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2018/06/27

エアコンや建物の減価償却率とは?計算方法や旧定率法との違いを解説!

高額のものを経費に数えるとき、その価値が数年(または数十年)にわたって最初の価値より落ちていくという考えから、少しずつ計上していく仕組みのことを減価償却と呼びます。
例えば、パソコンなどは購入時にかかった金額分の価値が毎年あるわけではありませんよね。

年数が経てば、性能も劣化しますし他に新しい機種も出て、相対的に古いマシンになっていきます。
このように「高額」かつ「長期間使用できるもの」の経費計上を分割で処理する仕組みです。

この分割処理の際にどれくらいの掛け率で償却していくか? という数字が「減価償却率」です。
ちなみに、課税は資産購入時に行われていると判断されるため、減価償却費は不課税です。

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目次

減価償却率の計算方法

減価償却率の計算方法には、定額法と定率法の2つがあります。

定額法

主に個人事業の場合に使用される計算方法です。
資産の取得価格に、定額法の償却率を掛けると、定額法で一年に支払う減価償却費が計算できます。

つまり、この計算方法ですと毎年の償却費が一律になります。
取得価格を耐用年数で割っているのと同じだからですね。

発想としては、耐用年数が2年であれば半分に割るので償却率は0.5、5年なら5で割ることと同じなので償却率は0.2……と言った感じです。
この発想をそのまま計算方法に用いず、税法で決められた定額法償却率を使用しているのは、耐用年数が3年や6年の場合は割りきれなくなるからです。

償却率が0.33333…となってしまっては困りますよね。

定率法

定率法とは、毎年同じ償却率で償却費を決定していく方法です。
ただし、「資産購入時の経費から前年までに減価償却した額を引いた額」に対して同じ償却率を適用するということです。

そのため、定額法と違い償却費は初めの年が一番多く、年々減っていきます。
支払えば支払うほど、償却率を適用する金額が少なくなっていくためですね。

その代わり、この計算方法では毎年毎年支払っても残りの償却費が絶対にゼロにはなりません。
そのため、「償却保証額」というのが設けられており、定率法の償却率を用いて計算したその年の償却額がこれに満たなくなった以降は、毎年同額となり、耐用年数が過ぎるまでこの額を支払うことになります。

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減価償却率の耐用年数表とは?

資産

上述した計算方法でも、「耐用年数」という言葉が多く出てきました。
これは、新品まっさらな資産を手に入れてからその資産の価値がなくなるまでの期間、つまり「大体これくらいの期間使ったら壊れるだろう」「これだけ使えばもう使えないとみていいだろう」とされている期間です。

本来はそれぞれの企業が所持している資産をどれくらい、どのように稼働させているのかを調査し、そこから適切に判断し見積もるものです。
しかし非常に骨が折れる作業ですから、ほとんどの企業は税法で定められている「法定耐用年数」を採用しています。

これは例えばサーバー用でないパソコンは4年、金属製の事務机や椅子は15年、時計は10年……などというようにその主な種類別に耐用年数が決められた表として発表されています。
これを採用すれば、企業が持つ膨大な資産を一つ一つ検める作業をする必要はありません。

企業がそれぞれで耐用年数を決めるのは、作業が面倒だという理由以外にも「節税対策を懸念して」というものがあります。
耐用年数を企業が決められると、その年の減価償却費を操作できてしまいます。

引いては利益を操作することにも繋がり、節税しようと考える人には格好の的です。
節税を考えていなくても、そういったことが可能であるため厳しい調査が入ります。

それを避ける意味でも、法定耐用年数を採用している企業が多いのです。

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エアコンの減価償却率は?

企業としてエアコンを購入した場合、その種類が「器具及び備品」であるか「建物付属設備」であるかは悩むところでしょう。
前者は6年、後者は13年または15年の耐用年数が定められています。

どちらでもトータルの償却費は変わらないのですが、耐用年数6年の場合は償却率0.333、耐用年数13年または15年の場合は償却率0.154または0.133となっており、初年にかかる償却費を抑えたい場合は耐用年数を長く取りたくなります。
逆に資金の回収を早くしたい場合は、耐用年数を短くしたくなりますね。

ではエアコンの耐用年数はどうなるのかというと、エアコンの種類によります。
業務用のエアコンで、ダクトで繋げてフロア全体を冷やすことのできるようなものは「建物に付属している設備として見られます。

よって、法定耐用年数13年または15年を取る「建物付属設備」と見られるエアコンはビルドイン形・ダクト形のもの。
それ以外の天井埋め込み型や壁掛け型、床置き型、天井吊り下げ型などのエアコンは法定耐用年数6年の「器具及び備品」となります。

前者は建物の建築時からダクトの配管を作っておかねばならず、後から容易に取り付けることができません。
これから買って容易に取り付けができるか?」を判断の材料にするとよいでしょう。

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建物の減価償却率は?

