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自己資本比率とは?企業を判断する時の目安、併せて見る指標を解説

自己資本比率は、企業にとって、取引先や銀行など金融機関に対し信用を得る指標ともなっており、自己資本比率が高い企業は一般的に信用度は高くあります。

この自己資本比率についての計算法や、目安となる高い・低いの数値、高い企業の自己資本比率企業のデメリット、赤字企業の低いマイナス指標など分かりやすく解説いたします。

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自己資本比率とはわかりやすくいうと?

自己資本比率とは、ROE(Return On Equity)とも呼ばれ、企業の預貯金や不動産、有価証券、株主からの投資額など総資産のうち、どの程度が自己資本で賄われているか割合を示す数値で、財務上、健全性を確認できる指標の1つと言えます。
自己資本比率は一般的に30%以上あれば望ましいと言われ、50%前後であればかなり優良な企業と言えます。

自己資本比率について

中小企業においては、平均約15%ほどでも望ましく、業種によっても異なるため、同業種の自己資本比率を比較することが多く見られます。

自己資本比率が高ければ、自己資本を原資に事業を行なっていることから経営は安定し、企業の健全性を示す指標とも言えます。

よって、企業は自己資本比率を上げることで信頼が得られるため、既存の株主や第三者の出資者に対し投資してもらい、事業によって得られた利益を配当、設備投資などに回さず内部留保することで自己資本比率を上げることも可能です。

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自己資本比率の計算方法

自己資本比率の計算方法は、貸借対照表の「負債の部」と「純資産の部」の合計を用いて「純資産の部」を「負債・純資産合計」で割り、100をかけた数値が自己資本比率となります。

「純資産の部」が3,200万円で「負債の部」が2,800万円であれば、純資産を3,200万円に負債2,800万円をプラスした額を割り100をかけると自己資本比率は53%となります。

経済産業省によると、自己資本比率は企業が融資された資本と調達した資金を比較したものであり、大企業では金融機関からの融資や株式・社債発行などで資金調達できるものの、中小企業は銀行など金融機関からの融資に頼るしかなく、大企業に比べ自己資本比率は低くなるとしています。

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自己資本比率の業種別統計データ

国内で、最大の企業情報のデータベースを保有する帝国データバンクによると、平成28年度の自己資本比率の全産業平均は25.71%と前年度から1.04ポイント増加しました。

リーマン・ショックが起きた前年、平成19年度の24.71%を初めて上回り、全5業種全てが前年度を上回りました。

特に建設業では、平成23年の東日本大震災の復興公共事業から、人手不足になるほど事業が急増し、前年度から1.33ポイント増加し、6年連続で前年度を上回っています。

自己資本比率の平均値

平成28年度の業種別自己資本比率では、製造業が31.86%と円高是正の恩恵を受け、次いで卸売業の28.43%、小売業の21.83%、運輸・通信業が21.61%、建設業の21.44%と次ぎますが、前述の通り業種によって自己資本比率は異業種では比較できませんので、あくまで参考としてください。

この中でも、前年度に債務超過に転じていた運輸・通信業が0.2ポイント増加し、債務超過を解消しました。

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自己資本比率が40%をこえると会社はつぶれない?

一般的に自己資本比率が40%を超えると経営は健全化で堅実に行われていると判断され、銀行など金融機関からの資金調達にも有利になります。

特に大手企業では自己資本比率が40%あれば、メガバンクにも信頼され、事業計画や経営計画などの書類などを提出すれば円滑に融資されます。

その恩恵を得るため自己資本比率を40%に上げるには、長期間滞留する売掛金や未収入金などは損失として計上し、企業にとって余分な資産を切り離し、借り入れなどの返済があれば負債を圧縮します。

また、一番わかりやすい方法として自己資本比率を上げるには利益を上げることであり、義務である税金の未納は避けることで自己資本比率40%に近づき企業は破綻や倒産に陥ることは限りなく少なくなります。

自己資本比率を上げ、破綻・葉酸を避けるには利益をアップさせ、固定費や売掛金、在庫・固定資産をコントロールすることが鍵となります。

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経営が安定している企業の自己資本比率の目安は?

企業の破綻・倒産の懸念ない自己資本比率40%を目指す

自己資本比率は、返済が不要である自己資本が企業全体の資本調達の何%あるかを示す指標であるため、自己資本比率が高いほど経営は安定化し健全性も保たれている企業とみなされています。

一般的には、自己資本比率が70%を越えれば最優良企業とみなされ、40%台では破綻・倒産の心配のない企業と信用されています。

赤字企業の自己資本比率はマイナス4%

平成28年度の全産業の自己資本比率の平均は25.71%であり、会計事務所と地方公共団体の2つの分野に専門特化し、税理士や公認会計士1万1,000名が加盟する会計人集団のTKCによると、自己資本比率の平均は赤字企業でマイナス4%、黒字企業で27%となっています。

赤字企業の自己資本比率

優良企業とされる上位15%の自己資本比率は53%となっていますので、まずは40%を目指すことをが金融機関や取引先などから信頼が得られることになると考えられます。

自己資本比率が低い企業は、信用を得ることが容易でなく金融機関からの融資も消極的になりがちですので、前述の通り利益余剰金を増加させ、固定資産や在庫をコントロールする必要があります。

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自己資本比率だけで企業を判断できるの?

