます。
評価額は210億です。
日本のネクストユニコーン企業⑧:ボナック
ボナックは、近年ベンチャー企業がこぞって進出している医療業界で頭角を表している企業です。病気を起こす異常なタンパク質を抑えることができる「ボナック核酸」の開発・製造・販売を行なっています。
次世代医療として特許を取得、海外からも注目が集まるネクストユニコーンです。
日本のネクストユニコーン企業⑨:ビットフライヤー
ビットフライヤーは、仮想通貨取引所・販売所を提供している会社です。現在、様々な企業が仮想通貨を開発していますが、国内でもっとも注目されている仮想通貨の1つです。
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日本のネクストユニコーン企業⑩:ランサーズ
ランサーズはクラウドソーシングのサービスを運営している企業です。クラウドソーシングとは、プロジェクトごとにインターネット上で人材の採用を行なうサービスです。
中小企業は人件費が限られているため、採用を行うことができませんでした。ランサーズはそんな中小企業と、フルタイムでは働けない主婦層や、フリーランスとして活躍している人材をマッチングしています。
世界のユニコーン企業一覧
では、世界のユニコーン企業をみていきましょう。
世界のユニコーン企業には、以下の企業があります。
- Airbnb
- Xiaomi
- WeWork
- Uber
- Spotify
- Shazam
- SoFi
- Stripe
- Coinbase
それぞれの「企業」について詳しくみていきましょう。
世界のユニコーン企業①:Airbnb
Airbnbは民泊プラットフォームです。部屋を持っていて貸したい人と、借りたい人を繋ぎます。普通のホテルにはないような豪華な部屋も登録されていて、世界中で人気のサービスです。
現在世界的にも有名な企業でユニコーン企業の代表と言われています。
世界のユニコーン企業②:Pinterest
Pinterestは誰でも画像やアイディアを登録し、共有できるサイトです。世界各国から集まった素材はおしゃれなものが多く、見てるだけで楽しいです。
年々利用者が増えており、世界中の人が利用しています。
世界のユニコーン企業③:Xiaomi
Xiaomiはスマートフォンなどを製造する総合家電メーカーです。
中国国内ではAppleやサムスンを超すシェアを誇っており、中国経済を牽引する代表的なユニコーン企業です。
世界のユニコーン企業④:WeWork
WeWorkは、企業やフリーランスに対して、ワーキングスペースを提供しています。スタイリッシュなオフィスで、他の利用者と交流しながら働くことができます。
ベンチャーの成長を支援する仕組みも整っていて、企業の成長を促進するサービスです。
アメリカをはじめ、ヨーロッパや東南アジアにも進出しています。最近東京にもWeWorkオフィスができました。
世界のユニコーン企業⑤:Uber
Uberは、タクシー配車アプリの先駆けとなった企業です。住所を入力するだけでタクシーの配車ができ、支払いもアプリ上で完了するので安心です。
Uber Eatsという出前アプリも人気です。
世界のユニコーン企業⑥:Spotify
Spotifyは、月額約1000円を支払うことで、日本はもちろん全世界の音楽が聞ける音楽サービスです。有料会員にならなくても、広告を聞くことで無料で音楽を聞くことができます。
世界のユニコーン企業⑦:Shazam
Shazam
は、アプリを起動して、音楽を聞かせるだけで曲名を表示してくれる検索アプリです。
カフェなどで気になる音楽があるときに瞬時に調べることができます。
⑦で紹介したSpotifyやAppleと連携していて、検索した曲を改めて聴いたり購入することができます。
10億ダウンロード突破しており、世界中で利用されています。
世界のユニコーン企業⑧:SoFi
SoFiは奨学金を借りたい大学生を対象としたサービスです。このサービスを利用すると、各大学の卒業生や投資機関から奨学金を受けることができます。従来の奨学金機関よりも安い金利で借りられることから利用者が増えています。
世界のユニコーン企業⑨:stripe
stripeは法人向けオンライン決済サービスを提供しています。様々な決済内容に対応していることや、Stripeに登録するだけで世界中の顧客にリーチできるためグローバル展開を視野にいれている企業が多く利用しています。
週ごとに新しい機能をリリースしているため、さらに人気が高まります。
世界のユニコーン企業⑩:Coinbase
Coinbaseは、世界最大級の仮想通貨取引所です。ビットコイン、イーサリアム、ライトコインを取り扱い、24時間で10万人もの人が登録した伝説を持っている企業です。
世界が注目するユニコーン企業
ユニコーン企業について知ることはできましたか?まだまだ世界にはここで紹介した以上にたくさんの企業があります。
経済を活性化するベンチャー企業の先頭にたつユニコーン企業のこれからを是非チェックして見てください。