建物

建物の耐用年数は長めです。
そのため、減価償却率もかなり低くなります。

建物の構造と用途によって細かく耐用年数が決められており、柱の材質が違うだけでも耐用年数は大きく変わります。
用途は二つ以上ある場合、主な用途の方を採用します。

例えば、使用目的が「事務所」である建物の場合、鉄筋コンクリートであれば50年、レンガ・石・ブロック造りである場合41年、木造・合成樹脂造りの場合24年、木骨モルタルの場合22年となっています。
鉄骨造りの場合は骨格材の厚さで重量鉄骨・軽量鉄骨に分けられ、更に暑さが4ミリを超えると38年、3~4ミリの間であれば30年、3ミリ以下であれば22年とされています。

しかしこれは建物を建ててからの耐用年数であって、建物を手に入れた時が一番新しい状態であるとは限りません。
そのため他の資産とは違い、「手に入れた時点であと何年使えるか」という観点から計算します。

具体的には、購入した中古資産の経過期間がすでに新品の耐用年数のすべてを経過してしまっている場合、新品の耐用年数に0.2を掛けます。
まだ新品耐用年数の全てを経過していない場合、中古資産の経過年数を引いた残りの耐用年数と、中古資産の経過年数に0.2を掛けた数字を足して算出します。

ちなみに、その計算の注意点として、中古資産の経過年数は一年未満の端数を月数に直して計算し、計算中も端数はそのままにするが計算結果の一年未満の端数は切り捨てるというものがあります。
計算結果の耐用年数が2年を切った場合は一律2年とされます。

計算をする際には注意してくださいね。

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旧定率法と200%償却と250%償却の違いは?

お金

旧定率法

平成19年に、税制が改定されました。
それまでに取得した資産は、旧定率法による償却率で償却額が計算されます。

未償却残高 × 旧定率法の償却率 で算出されます。

250%償却

平成19年4月1日以降に取得した資産については、250%償却がされるようになりました。
この250%というのは、定額法の償却率に対して定率法では250%の償却率で計算するという意味です。

例えば、耐用年数10年の資産は、定額法では償却率0.1(10分の1)です。
すなわち250%償却の場合の定率法償却率は0.1×250= 0.25 となります。

償却率が1を超えた場合は1とします。
つまり一年で償却可能ということですね。

しかしこのまま計算しますと耐用年数内に未償却残高をゼロにすることができません。
そのため、定率法による償却費が、未償却残高÷残年数 を下回った年からは、定率法に切り替えて計算することになっています。

200%償却

平成24年4月1日以降に取得した資産については、償却率を引き下げた200%償却によって償却費が計算されるようになりました。
それにより、償却額のトータルは変わらないものの、償却期間を長くとることになりました。

計算方法は、250%償却の時とほとんど同じで、定額法の償却率に0.2を掛けて算出するものです。
同じく未償却残高をゼロにすることができないため、定額法に切り替えるのも変わりません。

250%償却も200%償却も切り替えが4月1日からになっていますが、企業によっては年度の始まりが4月1日ではないところもありますよね。
その救済措置として、旧定率法から250%償却への切り替え、または250%償却から200%償却への切り替えは、その切り替えにまたがる年度内の償却法を一律250%償却にするか200%償却にするか選択することができます。

大抵の中小企業は250%償却を選びます。
なぜなら、そちらの方が手間もかからず償却期間が短く済み、お得と考えられているからです。

<下に続く>

エアコンや建物の減価償却率は?計算方法や旧定率法との違いを解説!のまとめ

何度か法律が変わっていることもあり、どう計算してよいのか悩むのが減価償却費です。

ですが、基本的な考え方、例えば最終的に支払う額は一律であるとか、どの割合を採用しても初年度の減価償却費が一番多くなるのは変わらないとか、そういったことをしっかり理解しているとさほど難しいことではありません。
この記事が参考になれば幸いです。

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