バブル期の大企業も破綻する時代

企業の経営にとって自己資本比率は重要な指標となり株主の増資や、金融機関からの資金調達も円滑に行われると思いがちですが、そのためには、5年、10年、20年先を見た計画や戦略が重要と見られます。

日本の大企業であっても、バブル期に「JAPAN as No.1」と言われたほどの力量を見せたものの、バブル破綻後には破綻・倒産したり、海外企業から買収されるなど放漫経営が足を救うことにも繋がります。

放漫経営は自己資本比率の高さだけでない

平成29年度3月期の大企業の決算は、円高是正、日銀の異次元金融緩和もあり過去最高を記録した企業も大きく報じられましたが、逆に放漫経営から従業員を路頭に迷わせる企業も現れ、大きな格差が見られました。

自己資本比率が高い企業は、破綻・倒産しない、買収されないは、グローバル社会が急速に進捗するなか、それだけでは通じなくなっていることも実情です。

何よりも、経営陣のこの先の見通し、計画、戦略が間違った方向に進めば自己資本比率が高くとも、すぐに低下し窮地に陥ることもあるのが現状です。

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自己資本比率と併せてみたい指標は?

指標①:総資本経常利益率

総資本経常利益率は、ROA(Return On Assets)とも呼ばれ、経営分析にとっては重要な指標であり、総資本をいかに利用して利益を上げるかを示す指標です。

総資本は、「負債・純資産合計」であり、総資本経常利益率は総資本に対してどの程度、経常利益を出したかを示す指標であり、数値が高いほど収益性も高いことになります。

理想的な自己資本比率

総資本経常利益率は、理想的には5%前後が優良とされていますが、1%未満の場合には、そのほとんどが増えていない状況と言えます。

指標②:売上高総利益率

売上高総利益率は、粗利率とも呼ばれており売上高から原価を差し引いた売上総利益は商品力に反映されます。

売上高総利益を売上高で割った売上高総利益率が高いほど商品やサービスの収益力が高いことになります。

指標③:売上高営業利益率

売上高営業利益率は、営業利益から販売費、販管費を差し引いた数値でいかに経費を抑えるかで売上高営業利益率は上がり、企業に利益をもたらすことになります。

売上高営業利益率の算出法は、営業利益を売上高で割り100をかけた数値となります。

指標③:流動比率

流動比率とは、返済能力を判断する指標であり、1年以内に資金にできる流動資産と、返済しなければならない流動負債の割合を示す指標です。

流動資産は、企業の預貯金や売掛金などの資産に棚卸資産をプラスしたもので、流動負債は、買い掛け金や短期借入金の合計になります。

流動比率は流動資産を流動負債で割り100をかけた数値で高いほど安定していることになります。

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銀行は自己資本比率が低いって本当?

銀行の自己資本比率は、他社、他人の資本に依存する比率が高いために、他業種ににくらべて低くなりやすくなっています。

大きく分けて自己資本と他から借りた資金の2つに分かれます。

自己資本は、銀行自身が株式を発行し調達した資金でや利益の貯蓄、株式の購入で得た利益、所有する不動産など返済の必要のない資金です。

一方、他から借りた資金とは、国民からの預貯金や日本銀行から借り入れた資金などで、この資金を企業などに融資し、利子をつけて回収し、利子分が利益となります。

銀行の自己資本比率

よって、銀行はこの2つの資金を合わせたものが総資産となり、自己資本を総資産で割り100をかけたものが銀行の自己資本比率となります。

銀行は、金融問題を解決する国際決済銀行という国際機関があり、世界の銀行にBIS(Bank International Settlement)規制を定め、海外で事業をする場合には自己資本比率は8%以上、国内では4%以上と定められています。

例として、銀行の自己資本額が16億円で、融資額や保有する株式、不動産額の総額が184億円とすると、銀行の総資産は200億円で自己資本比率は8%となります。

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自己資本比率が高い企業のデメリットとは?

事業の成長、拡大への挑戦が失われるリスク

自己資金比率が高い企業のデメリットとして考えられるのは、自己資金比率が高いために企業の成長、拡大が抑えられてしまうというデメリットがあります。

自己資産比率が高ければ、借入金もなく返済の必要もないため、現状で満足し、経営陣や従業員はそれなりの報酬を得て現状を変えようとしない傾向も見られます。

これは、日本が高度経済成長期に自動車や家電製品などを世界に日本企業の技術力を見せつけ、輸入を拡大し自己資金比率を上げ、経営陣、従業員は高額の報酬を受け満足するという構図にあります。

現代の経営者に必要なものは挑戦力

ただ、バブル崩壊後は、成長を遂げた日本企業の経営者は2代目、3代目と移り変わり、これまでの企業の報酬に満足し、事業の拡大を図らず、グローバル化の進展によって海外企業にシェアを奪われてしまうことにもなりました。

企業をより大きく、利益を拡大させるためには、現状の事業に満足せず、より挑戦的、拡大させるような事業に目を向けなければならず、それには設備投資や運転資金など新たに資金を調達する必要もあります。

先祖代々の老舗企業がここ数年で破綻・倒産する理由もこれにあると考えられます。

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自己資本比率とは?企業を判断する時の目安や併せて見る指標、高いことでのデメリットのまとめ

自己資本比率は、高いことに越したことはありませんが、それが逆に放漫経営にもつながるリスクも潜んでいることがあります。

高い自己資本比率

ここ数年でも、日本を代表する大企業が窮地に陥れられた原因は、現状の事業に満足し、新たな事業への挑戦、拡大を挑戦しなかったことも考えられます。

日本は、今後、人口が減少し、地方経済は衰退するのが予測されていますので、ニーズに合った事業を自信を持って挑戦する力が重要となると考えられます。

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